「バスの窓」なぜ“開かない”タイプが増えた? 知られざる進化の裏側 密閉でも換気できる仕組み
- 乗りものニュース |

バスが窓を全開にできなくなった背景
最近のバスは窓が固定され大きく開かない車両が多くなりました。開かないと逆に不便なようにも思えますが、実はそこには乗客の安全と快適さを守るための深い理由がありました。
最新型の路線バスは窓が開かない(画像:写真AC)
実際、SNSなどでは、バスの窓が少ししか開かないことや固定窓が増えたことについて「不便になった」と話題になることがありますが、あの構造には大切な役割があります。
冷房がまだ普及していなかった時代には、窓の開閉で外気を取り入れていたため、開閉可能でないと、車内の温度調節ができず、不便でした。しかし、今では違います。ほぼ100%のバスに冷房が標準で装備されているため、逆に安全面の観点から窓は開かない方がよいとなっています。
バス会社も、窓から手や顔を出す行為は危険だとして注意喚起しています。開口部が小さい、もしくは開かない窓は、結果としてそうした行為をしにくくする面もあります。
ふたつめは車内環境の維持です。エアコンが備わっていれば、窓の開閉に頼らず車内環境を維持することが可能です。
換気についても、外気導入などの仕組みで対応する考え方です。雨天時の換気を助ける工夫として、窓まわりに雨水対策が施される例も見られます。
窓を閉めていても換気は可能 換気システムと非常時の備え
一方で、「窓を閉め切っていると空気がこもるのではないか」と心配する人もいるかもしれません。しかし、現在のバスは効率的な換気が行われる設計になっています。
路線バスも新型は窓が開かない(画像:写真AC)
観光バスや路線バスでは、窓を閉めた状態でも外気導入などにより、数分程度で空気が入れ替わる目安が示されています。
車内のエアコンや換気装置を「外気導入モード」で稼働させることで、窓を開けなくても空気が入れ替わる仕組みです。
窓を閉めた状態でも換気が維持されるため、車内環境を一定に保ちやすい面があります。また、窓が固定されている車両でも、非常時の備えはなされています。例えば、脱出用窓が設けられている車両では、非常用ハンマーなどでガラスを破って車外へ出る手順が想定されています。
加えて、乗車定員などの条件に応じて、一定の寸法を満たした「非常口」の設置が求められています。
バスの窓の形が時代とともに変わってきたのは、単なるデザインの変化ではなく、私たちがより安全に目的地へ向かえるように進化を遂げてきた結果といえそうです。
自家用車やトラックも、春秋ですら窓を閉めたたま走っている車両が増えています。これは空調の進化の賜物ではありますが、同様のことはバスにも言えそうです。
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