カードローンの過払い金は戻ってくる?請求手続きやデメリットを徹底解説
カードローンの過払い金は戻ってくるの?該当しているは知りたい人必見!結論、「グレーゾーン金利」と呼ばれる金利帯で借り入れていた人は過払い金が戻ってくる可能性があるので確認してみてください。消費者金融で、18.0%以上の金利で借りた人が対象です。
この記事では、過払い金が戻ってくる仕組みや条件、注意点について詳しく解説しています。請求方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
- カードローンの過払い金とは?
- カードローンで過払い金が戻ってくる3つの条件
- 過払い金請求の対象にならない人
- 注意!銀行カードローンでは過払い金は発生しない
- カードローンの過払い金請求の流れ
- カードローンの過払い金請求を行う3つのデメリット
- 過払い金請求を専門家に依頼すべき3つの理由
- 過払い金が発生せず、返済が苦しいときの4つの対処法
- カードローンは支払いすぎた過払い金が返ってくることも!まずは条件をチェックしよう
- カードローンの過払い金にあるよくある質問
カードローンの過払い金とは?
過払い金とは、本来支払う必要がなかったにもかかわらず、カードローン会社に支払いすぎていた利息のことです。
以前は金利に関する法律が2種類に分かれており、一部の貸金業者が「上限金利を超える金利」を設定していたこともありました。
利息制限法ではアウトですが、出資法ではセーフになっている金利を「グレーゾーン金利」といい、この金利帯で借り入れしていた方は過払い金が戻ってくる可能性があります。
カードローンで過払い金が戻ってくる3つの条件
勘違いされがちですが、過払い金はカードローンを利用している人全員に発生するものではありません。
過払い金が発生するには、以下の条件があります。
- 完済から10年以内であること
- 2010年以前の借り入れであること
- 請求先が倒産していないこと
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①完済から10年以内であること
過払い金請求には、完済から10年間の期限があります。
債権は、十年間行使しないときは、消滅する。 引用:民法167条
ちなみにここでいう「完済」とは、最後に返済行為を行ったタイミングを指します。
たとえば、2000年から借り入れしていて2015年に支払い終わった場合、その10年後の2025年まで過払い金請求することが可能です。
とうの昔に完済している借金でも、過払い金が発生するかもしれません。
②2010年以前の借り入れであること
過払い金請求の対象となるのは、2010年6月17日以前の借り入れのみです。
グレーゾーン金利は、2010年の貸金業法改正によって撤廃されたため、以降の借り入れで過払い金が発生することはありません。
また、実際には2007年時点で上限金利を変更している貸金業者も多いため注意です。
まとめると以下のようになります。
③請求先が倒産していないこと
過払い金請求の条件を満たしていても、請求先が倒産していては意味がありません。
2010年に貸金業法が改正されて以降、多くの貸金業者は過払い金請求による資金繰りに悩まされてきました。
とくに、当時トップクラスに有名だった消費者金融「武富士」が貸金業法改正によって倒産してしまったのは有名な話です。
プロミスやアコムといった消費者金融は現在も健在ですが、請求先が倒産していないか確認しておきましょう。
なお、請求先が倒産していても、買収されていたり吸収合併していたりする場合は、過払い金を請求できることがあります。
過払い金請求の対象にならない人
一方で、過払い金の対象にならない人もいます。以下の内容に当てはまる人は、残念ながら過払い金の対象の可能性は低いといえるでしょう。
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2010年以降の法定金利でお金を借りている人
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過払い金請求の時効が過ぎた人
では、それぞれの特徴について見ていきましょう。
2010年以降の法定金利でお金を借りている人
2010年以降、利息制限法の範囲内でお金を借りた人は、残念ながら過払い金請求の対象にはなりません。また、現在の金利でも借金が減らない、毎日の返済が厳しい場合には、法務事務所に相談するのも1つの手です。
過払い金の請求時効が過ぎた人
過払い金には時効があります。消費者金融との取引が終了してから、10年以上経過している場合は、残念ながら時効が成立している可能性が高いです。時効が成立してしまっている人は、残念ながら過払い金の対象からは外れてしまいます。
注意!銀行カードローンでは過払い金は発生しない
銀行カードローンで過払い金は発生しないため注意です。
銀行は、消費者金融と違って「銀行法」という法律に則って貸付を行っており、2010年以前からグレーゾーン金利での貸付は行っていませんでした。
したがって、2010年以前に銀行カードローンで借り入れしていたとしても、過払い金が発生することはありません。
カードローンの過払い金請求の流れ
カードローンの過払い金請求を自力でおこなう際は、以下の手順に沿って行いましょう。
- 開示請求をおこなう
- 引き直し計算をする
- 貸金業者と交渉する
各手順について詳しく解説します。
①開示請求をおこなう
まずは貸金業者に開示請求しましょう。
取引履歴は、貸金業者に「取引履歴開示請求書」を送付することで取り寄せられます。
業者側には取引履歴を開示する義務があるため、開示請求を断られることはありません。
ただし、開示請求の理由が過払い金請求だと知られてしまうと、少ない金額で和解を求められるリスクもあるため要注意です。
開示請求の目的を聞かれたときのために、「利息をいくら支払っているのか気になった」「返済状況を整理したくなった」などの理由を考えておきましょう。
②引き直し計算をする
取引履歴が手に入ったら、次は引き直し計算で過払い金を請求します。
引き直し計算とは、今までの貸付を正しい利率に直して、きちんと返済していればいくら借金が残っているのか計算するものです。
世の中には「過払い金請求ソフト」も無料で提供されていますが、実際に正確な過払い金を知ることは難しいです。
また、計算が間違っていると過払い金請求を断られてしまうリスクがあるため、正確に計算しなければなりません。
③貸金業者と交渉する
正確な過払い金額がわかったら、業者と交渉しましょう。
大前提として、業者側もできるだけ過払い金を支払いたくないため、全額返還されることはまずありません。
交渉がうまく進まない場合、訴訟を考える必要があるでしょう。
訴訟を起こせば、交渉するよりも多くの過払い金を取り戻せますが、時間も手間もかかってしまいます。
カードローンの過払い金請求を行う3つのデメリット
カードローンの過払い金請求を実行に移す前に、以下のようなデメリットがあることも知っておきましょう。
- その貸金業者からは借り入れできなくなる
- ブラックリストに載ることもある
- 家族や職場にバレる可能性がある
それぞれ詳しく解説します。
①その貸金業者からは借り入れできなくなる
過払い金請求をおこなうと、貸金業者の「社内ブラック」に登録され、以降その会社との取引ができなくなることも考えられます。
さらに、クレジットカードが作れなくなったり、系列会社でも借り入れができなくなったりと、思わぬ弊害が生じるかもしれません。
過払い金請求をおこなう前に、その金融機関にどんな系列会社があるのか調べておいた方がよいでしょう。
もちろん、過払い金請求をしていない会社と取引する分には何の問題もありません。
②ブラックリストに載ることもある
カードローンをまだ返済中の場合は要注意です。
返済途中の過払い金請求は、債務整理と同じ扱いとなり、ブラックリストに登録されてしまいます。
もし過払い金請求によってブラックリストに載れば、完済から5年間はクレジットカードの利用や新たな借り入れができなくなるため、非常にリスクが大きいと言えるでしょう。
まだ返済中の借金に関しては、過払い金請求しない方が良いケースもあります。
一方、すでに完済している場合や、過払い金請求を行ったことで完済できる場合はブラックリストに載りません。
③家族や職場にバレる可能性がある
自力で手続きする場合、家族にバレるリスクも考えられます。
過払い金請求をおこなうには、債権者と書面で何度かやり取りする必要があるため、書類を見られると借金の存在を知られてしまうでしょう。
ただし、弁護士や司法書士などの専門家に依頼すれば、書類作成や交渉などの手続きを代行してもらえるため、バレるリスクを大きく減らせます。
過払い金請求を専門家に依頼すべき3つの理由
以下のような理由から、過払い金請求の際は専門家に相談した方が賢明です。
- 手続きが大変なため
- 過払い金の減額リスクを下げるため
- 時効を防ぐため
それぞれ詳しく解説します。
①手続きが大変なため
過払い金請求を自力でおこなうとなると、かなりの手間がかかります。
とくに大変なのは、書類の準備と引き直し計算です。
引き直し計算は、取引期間が長かったり複数の業者と取引していたりすると、計算がややこしくなります。
また、過払い金請求をおこなうには以下の書類を自力で揃えなければなりません。
- 過払い金返還請求書
- 訴状
- 証拠説明書
- 取引履歴
- 引き直し計算書
- 登記簿謄本
- 訴状費用額確定処分申立書
法律の知識がない方にとって、自力で調べながら書類作成や引き直し計算をおこなうのは、相当な負担となるでしょう。
②過払金の減額リスクを下げるため
最も難しいのは業者との交渉です。
貸金業者は金融のプロ。素人が交渉に臨んだとしても、相手のペースにうまく乗せられ、考えていたよりもずっと低い金額で和解させられてしまうでしょう。
費用を抑えようとして自力で過払い金請求を行っているのに、専門家に依頼するより受け取れる額が少なくなってしまっては本末転倒です。
交渉の難しさを考えると、結局は費用を払って専門家に相談した方が得になる可能性が高いと言えます。
③時効を防ぐため
個人で過払い金請求をおこなうには、どうしても時間がかかります。
もし完済から時間が経っている場合、手続きに手間取ってしまい、時効を迎えてしまう可能性もあるのです。
自力で過払い金請求をおこなう場合、請求してから過払い金が返ってくるまでに少なくとも6か月はかかると言われています。
時効が迫っている場合、専門家に依頼してスムーズに手続きを進めてもらった方が無難だと言えるでしょう。
過払い金が発生せず、返済が苦しいときの4つの対処法
過払い金が発生せず、返済が苦しい場合は以下のような方法で対処しましょう。
- 返済計画を立てる
- 収支の見直しをおこなう
- 身内からお金を借りる
- カードローン以外で借り入れする
それぞれ詳しく解説します。
①返済計画を立てる
まずはきちんと返済計画を立てましょう。
カードローンは金利が高いため、毎月いくら返済するのか明確にしないと、なかなか返済が終わらず苦しむことになります。
なお、多くのカードローン会社は「返済シミュレーション」を用意しています。
まずはシミュレーターで「毎月いくら返済すればいつまでに完済するのか」を調べ、返済期間が長くなりすぎないようにしましょう。
目安として、長くても2〜3年以内に完済することをおすすめします。
②収支の見直しをおこなう
次に収支の見直しを行いましょう。
お金に困ってしまう方は、家計簿をしっかり付けておらず、お金の流れを把握できていないことが多いです。
とはいえ、家計簿をつけるのはかなり大変ですから、以下のような「家計簿アプリ」を利用しましょう。
- マネーフォワード ME
- OsidOri
- Dr.Wallet
家計簿アプリを利用すれば、クレジットカードや銀行を登録するだけでお金の流れがわかるようになるため、やりくりが楽になりますよ。
それぞれのアプリの特徴について解説します。
①マネーフォワード ME
最もおすすめの家計簿アプリは、マネーフォワード MEです。
家計簿アプリのなかでも対応している金融機関がトップクラスに多く、銀行やクレジットカードだけでなく、電子マネーや各種ポイントサービスとも連携できます。
また、自動でジャンルを振り分けてくれるため、固定費が把握しやすくなるのも利点です。
とにかく家計簿を自動化したいなら、マネーフォワード MEを利用してみましょう。
②OsidOri
夫婦やカップルで家計簿をつけるならOsidOriが良いでしょう。
夫婦間の共有に特化したアプリで、どちらがいくらお金を使ったか可視化できるため、夫婦でどうやって家計簿をつけるか悩んでいる方におすすめです。
2人の家計管理に悩んでいるなら、ぜひOsidOriを利用してみましょう。
③Dr.Wallet
現金を使う機会が多いならDr.Walletがおすすめです。
レシート読み取りに対応している家計簿アプリは多いですが、Dr.Walletはとくに読み取り能力が高く、現金決済でも簡単に登録できます。
他のアプリでレシート入力が面倒だと感じている方は、ぜひDr.Walletをインストールしてみましょう。
③身内からお金を借りる
どうしても返済が苦しいなら、身内からお金を借りるのも手です。
借金の一部でも親や友人に立て替えてもらえば、その分は利息が発生しないため、落ち着いて返済できます。
ただし、お金の切れ目は縁の切れ目。身内だとしてもお金を借りるときはきちんと「借用書」を書き、いつまでに返済が終わるのか話し合っておきましょう。
④カードローン以外で借入する
借り入れ方法は何もカードローンだけではありません。
場合によってはクレジットカードのキャッシングや契約者貸付、国の支援制度などでお金を借りられる可能性があります。
借り入れを借り入れで返済しようとすると、自転車操業になって立ち行かなくなってしまうため、借り入れ以外の方法を考えるのもよいでしょう。
借り入れ以外の方法については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください!
カードローンは支払いすぎた過払い金が返ってくることも!まずは条件をチェックしよう
過払い金とは、カードローン会社に支払いすぎた利息のことです。
以前は一部の貸金業者が、法律の上限を超える「グレーゾーン金利」を設定していたことがあり、その金利帯で借り入れしていた場合は過払い金を請求できます。
過払い金が戻ってくるか知るために、まずは以下の条件に当てはまっているかチェックしてみましょう。
- 完済から10年以内であること
- 2010年以前の借り入れであること
- 請求先が倒産していないこと
実のところ、貸金業法改正からかなりの時間が経っているため、実際に過払い金が戻ってくる方は多くないでしょう。
当サイトでは、カードローン以外の借入方法・資金調達方法についても紹介していますから、過払い金が発生せず資金繰りが苦しい方もぜひ参考にしてください!
カードローンの過払い金にあるよくある質問
最後に、カードローンの過払い金に関するよくある質問について紹介していきます。
多くの人が抱きがちな質問をリストアップしました。ぜひチェックしてみてください。
Q1. そもそも過払い金ってなに?
「過払い金」とは、本来支払う必要がないのにもかかわらず、賃金業者に支払いすぎたお金のことです。かつては金利の高い出資法に合わせた金利設定になっていたため、利用者が利息を払いすぎるという事態が起こりました。この払いすぎた利息分が「過払い金」と呼ばれています。
Q2. カードローンで利息の払い過ぎってあるの?
改正賃金業法の完全施行によって現在は、出資法の上限利息は20%とされ、「グレーゾーン金利」は撤廃されています。そのため、現在は、かつてのように過払い金が発生することはありません。
Q3. 現在の過払い金を調べる方法はある?
過払い金があるかどうかを確かめたい場合は、借り入れ先の業者から取引履歴を取り寄せ、払った分の利息と本来の利息との差額の計算で確認できます。差額があれば、過払い金があるということです。
なお、カードローン以外にも、クレジットカードのキャッシングでも過払い金は発生するため覚えておきましょう。