通勤電車なのに「洗面所」 ああ懐かしい「最後の国鉄急行形」455形700番台
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2000年代前半までは日本各地で見ることができた、国鉄時代からのいわゆる急行形電車。2010年代から急速に数を減らし、いまでは能登半島を走るJR七尾線でしか見られません。しかも新型車の登場で姿を消すのが目前という状況になっています。
令和の新型車デビューで消えていく昭和の車両
2020年10月3日、JR西日本の北陸エリアでダイヤ修正が実施されるとともに、能登半島を走るJR七尾線に新型の521系電車がデビューしました。これまで長らく他線区からの転用車両がほとんどを占めていた七尾線にとって、久しぶりの新造車両といえるでしょう。
JR七尾駅に停車する金沢行き普通列車。先頭がわずか2両しか製造されなかったクハ455形700番台(2020年9月、柘植優介撮影)。
実はJR七尾線で従来使用されていた普通列車用の車両は、国鉄時代に作られたものばかりでした。一部車両はJR西日本が発足したのち、1990(平成2)年ごろに製作された車両もあったものの、それらも新造ではなく改造であり、種車は国鉄時代に造られています。
そのため老朽化が目立つことから、新型の521系電車で置き換えられるのですが、更新される車両のなかには、今の目で見ると貴重な車両も含まれています。
最もレアといえるのが、わずか2両しかないクハ455形700番台でしょう。同車はいまやほとんど残っていない国鉄時代の急行形電車であり、逆にいうとJR七尾線でしか乗ることができません。そこで筆者(柘植優介:乗りものライター)は、希少なクハ455形700番台を見に、521系電車がデビューする直前の9月末、七尾駅まで行ってきました。
急行形車両改造の413系とクハ455形700番台の違いとは
七尾線のクハ455形700番台の2両はどちらも中間車(サハ455形)から先頭車に改造されたものです。運転台を有するため、413系電車と組んで運用されており、基本的にはクハ455形700番台+413系中間車(モハ412形)+413系先頭車(クモハ413形)の3両で編成が組まれるものの、車両の運用によっては、その2編成を連結し、6両で運行することもあります。
筆者がクハ455形700番台に乗ったのは、早朝の通勤通学時間帯だったため、まさに6両編成で運行していました。クモハ413形とクハ455形700番台はともに2ドアの運転台付きで、よく似ています。しかしドア形状がクモハ413形は両開きの2枚なのに対し、クハ455形700番台は片開き式の1枚であり、ドア位置もクモハ413形はやや中央寄りですが、クハ455形700番台は車体の両端にあります。
乗ってみると、クハ455形700番台は国鉄時代の急行形電車の面影を残していました。普通列車として用いるために、ドア至近の座席が一部ロングシートに改造されていたものの、中央部分はボックスシートのままです。
クハ455形700番台(左)とクモハ413形(右)の連結部分。ドア形状が違う(2020年9月、柘植優介撮影)。
また車両の連結器近くにはトイレがありますが、その反対側には洗面所が残されていました。中長距離を走る近郊形電車の場合、トイレが設置されていることは多々ありますが、新しい車両で洗面所付きは見られず、このセットの配置は優等列車の面影といえるでしょう。
新型521系は2両単位の編成が基本
ボックスシートに座ってみると、まさにひと昔前の旅の雰囲気に浸れました。そこで、次は似たような雰囲気の415系電車にも乗ってみようと考え、途中駅で下車しました。
ホームに入ってきた415系電車を見てみると、車体前面上部中央に行先表示の方向幕が設置されています。クハ455形700番台や413系電車の同じ部分は塞がれており、方向幕は車体側面にしかありませんでした。このほかにも大きな違いとして415系電車は3ドアで、しかもドアの脇には開閉用の押しボタンも設置されています。
この415系電車はもともと直流用の113系電車で、七尾線が電化される際に特急「北近畿」用の485系電車からねん出した交流機器を搭載して交直流用に改造された、800番台を名乗る車両なのです。
一見すると同じ車両に見えるものの、細かい部分で異なっており、やはりクハ455形700番台は急行形電車であったことが確認できました。
JR七尾線で運用が始まった521系電車(左。試運転)と既存の415系電車(2020年9月、柘植優介撮影)。
新型の521系電車は、2両編成15本、計30両が導入される計画で、クハ455形700番台、413系電車、415系電車はすべて置き換えられ姿を消す予定です。国鉄時代に2両しか作られなかった希少車を訪ねて、七尾線を訪れるなら近いうちがよさそうです。
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