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「逮捕する!」「あ!? ここウチのヤマやぞ!!」国民もどこを頼ればいいか混乱…イタリアの多すぎ警察組織とは

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  • 乗りものニュース
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イタリアは実に5個もの警察組織があります。このように多数の組織があって国民は混乱しないのでしょうか。実は結構混乱しているようです。

とにかく警察組織がややこしいイタリア

 旅行などでイタリアに行くと、さまざまな色の制服を身にまといさまざまなパトカーに乗った警察官に出会うことがあります。「イタリアは警察官の制服も複数用意されているのか、おしゃれな国だな」と思ったら大間違いです。実はそれぞれの警察官は別組織になっており、驚くべきことに5個もの警察組織が存在しているのです。一体なぜそうしたややこしい事態になってしまったのでしょうか。

Large figure1 gallery4イタリア国家警察のパトカー。交番というシステムのないイタリアは、警察官が街中を常にパトロールし、治安を維持している(画像:イタリア国家警察)

 まず、国家レベルの警察のみでも国家警察(文民警察)、カラビニエリ(国家憲兵)、財務警察、監獄警察の4種類があり別の組織です。さらにそこに地方警察という自治体レベルの民間自治組織が存在します。かつてはこれに森林警備隊も存在し6個の警察組織でしたが同警備隊はカラビニエリに現在は吸収されています。

 イタリアは欧州のなかでもとにかく警察が多い国として知られています。2024年現在では23万4471人の警察官がいるとされており、これはイタリアの人口に直すと1000人あたりで約4人の警察官がいる計算です。ちなみに日本の警察官数は2022年のデータになってしまいますが約26万人になります。日本の人口はイタリアの倍はいますので、単純にひとりあたりの警察官の倍いることになります。なお、これでも2019年あたりから人員削減策を行った結果であり、それ以前は日本よりも多い30万人を超える規模の組織でした。

 そんなイタリア警察のそれぞれの任務について簡単に見てみましょう。国家警察が、我々日本人が一般的に想像する警察になります。1852年にサルデーニャ王国に設立された治安維持部隊がその前身ですが、現在は全国的な組織となり、機動隊や交通警察、警察犬などの部隊もあり、海上警備もその任務に入ります。

 カラビニエリはこの国家警察とは別の管轄で、国防省に所属する国家憲兵です。警察として国内で職務を行う一方で軍事組織としてイタリア軍の一角を担っています。創設は国家警察よりも古く、これまたサルデーニャ王国がルーツで、1814年に設立された竜騎兵部隊がその前身だといわれています。

軍隊組織であるということで国内の治安維持のほかに、国連の平和維持活動に参加するなど国外での活動も盛んに行われています。国家警察に次ぐ規模の警察組織で、国内では任務がかぶることが多く長らくライバル関係でもあります。

 財務警察とは経済財政省の所属となる警察組織です。脱税、密輸から麻薬取引などの捜査が中心で、諸外国の税関、禁制薬物取締機関、国税庁の執行部門に相当します。

 一番身近な案件を扱う警察官でもあり、イタリアの中心部で、違法たばこや薬物の取り締まりを行うため、怪しい動きをすると声をかけてくる存在でもあります。日本ですと、大きな駅の改札口や繁華街で職務質問してくる警察官に似ているかもしれませんが、こちらは私服警官でもお構いなしに声をかけてくるようです。イタリアはスリも多いので、観光客は戸惑うかもしれません。

 ほかに経済犯罪、脱税事案、知的財産権事案、組織犯罪、サイバー犯罪、テロ資金供与事案、治安維持、税関任務、国境警備、不法移民事案などを取り締まるのも彼らの仕事で、国境警備隊や日本の海上保安庁に相当する沿岸警備隊としての役割もこの組織が担っています。

 監獄警察は、司法省に所属する組織になり、日本でいうところの刑務官になります。刑務所の警備・管理・運営および受刑者の移送などが主な仕事です。

 地方警察は州や県といった地方自治体の管轄下に置かれ、その地域ごとに組織された警察です。優先度はその地域によって異なりますが、基本的に地域密着で日本の警察でいうところの交通課のような仕事などが主です。場所によっては違法な狩猟が主な監視対象になる地域もあります。なお、麻薬捜査などの組織犯罪は管轄外となっています。

管轄が全く違うならまだマシ! 任務が被って混乱することも!?

 しかし、ここまで細かく組織が分かれていると、当然、困った問題も起こります。そのひとつが「管轄」の問題です。

Large figure2 gallery5カラビニエリで有する軍用ヘリコプター。警察であると同時に軍隊でもある彼らは専用のヘリも保有し、イタリア軍としても機能している(画像:カラビニエリ)

 それぞれ別の“お役所”が運営していますので当然、連絡先も違います。国家警察が113番、カラビニエリは112番、財務警察が117番といった状況です。イタリア人ですら事件にあった場合どこに連絡していいか分からなくなることがあるそうです。

 幸い、完全な「縦割り」という状況は改善されているようで、2025年現在は、もし間違えて違う管轄に電話をかけてしまったとしても、それぞれの管制センターが適切な部署に転送してはくれるそうですが、それでも初動対応の点では遅れてしまうことなどはありえます。そのため、一部の 地域では統一した管制センターが試験的に導入されてはいるようですが、まだまだ本格運用には時間がかかりそうです。

 なお、市民からの連絡に関してならばその程度の混乱で済みますが、実際の警察官の職務(任務)になると、かなりややこしい事態になります。

 前述した通り管轄している省庁が違っており、それぞれに治安維持機能が与えられほぼバラバラに活動しており、組織間の連携もとれていません。

 特に国家警察とカラビニエリは職務(任務)が被ることが多く、意識せずに互いの捜査を妨害し合うことも。例えば潜入捜査をしている国家警察を、事情の知らないカラビニエリが拘束や銃撃してしまうといった事態もありえるようです。

 色々問題があるため、組織再編もずっと叫ばれてはいますが、元々、イタリアは半島の小国家を集合してできた国であるため、さまざまな歴史や文化を背負って生まれた警察組織も多く、異なる監督省庁の意地とプライドのぶつかり合いなどもあって、なかなかひとつの組織にまとめるのは難しいそうです。どうやら「縦割り社会」や「各お役所のメンツ」といったものは、なにも日本に限った話ではないようです。

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