「家計破綻が怖い」教育費・住宅資金・老後資金のトリプルパンチに怯える夫婦を救う、FPの「4つの提言」
- マイナビウーマン |

共働き夫婦のリアルな家計簿を読み解く「共働き夫婦の家計相談室」。FPの鈴木さや子さんが、悩める共働き夫婦に家計についてアドバイスします。第4回は、前回につづき同世代より資産が少ないことに悩むHさんの家計と将来への備え方について教えてもらいました。
Q.資産が少ない我が家。住宅購入や子どもの進学に備えるには?
今回の相談はHさん(30代女性、時短勤務の会社員)から。大学教員の夫と、保育園に通う2歳の子、ペットの犬1頭と暮らしています。
毎月きちんと貯蓄できるようになったのは数年前からで、資産は少ないほうだと感じています。今は住宅購入資金や教育資金の準備に不安があるそうで……。

私たち夫婦はともに26歳で結婚しましたが、夫は29歳まで博士号取得のため大学院に通っており、その学費を払っていました。また不妊治療の費用や治療に伴う働き方の変化などがあり、本格的に貯蓄ができるようになったのは2年ほど前からです。同年代と比べて貯蓄は少なめだと思います。
子育てや犬と暮らす環境のことを考えて、住宅購入を検討しています。5年以内に首都圏で考えており、予算は5000万円台まで。頭金のためにもっと現金を貯蓄したほうがいいのでしょうか。
また夫婦ともに奨学金で大学へ進学したので、その返済が今も続いています。子どもには奨学金を使わず、親が用意したお金で大学などに行かせたいです。夫が大学教員で博士号まで取得したので、子どもも父親と同じように大学院進学を希望するかもしれません。その場合の学費も用意したいと思っています。2人目も希望していますが、学費を2人分準備できるのか不安です……。
A.キャッシュフロー表で「我が家の未来」を“見える化”して

Hさんのご希望や現在の家計状況をもとに、教育費・住宅購入・老後資金まで含めたキャッシュフロー表を作成しました。
以下は、今後40年間の「年間収支と貯蓄残高の推移」をグラフ化したものです。賞与や旅行などの臨時費用は仮設定としています。
<仮設定の内容>
世帯の手取り年収:960万円
臨時費用:年60万円
65歳時退職金:1500万円
子ども2名の進路:中学まで公立→高校私立→大学私立理系→大学院

キャッシュフロー表
給与から月16万円、賞与から年約90万円を貯蓄すると仮定したところ、今の生活水準を保てば、住宅購入・お二人のお子様の教育資金・老後資金を含めても資産は尽きないことがわかりました。あくまでシミュレーションですが、今の堅実なスタイルを続けていければ、大きな不安は少ないといえそうです。
将来に備えるための視点を、4つの観点から整理しました。
1.今の生活水準を維持できれば、将来も安心
時短勤務中でも年間200万円超を貯めていることから、とてもやりくり上手な家庭だと感じます。シミュレーションでも、今後40年間資産が尽きる時期はなく、支出が今のままであれば、安心して過ごしていける見通しです。
2.住宅購入はできるだけ頭金を貯めて
物件価格の2割は頭金として準備したいところ。6000万円の物件なら1200万円、5年で貯めるには年240万円の積み立てが必要ですが、現在の貯蓄力があれば到達可能でしょう。ただし、頭金支払い後にも、半年分の生活費は予備資金として現金で残しておくようにしましょう。ローン完済は70歳を想定したため、教育費が落ち着いたら繰上返済も検討してください。ローン金利は2%で設定していますが、今後の金利動向に注目を。
3.2人目を望むなら「欲しいときが授かりどき」
キャッシュフロー上、2人目を迎えても家計が破綻することはなさそうです。ご夫婦の気持ちを第一にタイミングを考えてよいと思います。育児と仕事の両立や、住宅購入、キャリアプランなども含め、ご夫婦で今後の暮らしをじっくり話し合って検討してみてください。
4.老後も大きな心配は不要。今の備えを続けて
今の積立投資を続けて(利回り3%と仮定)、退職金が1500万円あると仮定すると、65歳時点での資産は約7000万円に。そこから毎月15万円を取り崩しても、38年間は維持可能と見込まれます。過度な心配は不要ですが、60代以降に生活水準を急に落とすのは難しいため、50代から家計のスリム化を意識して。あわせて、65歳以降も年金以外の収入を得られるよう、スキルの棚卸しや、人脈作りなどもしておくと安心です。
前回記事
▶ 毎月のやりくりはできているけれど、同世代より資産が少ない。どうすれば?
(文:鈴木さや子/マイナビ子育て編集部)
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