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「これ“奈良のシカ”ですよ」ヤベエ!! 超人気オフロードバイクの“やっちゃった”秘話とは? ヤマハ「セロー」

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  • 乗りものニュース
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1985年に新ジャンルのオフロードバイクとして発売されたヤマハ「セロー」。オフロードモデルの入門マシンとして知られた一方で、実は本格的なアイテムも多数装備した“ホンキ仕様”の1台でした。

「入門用」でもある一方、細部はいろいろと“ホンキ”な1台

 1985年に発売されたヤマハ「セロー225」は、英語で「カモシカ」という意味の車名を持つオフロードタイプのバイクです。その後、ヤマハのオフロードモデルの代表格として君臨しました。

Large figure1 gallery11ヤマハが打ち出した「マウンテントレール」モデルで、35年ものロングセラーに至った「セロー」シリーズ(画像:ヤマハ)

 しかし、セローはモトクロスでもなければトレッキングバイクでもない、ヤマハが打ち出した「マウンテントレール」という新カテゴリーのバイクだったことが大きな特徴です。

 この当時、筆者はセローのことを「バイク入門モデル」として見ており、正直に言ってどこかヤワな印象を抱いていました。実際、当時セローをチョイスしていたライダーには女性やビギナーが多かったことも要因だと思います。

 しかし登場から40年、改めて振り返ってみると、セローはデビュー当時には考えもしなかったほど素晴らしいバイクであったことに気づきました。今では「セロー、あの時はごめんな」と謝りたくなるほどです。

 前期型セローの狙いは「街乗りにも最適だが、オフロードでも楽しめるモデル」というものでした。エンジンはトルクフルな225ccの4ストロークユニットを搭載。軽量・スリムで取り回しがよく、シートも足付きの良さを重視して低く設計されていました。

 細部を見ると、特にダート走行において、バイクに慣れていないライダーが転倒することを見越した設計となっているのが感じられます。実際にヤマハが女性ライダーやビギナーなどもターゲット層にしていたことがうかがえます。

 一方でセローが凄いのは、初心者向けのゲートウェイ的モデルでありながら、足回りなどにはかなり本格的な装備を採用していたことです。

 フロントディスクブレーキには悪路での泥などの付着を想定し、キチンとカバーが装着されています。また、リアの足回りにはヤマハ自慢の「MONO CROSS」サスペンションを採用。エンジン・ボディ周りのデザインも無駄がなく、実に完成度の高い1台だったのです。

 その完成度の高さが好評を博し、セローは登場するや否や大ヒット。発売翌年の1986年以降は、特別仕様車や派生モデルなどを続々と追加し、マイナーチェンジも重ねながら進化していきました。

「シカが違う」という大失態

 ところで、ヤマハはセロー発売時に、意外なところで大失態も経験しています。それはセローのタンクにあしらわれた「カモシカ」のイラストについて。

Large figure2 gallery12 2012年モデルでは、言われなければ気づかないほど抽象化されたカモシカのグラフィックがシュラウドに復活(画像:ヤマハ)

 1985年モデルには、3つに枝分かれしたツノを持つカモシカのイラストが描かれていたのですが、これが動物愛護団体から「このツノはカモシカではなく、奈良のシカのツノの形だ」と指摘されてしまったのです。結局タンクのカモシカは、後のモデルで正しい形のツノを持つ絵柄に変更されました。

 予想だにしない「まさか」なミステイクだったわけですが、前期型セローの問題点といえば、強いてこの程度。バイクとしてはやはり優れたモデルでした。

 熟成を重ねていったセローですが、1997年にはついにフルモデルチェンジを受けます。タンク容量は当初の8.8リッターから10リッターへとアップ。タンクの形状自体も改良し、より足付きのいいライディングポジションを実現しました。また、最新機能の採用にも次々に挑戦しました。

 1997年の東京モーターショーでは、当時最先端だったナビゲーション機能付きGPSシステムを搭載したモデルが参考出品されました。また、2000年モデルにはアクセル開度を正確に点火系マップへと反映させる「スロットルポジションセンサー(TPS)」なども採用しています。

 しかし、「女性やビギナーでも安心して乗れる」という誕生以来のコンセプトも大事にしたセロー。初代から親しまれた225ccエンジン搭載のモデルは、生産終了となった2004年まで進化し続けました。

コンセプト変更? スタイリッシュに変身した「セロー250」

 初代登場から20周年にあたる2005年、セローは最大の特徴である“扱いやすさ”はそのままに、排気量を250ccにアップして後期型へとフルモデルチェンジしました。「セロー250」はエンジンが大きくなった一方で、さらなる軽量化にも取り組み、結果的に225ccモデルよりも、はるかに乗りやすいセローへと生まれ変わったのでした。

 ただし、大幅に変更されたデザインについては、筆者は個人的に“違和感”を覚えました。250ccモデルは先鋭的でスタイリッシュなデザインになった反面、225ccモデルにあった「洗練されすぎない、どこかアナログ的な親しみやすい雰囲気」は感じられないものになっていたほか、タンクの“カモシカ”も姿を消していました。

 もちろんコレはコレでカッコよく、たとえばモタード風にカスタムするのであればドンピシャに仕上がるだろうと感じました。しかし、当時の女性ライダーや初心者から見れば敷居が高そうな雰囲気のデザインであったとも思えます。もしかしたらモデルチェンジを機に、ヤマハがターゲットユーザーの“再構築”を図ったのかもしれません。

 先鋭化した後期型セローですが、市場からは相応の支持を受け、マイナーチェンジを重ねつつ更に進化していきました。2012年モデルでは、シュラウド(ボディのカバー)のグラフィックにカモシカの絵柄が復活。「カモシカがモチーフである」と言われなければ気が付かないほど抽象的ではありましたが、前期型時代からのファンには嬉しいエピソードでした。

 しかし、2018年のマイナーチェンジモデルを最後に改良は止まり、セローは2020年に惜しまれつつも生産終了となりました。

 225ccから250ccへと大きく変わりつつも、35年もの長きにわたり愛され続けたセロー。ヤマハの惜しみない開発力と、そして何より「バイクユーザーを増やそう」とした努力の歴史が詰まった、偉大なるロングセラーモデルでした。

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