【子育て漫画】娘のお願いにあえて「いやだ」で返す！？　交渉力が育つ“いじわる育児”に「勉強になります！」【作者取材】

　あぴママさんの漫画「あえて取り入れよう、いじわる育児。」がインスタグラムで1万以上の「いいね」を集めて話題となっています。

　娘の「あぴちゃん」に、「やりたいことがあったら、必ず口に出して言うように」と教えてきた母。ある日、あぴちゃんが「ラーメンを食べたいから作って」と頼んできたとき、「面倒だからいやだ」と断りました。するとあぴちゃんは…という内容で、読者からは「プレゼン力が鍛えられる！」「勉強になります」などの声が上がっています。

交渉上手で頼れる存在に成長

　あぴママさんは、インスタグラムやブログ「あぴママびより」で漫画を発表。2025年8月には『母を生きのびる本』（大和書房）が出版されます。あぴママさんに作品について話を聞きました。

Q.「いじわる」を言われて、あぴちゃんが困ったり、泣いてしまったりすることはありませんか。

あぴママさん「タイトルでは『いじわる』としていますが、実際には子どもにとっては気軽なリクエストでも、それが大人にとっては気軽ではなかったから断ったという形なので、『本当のいじわる』ではないわけです。ですから、困ったり泣いたりという反応はあまりないですね。
むしろ、この漫画の状況で泣いてしまった場合には、ラーメンへの執着をちょっとやわらげることを考え始めますね。その場合、別の漫画を描くと思います」

Q.上手に交渉できなかった場合、ママは動いてあげないのでしょうか。それとも、交渉してきたということを評価して、動いてあげるのでしょうか。

あぴママさん「この漫画の主旨で言うと、作ってあげないと思います。ただ、作ってほしいと言われたときに、親の状況によっては『交渉なしでも作れるよ！』っていう場合もあると思うんです。余裕があるときなどは…。
この漫画を描いたときは、野菜をいためたり、だしをとったり、麺を茹でたりという複数工程が必要なラーメンを作る気力がありませんでした。しかし、『自分にもメリットがあるんだったら…』という流れで、子どもに作り始めさせられた感じでしたね。親にやる気がないときも、交渉次第ではやる気になってもらえる、それが成功体験になるんじゃないかな、と思います」

Q.「その言い方はうまいな！」と思った交渉はありましたか。

あぴママさん「『うち（私）にとってうれしいことは、うちのことが大好きで大切なママにとってもうれしいことのはずだ。だから、お菓子買って』というような、絶妙な演繹を使った三段論法を使ってくることがあり、苦笑いものでした。中3になった今でも使ってきますから、かわいいものです。今はもうプレゼン教育は終わりまして、ただただかわいく愛でています」

Q.現在あぴちゃんは15歳ですが、上手に交渉できるようになりましたか。

あぴママさん「特に子どもを動かすのがうまい子に育ちました。いつも子どものダイレクトな欲求への落としどころを人参としてぶら下げ、安全な方に誘導して、わが家にくる子の子守りをしてくれたりするので頼もしいです」

Q.この作品にどのようなコメントが寄せられましたか。

あぴママさん「『うちの4歳児も、ママがあまり動かないのでプレゼン能力が高いです！』『ただ意地悪な言い回しだけじゃなくて、普段から自分で考える頭を作っているから、いい関係を築けるのかなと思いました』などです。まさにそれだと思いました。『ママが動かないと子どもがプレゼンしだす』のもそうですし、普段の関係が本当に大事というのも…。
私は、いかに子どもに怒らないか。これをテーマに何年も漫画を描いています。今回の漫画もそうですが、『作って作って作って～』と駄々をこねられたら、怒ることになってしまいますから、それ以前の措置と対策が必要だと感じています。これらの作品をまとめた単行本『母を生きのびる本』が間もなく発売になるので、ぜひご覧ください」

オトナンサー編集部

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