前代未聞! 東京の離島に「45分だけ滞在できる」弾丸きっぷが発売 ターゲット層は? 実際に使ってみた
- 乗りものニュース |

東海汽船は2025年7月から、「夜行日帰り限定 潮風きっぷ」を販売しています。このきっぷは現地での滞在時間が45分しかありません。どのような経緯で発売されたのでしょうか。
八丈島に「45分だけ」滞在できるきっぷが販売されたワケ
東京の竹芝桟橋から伊豆諸島を結ぶ航路を運行する東海汽船は、2025年7月22日から8月30日まで「夜行日帰り限定 潮風きっぷ」を発売しています。このきっぷは東京~八丈島航路を利用できますが、八丈島では一度下船した後、往路の船ですぐ折り返す必要があります。そのため、現地での滞在時間は最大で45分程度しかなく、「ほぼ船の上」で過ごすことになります。どのような経緯で発売されたのでしょうか。
東京~三宅島~御蔵島~八丈島航路の大型客船「橘丸」(画像:乗りものニュース編集部撮影)
「潮風きっぷ」の料金は大人1万5000円(こども8000円)。東京・竹芝からの夜行便となる往路、その戻りの昼行便を復路として、宿泊なしで利用する形です。出発日の前日までに電話で予約する必要があります。
利用対象は大型客船「橘丸」で運航される東京~三宅島~御蔵島~八丈島航路です。東京発・八丈島往復の限定で、途中の三宅島や御蔵島で下船することはできません。
東海汽船は2023年から、大型客船「さるびあ丸」で運航される東京~大島~利島~新島~式根島~神津島航路を対象に、「ミステリーきっぷ」も不定期で発売しています。このきっぷは、行き先の島を当日告知するというもの。東京から離れた島になるほど滞在時間が短くなっていき、滞在時間が最も長いのは大島の8時間30分、最短は神津島の30分となります。
東海汽船は、新たに「潮風きっぷ」を販売する経緯について「『ミステリーきっぷ』」では、神津島での短い滞在時間が話題になっており、これに特化した往復きっぷを空席のある八丈航路で販売することにしました」(旅客部門 広報・企画グループ)と話します。また、「船好きの方をターゲットとしており、このきっぷを通して伊豆諸島を知っていただく機会になれば幸いです」とのこと。7月末時点で、既に72人の予約があったそうです。
なお、八丈島が目的地となる夜行日帰り商品が設定されるのは今回が初になるといいます。
途中で「秘境の島」の景色も楽しめる
実際に「ミステリーきっぷ」を使うべく、出発の前日に電話で予約したところ、幸いにも空席があったため利用することができました。「潮風きっぷ」は各日上限20人限定となるため、利用日を決めたら早めに予約するのが良いでしょう。
竹芝桟橋を出港すると、レインボーブリッジの下をくぐる(乗りものニュース編集部撮影)
出発当日に竹芝桟橋の窓口で予約番号を伝えて発券してもらい、いよいよ黄色い船体が特徴の「橘丸」に乗り込みます。22時30分、「橘丸」は竹芝桟橋を出港。船のデッキからはレインボーブリッジや羽田空港、川崎の工業地帯の夜景を見ることができ、目的地に到着する前から既に「非日常感」を感じることができました。
「橘丸」には5階に外部デッキがあり、そこにベンチやテーブルも設置されています。きっぷの名前通り「潮風」を存分に感じることができる場所となっています。
「潮風きっぷ」で利用できる客室は、いわゆる雑魚寝タイプの「2等和室」限定です。横になって眠ることはできますが、枕の部分のみがパーテーションで仕切られており、コンセントも全席にあるわけではありません。船内では、毛布を1枚100円で借りることができるので、複数枚を借りて敷布団としても使うのがおススメです。
出港から1時間ほどで消灯となった後、翌朝5時に三宅島の三池港に入港しました。夏なので既に夜が明けており、外部デッキに出たところ、火山島の雄大な景色が広がっていました。次の寄港である御蔵島は、イルカウォッチングで有名な「秘境」の島。下船こそできないものの、高く切り立った崖や、手付かずの自然が残る緑豊かな風景を間近で見ることができました。
ほぼ「船に乗るだけ」でも味わえる非日常感
御蔵島を出港後、遠くに見えていた八丈島と八丈小島の島影がだんだん近づいていきます。途中でトビウオの群れを見ることができ、外部デッキには海鳥を撮影するための立派なカメラを構えた乗客も見受けられました。
八丈島の底土港周辺。南国の雰囲気が漂う(画像:乗りものニュース編集部撮影)
雄大にそびえる八丈富士がはっきり見えるようになり、8時55分に八丈島の底土港に到着。ここでは必ず荷物を持って下船する必要があります。「橘丸」が折り返し東京行きとして出港する9時40分まで、約45分間だけ「現地滞在」が可能ですが、45分丸々現地に滞在できるわけではない上に、下船に時間を要した場合、滞在時間は更に短くなります。
今回は港から離れた場所には行けないため、港の隣にある、八丈島では数少ない砂浜の海水浴場である底土海水浴場に行くことにしました。ここでしばらく海を眺めた後、再び「橘丸」に戻ります。超短時間の滞在でしたが、本土と異なる南国の雰囲気を感じることができました。出港時の見送りの風景も船旅ならではと言えます。
橘丸は再び御蔵島と三宅島に寄港して多数の乗客を乗せた後、東京へ向かいます。途中、神津島、式根島、新島、利島、大島の沖合を航行し、これらの島影を見ることができました。各島に寄港していく「さるびあ丸」とは違う景色を楽しむことができます。
東京湾に入る頃には夕方になり、まさに「サンセットクルーズ」といった感じに。船上から東京湾を行き交う多くの船を見るのも楽しい体験です。竹芝桟橋には、日没後の19時40分に接岸し、ほぼ「乗りっぱなし」の船旅が終わりました。
ちなみに、東京~八丈島は空路で55分、客船は10時間20分を要します。所要時間には大きな差がありますが、船上からの景色など、船旅だけの魅力も存在します。「潮風きっぷ」は、ややマニア向けですが、船旅の魅力を “駆け足”で感じることができるきっぷと言えるでしょう。
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