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これも「三菱車」!? 初期は“押しがけ”オンリーだった「伝説のバイク」とは?

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  • 乗りものニュース
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戦前の2大軍用機メーカーだった現在の三菱重工とSUBARUは、戦後復興期、ともに新たな乗りものとしてスクーターを打ち出します。三菱の「シルバーピジョン」は、航空機の資材で誕生し、復興の「足」となりました。

初期モデルにスターターはなく「押しがけ」だった

 戦時中、日本の2大軍用航空機メーカーだった三菱重工業と富士重工業(現・SUBARU)。両社は敗戦後、軍需に変わる工業製品に取り掛かる必要に迫られました。戦後の経済復興に寄与する乗りもののニーズが高まるなか、両社はともに「スクーター」を打ち出します。三菱重工業の「シルバーピジョン」、そして富士重工業の「ラビット」です。

Large figure1 gallery10シルバーピジョンの最終モデル、C-140(1964年)。デボネアに採用した高級メタリック塗装(2025年、松田義人撮影)

 いずれも敗戦翌年の1946年に誕生しましたが、ラビットのほうが半年早く同年6月に製造販売をスタート。シルバーピジョンは12月からでした。いずれも戦前にアメリカから持ち帰られたスクーターを参考に、GHQの許可のなか、台数制限付きで製造がスタートしました。ここではシルバーピジョンに絞って、その変遷を振り返ります。

 シルバーピジョンの「ピジョン」とは英語で鳩を意味します。敗戦を経て、平和を目指すことにした日本の思いを「平和の象徴=鳩」に反映させた車名でした。

 そのボディは、軍用航空機用に保管していたアルミ合金を流用したもの。スクーターという簡易的な乗りものでありながらも、マテリアルは実に重厚でした。

 また、シルバーピジョンの初期モデルは、キックスターターはおろかセルモーターなどもなく、いわゆる「押しがけ」でエンジンをかけるという独特の構造でした。それでもVベルト&プーリー式の自動無段変速機(オートマチック)を搭載した2ストロークエンジンは見た目よりも軽く、軽やかな乗り味だったこともあり、交通手段が不足していた戦後の時代を支える「庶民の足」として活躍しました。

皇太子殿下(上皇陛下)も「押しがけ」体験?

 初期モデルはフロントサスペンションにダンパーのないものが採用されており、後の進化モデルとは比較にならないほど乗りにくいスクーターでしたが、それでも1946年時点でたった5台の製造だったのが、翌年の1947年には414台に至ったという記録があります。それほどに当時の庶民にとってシルバーピジョンというスクーターは受け入れられたのです。

 1948年には、ライバルであるラビットと一緒に、当時の皇太子殿下(上皇陛下)へシルバーピジョンが献上されました。ということは、上皇陛下も皇室で乗られた可能性もゼロではありません。

累計2万台もの大ヒットモデルも

 初代シルバーピジョンC-10の系統となる初期モデル(C-11、C-12、C-13)は、ライバルのラビットより先にテレスコピック式を採用し、静かな進化を遂げていきました。

Large figure2 gallery111964年登場の三菱の高級車・デボネア(初代)。このデザインとセットでシルバーピジョンのデザインも海外デザイナーが手がけた(画像:三菱自動車工業)

 そして、後の言葉でいう「フルモデルチェンジ」を果たしたのが1950年登場のC-21という大型モデルです。シルバーピジョン初のキック式始動装置を採用し、押しがけという面倒なエンジンのかけ方からユーザーを解放しました。

 また、エンジンも112ccから148ccへとアップ。結果的にラビットのS-41というモデルと並ぶ、和製スクーターのスタイルを構築した1台になりました。

 同年、ホイールベースを伸ばした改良型のC-25が登場。以降3年間で累計2万台もの生産を実現したヒットモデルとなり、シルバーピジョンの名を世に知らしめた名車としても知られています。

 続く1953年には、大ヒットとなったC-25の改良モデル、C-35が登場します。こちらも相応のヒットに至り、月産1500台オーバー、累計約2万台の生産を実現しました。

 また、1960年にはさらなる進化モデル、C-L10をリリース。エンジンは87ccに抑えられたものの、タイヤを8インチから12インチにアップし、より手軽に乗れるライトスクーターとして重宝されました。

 そして、戦後の完全復興を象徴する東京オリンピックが実施された1964年。シルバーピジョンは海外のデザイナーを起用した新型のC-140がリリースされます。これは同年に発売した三菱の四輪車・デボネアと合わせてのデザイン依頼で、デボネア同様の高級メタリック塗装が施されました。

高度成長期を支えたシルバーピジョン

 ただし、結果的にはこのC-140を最終モデルにシルバーピジョンは1965年にブランドごと消滅。理由は、財閥解体で分割されていた三菱重工業への再統合の影響と言われています。ただし、ここまでのシルバーピジョンの進化の歴史をもってしても、ライバル・ラビットのほうに支持が集まっていたのが事実で、実際のところ、シルバーピジョンブランドは不採算によって整理されたのかもしれません。

 他方、ライバルのラビットもまた1968年に生産終了となります。こちらは一説には、販売元の富士重工業が一般乗用車メーカーへとシフトすることの影響だという見方があり、ラビット自体は採算が取れていたものの、生産から手を引くことにしたとも。

 こうして和製スクーターの2大ブランド、シルバーピジョンとラビットは姿を消していきました。現代的に見てラビットに比べれば、シルバーピジョンの方がマニアックに感じるのも正直なところですが、それでも敗戦後の高度成長期を支えたスクーターであることには変わりはありません。

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