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健康診断で「脂肪肝」と指摘されたら要注意 専門医が語る“甘く見てはいけないワケ”

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「脂肪肝」の原因は?(画像はイメージ)
「脂肪肝」の原因は?(画像はイメージ)

 健康診断のときに、医師から「脂肪肝」と指摘されたことはありませんか。SNS上では「脂肪肝なので酒を減らしていかないと」「酒を飲まないし、肥満体形ではないのに脂肪肝と診断された」「健康診断で『脂肪肝』と言われたけど放置している」という内容の声が上がっています。

 そもそも、脂肪肝とはどのような病気なのでしょうか。放置した場合に生じる可能性がある病気や、脂肪肝を予防する方法などについて、天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック(大阪市天王寺区)院長で総合内科専門医、消化器病専門医、内視鏡専門医の安江千尋さんに聞きました。

自覚症状がないのが特徴

Q.そもそも、なぜ脂肪肝になるのでしょうか。発症の原因や主な症状などについて、教えてください。

安江さん「脂肪肝とはその名の通り、肝臓に脂肪が多く蓄積された状態を指します。脂肪肝と聞くと『脂っこいものを食べ過ぎるとなる病気』というイメージを持つ人は多いかもしれませんが、実際にはそれだけが原因ではなく、私たちの日常生活の中に隠れたリスクが多く潜んでいます。

肝臓は食事で摂取した糖質や脂質を分解、合成し、エネルギーを蓄える重要な臓器です。もともと肝細胞内にはある程度の脂肪が含まれていますが、食べ過ぎや運動不足などで余ったエネルギーが中性脂肪として蓄積されていくと、肝臓の中に脂肪が過剰に蓄積し『脂肪肝』となります。

脂肪肝には大きく分けて『アルコール関連肝疾患』と『代謝機能障害関連脂肪性肝疾患』があります。アルコール関連肝疾患はその名の通り飲酒が原因ですが、近年増加しているのが、飲酒をほとんどしない人でも発症する代謝機能障害関連脂肪性肝疾患です。特に、日本人の食生活の欧米化や運動不足、肥満率の上昇に伴い、代謝機能障害関連脂肪性肝疾患を発症するケースは年々増加しています。

代謝機能障害関連脂肪性肝疾患の原因の一つは『インスリン抵抗性』です。インスリンは血糖値を下げる働きがあるホルモンですが、食べ過ぎや運動不足が続くと、体の中でインスリンが効きにくくなり、血液中の脂肪酸が増加し、肝臓に取り込まれる脂肪が増えることで脂肪肝を引き起こします。さらに肥満、特に内臓脂肪型肥満があるとインスリン抵抗性が悪化しやすく、脂肪肝の進行リスクを高めます。

『脂肪肝は自覚症状がない』というのも特徴です。多くの人は腹痛や倦怠(けんたい)感などの症状がほとんどなく、健康診断の血液検査で肝機能異常(AST・ALTの上昇)を指摘されたり、腹部エコー(腹部超音波検査)で『肝臓が白く光っている』といわれたりして初めて気付きます。症状がないからといって放置していると、脂肪肝のうち約10~20%は代謝機能障害関連脂肪肝炎に進行し、さらにその一部が肝硬変や肝がんへと進行する可能性があります。

肝硬変や肝がんに進行すると黄疸(おうだん)や腹水、むくみ、食欲低下、体重減少などの症状が現れ、命に関わる状態になることもあります。

つまり、『脂肪肝は無症状のうちに静かに進行し、将来的に重大な病気を引き起こす可能性がある疾患』です。脂肪肝は症状がないうちに発見し、適切な生活習慣の改善を行うことで進行を防ぐことが可能なため、健康診断で指摘を受けた際は放置せず、食事内容の見直しや運動習慣の改善に取り組むことが大切です。

また、最近では痩せている人でも糖質の過剰摂取や運動不足、筋肉量の低下などにより脂肪肝になる『痩せ型脂肪肝』も増加しています。体重が適正だから安心というわけではなく、バランスの取れた食事や適度な運動、質の良い睡眠を心掛けることが、脂肪肝の予防や改善につながるのです」

脂肪肝を防ぐには?

Q.脂肪肝の予防や改善のためには、日頃からどのようなことを心掛ける必要があるのでしょうか。

安江さん「脂肪肝は『生活習慣病の一つ』であり、先述のように発症の背景には食べ過ぎや運動不足、飲み過ぎといった日常生活の習慣が深く関わっています。逆に言えば、普段の生活を見直すことで予防、改善が可能な病気です。脂肪肝の発症を防ぐために最も大切なことは、毎日の食事と運動習慣を整えることです。

まず、食事の量と内容を意識することが重要です。現代の食生活はカロリー過多になりやすく、糖質や脂質が多い食事が増えています。脂肪肝を予防するためには、腹八分目を心掛けるとともに、栄養バランスの取れた食事を取ることが大切です。具体的には、炭水化物は白米やパンだけでなく、玄米や雑穀米、全粒粉パンなど食物繊維が豊富なものを選ぶことで血糖値の急上昇を防ぐことが可能です。

また、野菜やキノコ類、海藻類などを積極的に摂取し、食物繊維の摂取量を増やすことで血糖値の上昇を緩やかにし、脂肪の蓄積を抑えることができます。

砂糖入りの炭酸飲料やジュースなどの甘い飲み物、アルコールは摂取カロリーを大きく増やす原因となります。特に甘い飲み物は、液体であるため満腹感を得にくく、無意識のうちに大量の糖質を摂取してしまうケースが多いです。甘い飲み物を飲む機会が多い人は水やお茶に置き換えるなど、飲み物からの糖質摂取を減らすことも脂肪肝の予防につながります。アルコールについては、飲酒量が多い人は節酒や禁酒を検討することが望ましいです。

運動習慣の維持も脂肪肝の予防には欠かせません。ウオーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動は脂肪を燃焼させ、肝臓に蓄積した脂肪を減少させる効果があります。目安としては週に2時間半以上の有酸素運動が推奨されていますが、忙しくてまとまった時間が取れない場合でも、通勤時に一駅分多く歩いたり、階段を使ったり、自宅にいるときに家事を積極的に行ったりするなど、日常生活の中で短時間でもよいので体を動かす機会を増やすことも脂肪減少に効果があります。

また、筋トレも基礎代謝の向上に役立ち、太りにくい体づくりにつながるため、可能であれば取り入れるのをお勧めします。

体重管理も非常に重要であり、肥満は脂肪肝の大きなリスク要因です。体格指数である『BMI(ボディ・マス・インデックス)』が25以上の人は、体重の5~10%を減量するだけでも肝臓の脂肪量が減少し、肝機能の改善が期待できます。急激なダイエットをする必要はありませんが、日々の生活の中で少しずつ体重を減らし、適正体重を維持することが脂肪肝の予防、改善に大きく貢献します。

先述のように脂肪肝は無症状で進行するため、症状がなくても油断せず、毎年健康診断を受けることが重要です。一方で、脂肪肝は早期発見により生活習慣を改善すれば進行を防ぐことができ、改善することが可能な病気でもあります。

そこで、健康診断のときに腹部エコーで肝臓の状態をチェックしてもらうとともに、血液検査で出た肝機能の値を確認することで早期発見、早期対策が可能になります。

日々の食事と運動、体重管理を意識し、健康な肝臓を守ることが将来の健康維持につながります。今からできることを少しずつ始めて、健康で元気な毎日を過ごしていきましょう」

オトナンサー編集部

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