なぜLUSHは「非効率」を選ぶのか? 大切な人に贈りたくなる“ハンドメイド”へのこだわり
- マイナビウーマン |

友達、家族、パートナー……大切な人へギフトを贈りたくなるホリデーシーズン。
クリスマスギフトとして毎年高い人気を誇るナチュラルコスメブランドLUSH(ラッシュ)は、いまも世界でも珍しい“ハンドメイド製造”を続けています。大量生産が当たり前の時代に、なぜあえて非効率的な手作業にこだわるのか──。
その理由を探るべく、マイナビウーマン編集部はLUSHの“キッチン”と呼ばれる神奈川県の製造拠点へ潜入取材。そこで見えてきたのは、単なる作業の効率では測れない、ものづくりへの深くて強い哲学でした。
■色鮮やかなバスに揺られて、LUSHのキッチンへ
取材当日、私たちが向かったのは神奈川県にあるLUSHの製造拠点。従業員も利用するという、LUSHらしいポップなカラーのバスに乗り込み、キッチンへと向かいます。
LUSHの商品はイギリスで開発され、日本国内向けの商品はほぼすべてこの神奈川のキッチンで手作りされているとのこと。
年間のギフトボックス製造数はおよそ60万個。なかでもクリスマスシーズンは特に繁忙期で、10万個以上ものギフトがここで生み出されます。それら全てが手作業で作られていると聞き、最初から驚きが止まりません……!
■ “リジェネラティブ”を最優先にした素材選び
LUSHのこだわりは、手作業だけではありません。最初にお伺いしたのは、パッケージやラッピングに関する素材調達のこだわりについて。
LUSHでは全ての素材調達において「リジェネラティブ(再生)」を最優先にしていると言います。
包装紙は全て100%再生紙、箱は再生板紙で作られているそうです。さらに、手作業の製紙工場と協力し、バナナの繊維やTシャツの端材を活用して新たな紙として生まれ変わらせる取り組みも行っています。
また、風呂敷から着想を得た繰り返し使えるギフトラッピング「ノットラップ」には、ヴィンテージの布や100%オーガニックコットン、リサイクルされたペットボトルなどを素材として使用。
まさに “捨てられるはずだったものに新たな価値を与える” というLUSHのブランド精神が、素材選びの細部にまで息づいていました。
LUSHが掲げる「地球をよりみずみずしく、豊かな状態で次世代に残す」という使命は、スキンケア製品という枠を超え、企業活動全体の軸になっているのだと感じられました。
■ ハンドメイドの現場へ──職人技が生む“美しいギフト”
いよいよ製造工程へ。キッチンに足を踏み入れると、広い作業台にぎっしりと並んだギフトボックス。スタッフが手際よく、箱を組み立て、商品を詰め、ラッピングし、リボンを結んでいきます。
驚かされるのは、そのスピードと正確さ。
スタッフそれぞれが工程ごとに熟練した技術を持ち、無駄のない動きで美しい仕上がりへと導いていきます。
LUSHでは「誰が作ったのか」も大切にしており、商品には作り手の顔(イラスト)と名前が印刷されたラベルが貼られます。「どんな人が作ったのか」を知ることで、私たちが安心して使えるのはもちろん、作り手自身も責任と誇りを持って一つひとつの製造に向き合えるのだそうです。
大量生産では見落とされがちな“作り手の存在”。LUSHはその価値を、どの商品にも丁寧に紡ぎ込んでいました。
■ 実際にやってみた! ギフトボックスの梱包体験
次に挑戦したのは、クリスマスギフトの梱包体験。スタッフに教えてもらいながら実際に手を動かしてみるのですが……。
「思った以上に難しい!」
折り目が浮いたり、箱が歪んだり、リボンが均等にならなかったり。見た目よく、かつしっかり固定されるように結ぶのがこんなに難しいとは想像していませんでした。
ひとつ梱包するだけで5分以上。もしこれを数百、数千とこなすとなると気が遠くなりそうです……。
そんな作業を毎日、正確に、そして何より美しく仕上げているスタッフの方々の技術の高さに、改めて尊敬の念を抱かずにはいられませんでした。
■なぜLUSHは“非効率”を選ぶのか?
機械化すれば、もっと早く大量に作れるはず。それでもLUSHがハンドメイドを続ける理由──それは「ギフトに宿る温度」を守るためだと感じました。
誰かが大切な人を思いながら選ぶギフト。その気持ちに寄り添うように、作り手もまた一つひとつに丁寧に向き合う。まるで思いのバトンが渡されていくような、美しい循環がここには確かに存在していました。
■ “選ぶ楽しさ”まで届ける、LUSHのギフト文化
LUSHでは店頭で好きなアイテムを自由に選び、ノットラップでラッピングして世界にひとつの組み合わせにできるカスタマイズギフトのサービスも実施しています。ノットラップは風呂敷として使うのはもちろん、スカーフやバッグとしてファッションアイテムにも転用できる万能アイテム。使い捨てではなく、その先の“楽しみ”まで提供しているのがLUSHらしい視点です。ノットラップで包まれたギフトの受け取り手も、見るたびに贈り手の顔を思い浮かべることになりそうです。
ギフトを「贈る側の楽しみ」も、「受け取る側の喜び」も、そして「その先の未来」も大切にする──そんな考え方がブランド全体に貫かれているのだと強く実感しました。
■温度のあるギフトを、大切な人にも自分にも
クリスマスシーズン、誰かを思いながら選ぶギフトには特別な意味があります。だからこそ、温度のある、心の通ったアイテムを贈りたい。LUSHのハンドメイドギフトは、そんな気持ちに寄り添ってくれます。
全てが手作業で作られたギフトボックスは、大切な人への贈り物にはもちろん、今年一年頑張った自分へのご褒美にもぴったり。
“非効率”をあえて選ぶLUSHが届けるのは、モノだけではなく、作り手の想いとブランドの哲学。その温もりを、ぜひあなたも受け取ってみてはいかがでしょうか。
(マイナビウーマン編集部)
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