えっ…インド料理屋の敷地に“謎の騎馬像”が!? 明らか日本のモノじゃないし→その正体とは 葛西駅近く
- 乗りものニュース |

謎の騎馬像の正体とは?
東京メトロ東西線・葛西駅から浦安方面へ5分ほど歩き、一本脇道に入ると、日本人ではなさそうな謎の騎馬像が現れます。この像はいったい、どのような人物なのでしょうか。2026年は午(うま:馬)年ということもあり、話を聞いてみました。
葛西駅近くにのインド料理店レカの敷地内にある騎馬像(斎藤雅道撮影)
現地に行ってみると、像は「レカ」というインド料理店の敷地内にあるようです。建物の上階は「江戸川印度文化センター」という施設になっているとのことで、ひとまず同センターの創設者である、よぎさん(帰化前はプラニク・ヨゲンドラさん)に話を聞きました。
よぎさんはインド出身で、2012年に日本国籍を取得。その後、江戸川区議会議員を経て、2025年現在は茨城県立土浦第一高等学校・附属中学校の校長を務めています。
例の像について尋ねると、1627年4月6日から1680年4月3日まで生きた、チャトラパティ・シヴァージー・マハラジ(通称シヴァージー)という、マラーター王国の初代君主の銅像で、2025年3月8日に設置したものだそうです。
「インド国内では特に尊敬されている王様です。多くの人がイメージするインド文化が今も残っているのは、この王のおかげだと言ってもいいと思います。ムガル帝国やヨーロッパ勢力と戦い、広い国土を持つインドの中で、多くの人々が自らのアイデンティティを守ることができた人物だという認識があります」(よぎさん)
彼が築いたマラーター王国は、その後インド北部から現在のアフガニスタンにまで勢力を伸ばし、比較的安定した統治体制を築いたといわれています。日本史でいえば、時代的にも徳川家康に近い存在かもしれない、とのことでした。一方で、ムガル帝国との戦いでは圧倒的に不利な戦力差を大胆な戦術で覆したこともあり、その点では桶狭間の戦いの織田信長にも通じるとも話していました。
では、なぜあの場所にシヴァージーの像を設置することになったのでしょうか。実はよぎさんが設置したものだそうです。きっかけは、2017年によぎさんが、母親とともに経営していた店を同地へ移転させたことに始まります。
「それまで西葛西で店をやっていたのですが、私が忙しくなって店に出られなくなったり、母が体調を崩して営業できない時期があったりしました。そこで、自宅と店を一緒にしようという話になり、結局、今の場所に移ったことが、像を立てることにつながりました」(よぎさん)
職人が作ってきてしまったので現在の場所に
この頃には、よぎさんはすでに江戸川区のインド人コミュニティの中でも有名な人物の一人になっていたそうです。しかし当時、日本人との間だけでなく、インド人同士の間でも、宗教観や伝統の解釈をめぐって分断が進んでいたといいます。そこで考えたのが、文化センターの設立とシヴァージー像の設置でした。
レカのビリヤニ、チャパティで食べるカレーセット(斎藤雅道撮影)
「インド人だけでなく日本人とも交流できる場所として文化センターを作り、コミュニティ統合の象徴として、宗教や性別に関係なく公平に接したといわれ、インド人から広く尊敬されているシヴァージーの像を置こうと考えました。本国の職人に依頼して制作してもらいました」(よぎさん)
こうして設置されたのが、現在のシヴァージー像です。ただし、当初からインド文化センターの敷地に置く予定だったわけではなく、ほかの場所に設置する案もあったそうです。
「実は、依頼した職人が設置場所を決めかねている間に、先に像を作ってしまって(笑)。それならば、ここに置こうという話になりました」(よぎさん)
ちなみに、グーグルマップなどで騎馬像設置前の状況を確認すると現在像がある位置には、プランターに観葉植物などが植えられており、そのスペースを利用したことがわかります。
像の制作費や輸送費については、インドや日本で寄付も集まったそうですが、それだけでは足りず、かなりの額をよぎさん自身が負担したとのこと。「これからもっと頑張らないと(笑)」と話していました。
なお、よぎさんの母親を中心に経営している「レカ」は、いわゆるナンとカレーの組み合わせが中心のインド料理店ではありません。小粒の米を使った「ビリヤニ」や、全粒粉で作る薄焼きパン「チャパティ」とともにカレーを味わう、本格派のインド料理が楽しめる珍しい店です。また、ヒンドゥー暦を太陽暦に換算すると、シヴァージーの誕生月は3月にあたることから、同月には生誕祭や「ワン・インディア祭」のような催しを予定しているとのことです。
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