どうせ読むならポイント貯めない?

「ゴールデンウィーク」は放送や記事で使えない? 実は「ガチャ」「ウォシュレット」も 知ると楽しくなる“登録商標”

14,106 YOU
  • オトナンサー
  • |
「商標登録」とは…
「商標登録」とは…

 当然のように見聞きする「ゴールデンウィーク」というワード。実はNHKなどテレビといった一部メディアでは「大型連休」と言い換えられていたりするのを知っていましたか? ちまたでは「商標が絡んでいるからでは?」と“都市伝説”のように語られることがあったりしますが、事情はもう少し複雑です。そこで、商標や著作権といった知的財産権に関する業務を行う弁理士の筆者が解説します。

NHKなどは言い換えている

 「ゴールデンウィーク」という言葉は、映画業界が観客動員を狙って作った造語という説があります。実は宝ホールディングス(第5713010号〈酒類〉)と損保ジャパン(第4824147号〈保険〉)が、それぞれ異なる指定商品・役務で商標登録をしています。

 しかし、商標権の効力は各社が指定した商品・役務に限定されるため、放送局が連休名として用いても通常は侵害に当たりません。

 実際に、NHKなどが言い換えている主な理由は、特定企業を広告することへの回避、外来語を控える放送慣行、かつて寄せられた「“ゴールデン”は浮かれすぎという視聴者の声」、「公共放送ゆえ宣伝語を多用しない慣習」といった視聴者からのクレームなど、放送倫理、運用上の判断が大きいようです。余談ですが、「真っ赤なポルシェ」「テトラポッド」などもこうした「特定企業の宣伝になる」などの理由から配慮・議論され、実際に歌詞変更や言い換えられた過去がありました。

 ところで、こうした「実は商標登録されていた」「当たり前に使っている言葉が、実は企業ブランドだった」という事例は数多く存在します。今回は、身近なものをいくつか例に挙げながら、商標のしくみや面白さを専門家の視点で解説していきたいと
思います。

「ガチャ」「ガチャガチャ」「ガシャポン」も商標

 学校やオフィス、家庭で当たり前のように目にする名前も、元をたどれば企業が育てたブランドです。

 カプセルトイの世界にも存在します。街や施設の一角にずらりと並ぶカプセルトイの販売機、子どもから大人までワクワクさせるマシンのことですが、「ガチャ」「ガチャガチャ」「ガシャポン」などの呼び名はとても有名ですよね。ところが、こうした呼び名の多くは実は商標登録がされています。

 例えば「ガチャ」はタカラトミーアーツ、「ガチャガチャ」「ガシャポン」はバンダイが登録しており、登録区分はいずれも第28類(玩具)。総称としては「カプセルトイ」と呼ぶのが一般的です。

「同じカプセルトイなのに違う呼び方があるなんてしらなかった」と思う方もいるかもしれません。これは、それぞれの企業が独自のブランディング戦略を取ってきた結果ともいえます。

 言葉の響きが楽しいため、思わず自社の事業においても使おうとしてしまいがちですが、商標の世界では登録されている権利範囲において同じ名称を使用することは商標権の侵害となり得るため、事業においては「カプセルトイ」という言い方をしておくと商標的なトラブルのリスクを減らせます。

 その他にも、「ピアニカ」(ヤマハ)は「鍵盤ハーモニカ」、「ウォシュレット」(TOTO)は「温水洗浄便座」、「マジックテープ」(クラレ)は「面ファスナー」に言い換えていたりします。

 日常的に耳にするものが多く、「登録商標だとは知らなかった」という人も多いのではないでしょうか。実際、商標は世の中に大量に存在していますが、ここまで広がっているものは一部だけです。

使いすぎると権利がなくなる!? 「エスカレーター」の事例は…

 こうした登録商標は企業ブランドとして、企業がどんどん世間に浸透してほしい反面、「あまりに一般化しすぎると、商標権が無効になってしまう」というジレンマもあったりします。典型的な例としてよく挙げられるのが「エスカレーター」です。

「エスカレーター」はかつて米国のオーチス・エレベーター・カンパニーの登録商標でした。ところが、一般の人々がこの言葉を「斜めに動く階段の総称」として使うようになり、誰の商標か分からないほど広まってしまった結果、商標としての識別力を失い、最終的には権利が認められなくなったという過去があります。

 日本でも、せっかく登録した商標が「普通名称化」(一般的な名称になりすぎて区別がつかなくなること)してしまうと、取り消しや無効のリスクが出てきます。
日本でも普通名称化のリスクは現実的で、例えば「巨峰」は品種名として浸透したため商標登録が認められず、「ポケベル」は登録が失効して一般語化しました。

企業としては、こうならないために「~社の○○」「○○は当社の登録商標です」と明記したり、しっかり“誰の商標権であるか”を示しながら広めていく必要があるというわけです。

 商標が一般名称化して権利を失うのは企業にとって大問題です。例えば「ガチャ」や「ウォシュレット」などは、企業にとってはブランド力そのものだからです。そのため企業側は「○○は当社の登録商標です」と明記したり、広報資料では必ず「~社の○○」とブランド名を前面に出すなど、さまざまな対策を講じています。

 新規事業を手がける側も、商標を正しく理解しないまま違法な形で転用してしまうと、思わぬトラブルになる可能性があります。特にビジネスで名称を使う場合は要注意です。「広く知られた言葉だから問題ない」と思っていると、後から商標権侵害を指摘されるケースもあります。

 ゴールデンウィーク(大型連休)には、多くの人が帰省や旅行、レジャーを楽しみます。その際にふと目にする「ガチャガチャ」マシンだったり、宿泊施設で目にする最新型「ウォシュレット」だったり……。それらが「実は商標だった」「実は全国区で保護されている」といった知的財産のエピソードが詰まっていたりします。

 そして、商標があまりに広く使われすぎると、本来権利者が守りたかったはずのブランドが「ただの一般名詞」になってしまうこともあり得ます。こうした“商標あるある”は、企業のブランドと“消費者への浸透”の関係を考える上でとても興味深いトピックです。

「ゴールデンウィーク」と「大型連休」のように、ちょっとした言葉の選び方にも実は背景があることを知れば、連休の間に目に飛び込んでくる看板や広告、商品名を見る目が少し変わってくるかもしれませんよね。ぜひ、連休中に、身の回りの商標にも意識を向けてみてください。知的好奇心がくすぐられること間違いなしです!

永沼よう子

実は損している?

ニュースを読んでポイントが貯まるサービスがあるのを知っていますか?ポイントサイトのECナビでは好きなニュースを読んでポイントを貯めることができるのです。(※ECナビはPeXの姉妹サイトです。)今日読んだニュースが実はお小遣いになるとしたら、ちょっと嬉しいですよね。

ポイントの貯め方はニュースを読む以外にも、アンケート回答や日々のネットショッピングなど多数あるので、好きな貯め方でOK!無料で登録できてすぐに利用できます。貯まったポイントはPeXを通じて現金やAmazonギフトカードなどに交換できます。

運営実績も15年以上!700万人以上の方がポイントを貯めています。毎日好きなニュースを読んでお小遣いを貯めてみませんか?

YOUの気持ち聞かせてよ!

いいね いいね
ムカムカ ムカムカ
悲しい 悲しい
ふ〜ん ふ〜ん
NEWS一覧へ
PeXポイントで賞品を当てよう!

ポイント ポイント獲得の流れ

ポイント獲得の流れ

ポイント ルール・注意事項

ポイント獲得!!