「LDL」コレステロール値高いと“心筋梗塞”リスク増 数値を上げてしまう「要注意の食べ物」【専門医解説】
- オトナンサー |

秋は食べ物がおいしい季節です。つい食べ過ぎてしまい、体重が増加してしまうケースが珍しくないため、注意したいものです。
ところで、健康診断でコレステロール値が基準値を上回ってしまった経験がある人は多いと思います。SNS上では「健康診断でLDLコレステロールが高いと言われた」「LDL基準値オーバー」などの声が上がっています。健康診断の結果を見ると、「LDLコレステロール」のほかに「HDLコレステロール」という項目がありますが、これらは何が違うのでしょうか。LDLコレステロール値を上げる可能性がある食べ物やコレステロール値を改善する方法などについて、用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニック(東京都世田谷区)院長で総合内科専門医、消化器病学会専門医の菊池真大さんに聞きました。
コレステロール値は冬に上がりやすい
Q.まず「LDLコレステロール」「HDLコレステロール」の違いについて、教えてください。
菊池さん「LDLコレステロール(Low-Density Lipoprotein)は、肝臓で合成されたVLDL(超低密度リポタンパク質)が血中で分解される過程で生じるもので、主にコレステロールを肝臓から末梢(まっしょう)組織へと運ぶ役割を担っています。細胞膜の構成やステロイドホルモンの合成に必要なコレステロールを供給する重要な働きを持つ一方で、過剰になると血管壁に蓄積しやすくなります。
こうした『細胞膜の材料』や『ホルモンの原料』となるコレステロールを、必要な場所へ届ける働きをしていますが、届け過ぎると血管の壁に余分なコレステロールがたまり、動脈硬化の原因になるため、『悪玉コレステロール』として知られています。進行すると、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患を引き起こす可能性が高まります。
一方、HDLコレステロール(High-Density Lipoprotein)は、肝臓や小腸で合成され、末梢組織から余分なコレステロールを回収して肝臓へ戻す『逆コレステロール輸送』の役割を果たします。動脈硬化の予防に寄与するため『善玉コレステロール』として知られています。HDLの低下は、喫煙や肥満、糖尿病、運動不足などの生活習慣と関連し、動脈硬化の進行を助長する要因となります。
臨床的には、LDLコレステロールは120mg/dL未満(高リスク群では100mg/dL未満)が望ましく、HDLコレステロールは40mg/dL以上が理想とされます。これらの値に加えて、LDLとHDLの比率(LH比)も重要な指標であり、1.5未満が理想、2.0以上になると動脈硬化のリスクが高まるとされています」
Q.1年の中でコレステロール値が上がりやすい時期はあるのでしょうか。
菊池さん「冬にLDLコレステロールが上昇しやすいと考えられています。寒さが交感神経系を活性化させ、血管が収縮し血圧が上昇するとともに肝臓での脂肪合成が進み、LDLコレステロールが上昇しやすくなります。運動量の低下や水分摂取量の減少も影響していると考えられます」
Q.食べ過ぎるとLDLコレステロール値を上げる可能性がある食べ物について、教えてください。
菊池さん「コレステロール値を上げる可能性がある食べ物には、いくつかの特徴があります。まず、動物性脂肪を多く含む食品は注意が必要です。例えば、牛や豚の脂身、鶏皮、ベーコンやソーセージなどの加工肉、バターやラード、チーズ類などは、飽和脂肪酸を多く含んでおり、これらを過剰に摂取すると肝臓でのLDLコレステロールの分解が抑制され、血中濃度が上昇しやすくなります。
また、トランス脂肪酸を含む食品もLDLコレステロールを増やす一因となります。マーガリンやショートニングを使った洋菓子、スナック菓子、揚げ菓子、インスタント食品などがその代表例です。トランス脂肪酸はLDLを増やすだけでなく、HDLコレステロールを減らす作用もあるため、動脈硬化のリスクを高めるとされています。
加えて、ファストフードやレトルト食品、菓子パンなどの高脂質・高カロリー食品も、脂質異常症のリスクを高めます。これらの食品は飽和脂肪酸や糖質を多く含み、肝臓での中性脂肪合成やVLDL分泌を促進し、結果的にLDLコレステロールの増加につながる可能性があります」
Q.コレステロール値を改善するにはどうしたらよいのでしょうか。対処法について、教えてください。
菊池さん「コレステロール値を改善するには、まず食生活の見直しが重要です。脂の多い肉や揚げ物、バターなどの飽和脂肪酸を控え、代わりに青魚やオリーブオイルなどの不飽和脂肪酸を取り入れることで、LDLコレステロールを減らすことができます。また、野菜や豆類、海藻などに含まれる食物繊維は、腸内でコレステロールの吸収を抑える働きがあるため、積極的に取ると効果的です。
運動も大切で、ウオーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動を週に数回続けることで、HDLコレステロールを増やし、脂質代謝を整えることができます。さらに、ストレスをためすぎないことや、十分な睡眠を取ることも、ホルモンバランスや代謝に良い影響を与えます。
それでも改善が難しい場合は、医師の判断でスタチンなどの薬剤を使って、LDLコレステロールを効果的に下げる治療が行われます。つまり、食事、運動、生活習慣の見直しを土台に、必要に応じて薬を組み合わせることで、コレステロールは十分にコントロール可能です」
オトナンサー編集部
実は損している?
ニュースを読んでポイントが貯まるサービスがあるのを知っていますか?ポイントサイトのECナビでは好きなニュースを読んでポイントを貯めることができるのです。(※ECナビはPeXの姉妹サイトです。)今日読んだニュースが実はお小遣いになるとしたら、ちょっと嬉しいですよね。
ポイントの貯め方はニュースを読む以外にも、アンケート回答や日々のネットショッピングなど多数あるので、好きな貯め方でOK!無料で登録できてすぐに利用できます。貯まったポイントはPeXを通じて現金やAmazonギフトカードなどに交換できます。
運営実績も15年以上!700万人以上の方がポイントを貯めています。毎日好きなニュースを読んでお小遣いを貯めてみませんか?
簡単無料登録はこちらYOUの気持ち聞かせてよ!
いいね | ![]() |
|
---|---|---|
ムカムカ | ![]() |
|
悲しい | ![]() |
|
ふ〜ん | ![]() |