「商用バンみたい」から一転!「スライドドア高級車」急増したワケ キッカケは“天才的”な一台!?
- 乗りものニュース |

トヨタが公開した「センチュリー」の2ドアクーペやレクサス「LSコンセプト」をはじめ、スライドドアの高級車が増えています。近年まで「商用車の装備」というイメージでしたが、スライドドアは何故ここまで人気となったのでしょうか。
すっかり薄れた「スライドドア車=商用モデル」のイメージ
トヨタは、2025年10月30日の「ジャパンモビリティショー2025(以下、JMS2025)」開幕を前に、ショーに出品する各ブランドのコンセプトカーを発表しました。2ドアクーペの新しい「センチュリー」のバリエーションや、ミニバンタイプのレクサス「LSコンセプト」など、新しいタイプの超高級モデルも披露される予定です。
JMS2025に出展される「センチュリー」の2ドアクーペ(画像:トヨタ)
センチュリーとレクサスという、トヨタの最高級ブランドからの新提案となる2台ですが、どちらも高級車でありながら「スライドドア」を採用しているのが大きなポイントでしょう。
しかし、スライドドア付きの高級車が認知され始めたのは1990年代からであり、軽から大型車までスライドドア車が広く主流となったのは、ミニバンブームを経た2000年代半ば以降と比較的最近です。
昭和の時代にスライドドアを備えていたのは、商用のワンボックス車がほとんどでした。商用モデルから派生した乗用ワゴン車なども確かに存在しましたが、端的に言えば「スライドドア=商用車」というのが一般的なイメージであり、高級車とは縁のない装備でした。
日本で乗用モデルへのスライドドアの採用が広まるきっかけとなったのは、1990年にデビューしたトヨタの初代「エスティマ」でしょう。初代エスティマは商用ワンボックス車の派生版ではなく、乗用専用モデルとして開発されたスライドドア付きのミニバンです。その流線形のボディデザインは、「天才タマゴ」のキャッチフレーズとともに話題となり、多くの人々に21世紀のファミリーカーの姿を予感させました。
また、1997年に登場した日産「エルグランド」は、スライドドア付きミニバンに高級感をプラスした新ジャンルのモデルとして大ヒットしました。トヨタも2002年に、初代「アルファード」を送り込んでブームに追随。Lサイズの高級ミニバンは、今や定番のカテゴリーへと成長を遂げています。
平成初期以降はスライドドアが一躍人気に!
その一方、スライドドア車をファミリーカーとして熟成させつつも、スライドドアを持たないスポーティなミニバンに力を入れていたのがホンダです。
「天才タマゴ」の通称でも知られた初代「エスティマ」
ホンダは1994年に初代「オデッセイ」を、1996年には初代「ステップワゴン」を連続でヒットさせています。スライドドア車であるステップワゴンは、背の高い実用的なファミリーカーとしてイメージを構築していきましたが、初代「ストリーム」や3代目オデッセイをはじめ、スポーティなミニバンにはスライドドアは装備されませんでした。
一時はトヨタも「ウィッシュ」でストリームに対抗姿勢を示しましたが、2000年代半ば以降は、こうしたスポーティなミニバンの人気が徐々に低下。代わってスライドドア付きのミニバンが存在感を高めていきます。つまり「普通のドアのミニバンやワゴンはいらない」と市場が答えたということであり、パイオニア的存在であるオデッセイですら、スライドドア付きミニバンへと移行していきました。
逆にホンダは、ステップワゴンのように実用的なスライドドア車を、軽サイズで実現した「N-BOX」を2011年に発売。空前のヒットを記録し、軽自動車市場の勢力図を、一気に塗り替えてしまいました。
このように、スライドドアは軽自動車から大型ミニバンまで広く普及し、いつしか“商用車の装備”というイメージも薄らいでいきました。VIP向けのショーファーカーですら、今や高級ミニバンを使うのが当たり前で、銀座や丸の内などの都心部では、黒塗りの「アルファード」が驚くほどたくさん走っています。
実用的でもある「センチュリークーペ」のスライドドア
また、この勢いは中国やASEAN(東南アジア諸国連合)地域にも伝播していき、近年は現地メーカーによるVIP向けのミニバン開発も盛んです。これらの地域では、クルマが普及しだした頃から日本製のスライドドア付き高級車が当たり前に存在していたので、抵抗なく受け入れられていったと考えられます。
メルセデス・ベンツ唯一の高級ミニバン「Vクラス」は、欧州で売られる商用バン「ヴィトー」がベース(画像:メルセデス・ベンツ)
しかし、18~19世紀末にかけて自動車が普及していった欧米各国では、高級車=古典的なセダンタイプという伝統が今も重んじられています。スライドドアモデル=商用車という人々のイメージも根強いようで、現在もスライドドア付きの高級車は一般的な選択肢ではありません。
日本ですら、スライドドア付きの高級車が一般化するのに四半世紀以上の歳月を要しました。欧米でもスライドドア付きの高級車が受け入れられるには、まだまだ時間がかかりそうですが、快適度なら間違いなくセダンよりミニバンのほうが上なだけに、こうしたニーズの変化は近い将来、確実に起こるでしょう。
なお、JMS2025でお披露目される2ドアクーペのセンチュリーは、ドア部分が前方へと動くタイプのスライドドアを採用しています。開閉は従来のレール式ではなく、ドア下側のアーム機構によって行うため、ボディデザインの自由度も大きく向上しています。
また、2ドアクーペはドアが大きくなりがちで、乗り降りに気を遣うのも難点です。しかし、スライドドアならスペースを取らないので、隣のクルマとの距離も気にせずに済みます。センチュリー2ドアクーペのスライドドアは、ファッション性だけでなく実用面のメリットも考えられており、欧米の保守的な高級車ユーザーにも、大きなインパクトを与えるかもしれません。
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