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高校サッカー部員の「飲酒」事案相次ぐ…学校側が“刑事責任”問われる可能性も? 20歳未満の飲酒を軽く考えてはいけないワケ

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20歳未満の人がお酒を飲んだ場合、どのような罰則を科される可能性がある?(画像はイメージ)
20歳未満の人がお酒を飲んだ場合、どのような罰則を科される可能性がある?(画像はイメージ)

 第104回全国高校サッカー選手権大会が12月28日に開幕します。そんな中、大会出場校や県予選の準優勝校では、部員による不祥事が相次いでいます。新聞やテレビなどの報道によると、大阪府の代表校である興国高校のサッカー部員数人が11月2日夜、府内の飲食店で酒を飲んでいたことが発覚し、ネット上では波紋が広がりました。同校は同月15日、飲酒した部員を除くメンバーで大会に出場すると発表しました。

 また、宮城県代表として選手権出場が決まっていた仙台育英高校は、サッカー部内で構造的ないじめがあったとして出場を辞退。同県予選の準優勝校である聖和学園のサッカー部でも、複数の部員による飲酒や喫煙が明らかとなり、宮城県の代表校はまだ決まっていません。

 ところで、もし20歳未満の人がお酒を飲んだ場合、どのような罰則を科される可能性があるのでしょうか。また、20歳未満の人の飲酒を防止できなかったとして、保護者や学校側が法的責任を問われる可能性はあるのでしょうか。佐藤みのり法律事務所の弁護士・佐藤みのりさんに聞きました。

20歳未満の人が飲酒をしても罰則は科されないが…

Q.そもそも、未成年の人が飲酒をするのは法律違反なのでしょうか。違反した場合の罰則はあるのでしょうか。

佐藤さん「20歳未満の人の飲酒については、『20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律』が定めています。2022年4月1日、改正民法が施行され、成年年齢が18歳になりましたが、飲酒については、健康面への影響や非行防止、青少年保護などの観点から、従来通り、20歳未満の人について禁じられています。

この法律は、親や監督代行者に20歳未満の人の飲酒を制止する義務を課し、20歳未満の人の飲酒を知りながら制止しなければ、科料(軽微な犯罪に科する財産刑。金額は1000円以上1万円未満)に処すと定めています。

一方、この法律は、20歳未満の人の健全な育成を目的としているため、違反して飲酒した20歳未満の人に対する罰則を定めていません。そのため、20歳未満の人が飲酒をしても法律上、罰則は科されません」

Q.では、もし学校の部活で生徒が飲酒をした場合、学校側が法的責任を問われる可能性はあるのでしょうか。部活の顧問が生徒の飲酒をまったく知らなかったケース、知っていながら校長に報告しなかった場合とで、それぞれ教えてください。

佐藤さん「先述したように、『20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律』は、監督代行者についても、親と同様の義務と罰則を定めています。『監督代行者』とは、親権者に準じ、または親権者に代わって一般的、総合的に未成年者を監督すべき立場にある者です。

例えば、学校に通うため地方から出てきた20歳未満の人を下宿させ、同居して面倒を見ている親戚や知人、20歳未満の人を住み込みで働かせている店の雇い主などが『監督代行者』に当たると考えられます。一方、未成年者の日々の生活を監督する立場にはない、単なる部活動の顧問などは、一般的には『監督代行者』には当たりません。ただし、部活動の顧問などであっても、生徒を引率した合宿先などでは『監督代行者』に当たる可能性があります。

従って、部活動の顧問などについては、特段の事情がない限り、生徒の飲酒を全く知らなかった場合はもちろん、たとえ知っていて制止しなかったとしても、『20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律』に基づき刑事責任を問われることはありません。合宿の引率などの場面で、生徒の飲酒を知りながら制止しなかった場合にのみ、『20歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律』に基づき刑事責任を問われる可能性があるでしょう。

こうした刑事責任とは別に、部活動の顧問などが生徒の飲酒を知りながら放置したようなケースでは、学校から処分を受ける可能性があります。

学校は、教育機関として、自校の生徒が飲酒しないよう予防教育を行ったり、飲酒行為について早期発見できるよう相談体制を整えたりすることが求められます。仮に、顧問が生徒の飲酒の事実を知らなかったとしても、日頃から、部員の前で、飲酒予防教育や相談しやすい環境づくりに反する言動をしていたような事案では、処分される可能性があります」

Q.高校の部活で部員の飲酒事案があった場合、法律上、顧問や学校の責任者はどのように対処するのが望ましいのでしょうか。

佐藤さん「部員の飲酒の疑いが発覚した場合、状況によっては、生徒にふらつきなどの体調不良がみられることがあります。その場合は、まず健康状態の確認を優先し、状況に応じた適切な措置を取るようにしましょう。

落ち着いた段階で、事実確認を行います。飲酒の事実があったのであれば、指導をすることになります。学校教育法11条は、校長および教員は、教育上必要があると認めるとき、生徒に懲戒を加えることができる旨を定めていることから、事案に応じて注意・叱責などの適切な指導を行いましょう。保護者にも連絡し、飲酒予防教育に協力してもらうことも大切です。

学校教育法施行規則により、小学校、中学校、高校では、学習指導要領に基づき教育課程が決められます。そして、小中高校の学習指導要領は、いずれも保健分野で、飲酒が健康を損なう原因であることなどを学ぶよう定めています。学校は、保健体育などの教科としての学習や、特別活動での保健指導により、飲酒予防教育をすることが求められており、飲酒事案が発生してしまった場合には、いっそう、予防教育に力を入れるなど、再発防止に努める必要があります」

Q.高校生の飲酒に関する事例、判例について教えてください。

佐藤さん「私立高校に通っていた女子生徒が、飲酒を理由に退学を勧告されたのは違法だとして、学校法人と当時の校長に慰謝料などを求めて訴訟を起こした事案があります。2025年5月15日、東京地裁は、飲酒行為は『直ちに学外に排除しなければならないほど悪質とは言えない』として、学校側に約66万円の支払いを命じました。

この事案は、元女子生徒が高校1年の夏、友人宅で飲酒する様子をSNSで配信したものです。高校は退学を勧告し、元生徒は自主退学しました。判決は、飲酒は非難に値し、SNS投稿が学校秩序に及ぼす影響も低いとは言えないとしつつ、直ちに学外に排除するほど悪質とは言えないと評価し、停学など他の処分を検討せずに、未成年飲酒のみを理由に退学勧告したのは、社会観念上、著しく妥当性を欠き、学校の裁量権を乱用するものだと結論付けました」

オトナンサー編集部

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