「暑すぎて」なぜ列車が運転見合わせに? 全国で「もうお手上げ」状態が相次ぐワケ 下手すりゃ冬まで影響する!?
- 乗りものニュース |

記録的な猛暑により、鉄道の運転見合わせが相次いでいます。なぜ暑いと電車は止まるのか、その理由をレールの仕組みから解説します。
記録的猛暑で列車の運転見合わせが相次ぐ
酷暑で鉄道が止まるって、どういう事なのでしょう。2025年7月23日には山陰本線で列車20本が運休し乗客約1400人に影響があり、24日も一部特急が運休、木次線では5日連続で運転を取り止めました。同時期には、JR北海道や、富山地方鉄道の路面電車などでも暑さに起因する運休が発生しています。
山陰本線。7月23日には運転士が普段と違う揺れを感じて列車を停止し、その後運休となった(画像:PIXTA)。
折しも夏休みの旅行シーズン。急な運休となると、利用者も予定が狂ってしまい大変ですし、鉄道の現場も代行輸送やお客様へのご案内などに追われることになります。なぜ、暑くなると鉄道は運休するのでしょうか。
原因は、レールの温度なのですが、その仕組みを解説してみます。鉄道レールの材質は鉄です。鉄は、温度が上がれば膨張して伸び、下がれば縮みます。そのため、レールの繋ぎ目には「遊間」と呼ばれる隙間が開けられ、温度が上がっても隙間が狭くなる事で調整する仕組みになっています。
また、ロングレールという数キロに渡る長いレールがありますが、これは重いコンクリート枕木でしっかりと緊締しているので、レールが伸び縮みしようとしても、数キロに渡ってレールをずらすには抵抗が大きすぎて、伸び縮みする力が抑え込まれます。ただ、ロングレールの端は抵抗が少なく伸び縮みするので、その分は伸縮継ぎ目で吸収します。信号回路のためにレールを電気的に切る必要がある所では、レール同士を強力に接着する絶縁接着継目などが使われたりしますが、機械的には一体のレールと考えて良いでしょう。
ここで、想定内の温度に収まってくれれば継ぎ目の隙間が狭くなるだけで良いように管理されているのですが、想定を超えた温度(60度が目安)になると厄介です。伸びたレールは行き場を失い、左右に波打つように曲がってしまいます。これが「座屈」と呼ばれる現象です。
座屈が起きれば列車の運行はできません。そこでレール温度に気をつかい、規定を超えたら座屈が起きる前に列車の運行を止めることになります。
「もうお手上げ」にならざるを得ない理由
炎天下でレール温度を測り監視を続けるのは大変な作業です。また、対処が必要であれば列車が運行しない夜間に、レールをずらして遊間を調整したり、砕石を足したり、ロングレールの切断・溶接を伴う設定替えなどを行います。
保線作業のイメージ(画像:PIXTA)。
レールの隙間を開けすぎた場合、冬になって温度が下がるとレールが縮み破断してしまう恐れもあるので、微妙な調整です。こうして地道な作業で安全は守られています。
上がりすぎたレールの温度を散水や氷で冷やすこともありますが、日射が続くとなかなか下がってくれません。こうなるとお手上げで、陽が陰り温度が下がるまで待つしかありません。できれば運行を止めたくないのですが、安全が最優先です。
では、「もっと頑丈にレールを固定したら良いのでは?」と思われるかもしれません。しかし、頑丈にするとコストに跳ね返ります。レールや枕木を重くするために地盤の抗力を上げる必要が出て、大規模な工事になる場合もあります。なので、止まったら困る重要な路線は強化して、そうでない路線は環境に応じて動かすという考えになります。
冷房の効いた電車で快適に移動できる影には、炎天下や深夜に人知れず働く多くの鉄道マンがいることを思い出していただけると嬉しいです。
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