まさかの再評価 滞空戦車「ゲパルト」の“正統進化版”ついに欧州東部に供給へ! 防空網の穴を埋める
- 乗りものニュース |

NATO東部地域の防空戦力を強化へ
ドイツの防衛企業であるRheinmetallラインメタルは2026年6月24日、ルーマニア政府と「スカイレンジャー35」防空システムの供給契約を締結したと発表しました。
スカイレンジャー35を搭載したKF41リンクス(画像:ラインメタル)
この契約は、北大西洋条約機構(NATO)東部防衛線の強化を目的とした総額57億ユーロ規模の大型調達計画の一環です。戦闘車両や艦艇、防空システムなどが含まれており、24基のスカイレンジャー35に加え、7基のスカイネックス・システム、さらに海上防空用のミレニアムガン2門が調達されます。
スカイレンジャー35は、35mmリボルバーカノンを搭載した近距離防空システムで、ドローンや巡航ミサイルなど低高度を飛行する目標の迎撃を目的として開発されました。今回ルーマニア軍に供給される車両は、Lynx KF41(KF41リンクス)歩兵戦闘車の車体をベースとした履帯式プラットフォームに統合される予定です。その役割は、かつて前線で運用されたゲパルト対空戦車に近いものになるとみられます。
ゲパルトは従来、現代戦闘機への対処能力に限界があると考えられていました。しかし、ロシアによるウクライナ侵攻後にウクライナ軍へ供与されると、低速・低高度で飛行するドローンや巡航ミサイル、徘徊型弾薬に対して高い有効性を発揮し、その価値が再評価されました。スカイレンジャー35は、こうした戦訓を踏まえ、現代の航空脅威への対処能力を高める目的で開発されたシステムです。
特に、小型ドローン群や低空を飛行する高速巡航ミサイルへの対処能力が強化されています。主兵装の35mmリボルバーカノンは、通常弾のほか、時限信管により空中で炸裂し、内部のタングステン製子弾を散布するAHEAD弾を使用可能です。これにより、小型無人機を含む広範な空中脅威に対して高い迎撃能力を発揮します。
同社の防空システムでは、拠点防衛向けのスカイネックスがすでにウクライナで実戦投入されており、高い評価を獲得しています。また、レオパルト1戦車の車体をベースとしたスカイレンジャー35のウクライナ向け供給も決定しています。
ラインメタルによると、近年の地政学的緊張の高まりに加え、ルーマニア領空内で発生した無人機侵入事案は、高い機動力を備えた近距離・超短距離防空システムの必要性を改めて浮き彫りにしました。今回の契約は、そうした防空能力の空白を埋めるとともに、NATO東部防衛線の強化に寄与するものと位置付けられています。
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