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日本版「恐怖の彗星」危険なロケット戦闘機を陸海軍共同で開発した理由とは? 80年前に“悲劇の初飛行”を行った機体

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  • 乗りものニュース
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今から80年前の1945(昭和20)年7月7日。第二次世界大戦での敗色濃厚な日本で、三菱航空機(現・三菱重工業)が開発した試作ロケット推進戦闘機「秋水」が初飛行しました。

陸海軍共同開発という異例の機体

 今から80年前の1945年(昭和20年)7月7日、第二次世界大戦の敗色が濃厚となる中、日本で試作ロケット推進戦闘機「秋水(しゅうすい)」の初飛行が行われました。開発を手がけたのは、現在の三菱重工業にあたる三菱航空機です。

Large figure1 gallery9終戦後、アメリカ軍が撮影したロケット推進戦闘機「秋水」(画像:サンディエゴ航空宇宙博物館)

 この「秋水」は、本土防空を目的とする局地戦闘機で、敵の戦略爆撃機、特にB-29を迎撃するために開発されました。機体の開発は海軍、ロケットエンジンの開発は陸軍が担当するという、当時としては異例の陸海軍共同プロジェクトでした。これは、両軍が共通してB-29の脅威に直面し、急上昇が可能なロケット戦闘機の必要性を強く認識していたためです。

 秋水の設計は、ドイツのロケット戦闘機Me163「コメート」を参考にしています。Me163は史上唯一、実戦投入されたロケット戦闘機ですが、日本に届けられた資料の多くは途中で失われ、残ったのは3面図や燃料成分表、取扱説明書などの一部のみでした。そのため、日本側が独自に補完・再設計した部分も多く、たとえばキャノピー形状や機首、翼幅などがオリジナルとは異なります。

 開発のなかでも困難を極めたのがロケットエンジンでした。詳細な設計図が失われていたのはもちろんですが、燃料にも問題がありました。

「秋水」に搭載されたエンジンである「特呂二号」は、80%過酸化水素水である「甲液」と水化ヒドラジン系の「乙液」を混合させて推進力を得る方式でした。この混合燃料は爆発性・腐食性ともに極めて高く、少しの漏洩でも機体が炎上する危険がありました。整備中に触れた燃料が皮膚をただちに“溶かす”ほどの危険物でもあり、パイロットや整備員の命を脅かしました。なお、Me163に関しても濃度の高い過酸化水素を主成分とする「T液」とヒドラジンとメチルアルコールを主成分とする「C液」を使用しており、燃料の危険性は「秋水」と同様でした。

 こうした困難を乗り越え、1944年(昭和19年)12月には、全木製の滑空試験機「秋草(しゅうそう)」によるテスト飛行が実施され、翌1945年1月には武装とエンジンを除けばほぼ完成形となる「秋水」の原型機が完成。テスト飛行や乗員の養成も並行して進められました。

飛んだには飛んだが…

 ドイツより技術提供を受けてから約1年。追浜飛行場(神奈川県横須賀市)で「秋水」の試験飛行が行われました。しかしエンジンの不調に見舞われ、離陸したのは予定時刻から2時間後のことでした。

Large figure2 gallery3損傷した「秋水」(画像:サンディエゴ航空宇宙博物館)

 滑走距離は200mあまり。「秋水」は離陸し、初飛行に成功しました。ただ、高度350mほどでエンジンが停止。再起動もむなしく、「秋水」は飛行場西端に不時着したのです。機体は大破し搭乗員は重傷を負い、翌日に亡くなっています。

 ちなみに、同機には着陸装置(ランディングギア)が装備されていません。元となった「コメート」も同様ですが、離陸時に装備していた車輪を落としてし飛行体制に入ります。少ない燃料を節約する必要があるからです。着陸は機体下部のソリのようになった胴体で滑るように着陸させるという極めて危険な方法で、常時胴体着陸をする必要がありました。これらの問題や、前述した燃料の関係もあり「コメート」は味方のパイロットや整備員から「恐怖の彗星」と呼ばれた経緯がありますが、同機を元した「秋水」も軍用機として運用するにはかなり危険な機体であることには変わりはありませんでした。

 しかし、この失敗で軍は諦めず、2号機以降を製作しようとしますが、機体は造れても肝心なエンジンを事故で失ってしまいます。結局、日本は8月15日に終戦を迎え、飛行した「秋水」はただ1機にとどまりました。

 終戦までに完成していた機体は三菱航空機で4機、日本飛行機で3機の計7機でした。うち何機かは接収されアメリカ本土に送られ、調査に供されています。そして2023年現在、カリフォルニア州チノにあるプレーンズ・オブ・フェイム航空博物館に、世界で唯一となる「秋水」が保存・展示されています。

 ほかには、名古屋市港区の三菱重工大江工場内にある「大江時計台航空史料室」に、復元された機体が展示されています。

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