空き巣犯はSNSで「留守宅」を探している…犯罪者への“格好のヒント”となる《SNS投稿》の特徴
- オトナンサー |

「夏休みに家族で沖縄に来ています!」。そんな楽しげなSNS投稿に、数多くの「いいね」やコメントが並ぶのは、今や夏の風物詩のようになっています。しかし、投稿ボタンを押す前に、立ち止まって考える必要があるかもしれません。旅行先からのリアルタイム投稿は、実は“空き巣犯”にとって絶好の情報源になってしまうことがあるのです。
この点について、サイバーセキュリティーの専門家であり、NordVPN(オランダ)の最高技術責任者を務めるマリユス・ブリエディスさんは、次のように注意を促しています。
「リアルタイムでのSNS投稿や位置情報の共有は、『自宅が現在、留守である』ことを全世界に向けて発信していることと同じです。空き巣にとっては、格好のヒントになってしまいます」
投稿がリアルタイムであればあるほど、犯罪者は安心する
近年、空き巣犯の行動パターンが変化していることが指摘されています。以前は家の周辺を観察したり、郵便受けの様子を見たり……といったアナログな手段が主でしたが、今ではSNSを活用する手口が増えているようです。Instagram、X(旧Twitter)、TikTokなどのSNSでは、「#旅行中」「#沖縄旅行」「#羽田空港」などのハッシュタグや、位置情報付きの投稿が日常的に見受けられます。こうした投稿をチェックすることで、「誰が今旅行に出かけ、自宅が無人であるか」が容易に把握できてしまうのです。
「投稿がリアルタイムであればあるほど、犯罪者は安心して行動に移せる状況になります。スーツケースの写真や搭乗券の画像も、留守を示すサインになり得ます」と、ブリエディスさんは語ります。
また、SNSでの発信は著名人やインフルエンサーだけの問題ではありません。一般の人でも、公開設定の投稿が原因で被害に遭うケースが増えており、決して他人事ではないのです。実際、イギリスで行われた調査では、「SNS投稿が原因で空き巣やその他の犯罪被害に遭った」と回答した人が10%にのぼったという報告もあります。日本においても、同様のリスクが十分に考えられるのです。
旅の必需品「常時接続」が思わぬ落とし穴に
NordVPNの調査によると、日本人旅行者の72%が「海外旅行中も常にインターネットに接続していたい」と回答しています。旅先で地図を調べたり、現地のグルメ情報を検索したり、写真をすぐに投稿するなど、ネット環境はもはや旅の必需品となっています。
しかし、この「常時接続」が思わぬ落とし穴になることも。「海外から投稿を行うことで、“自宅に誰もいない”という情報を、広くネット上に発信していることになります。特にSNSアカウントが公開設定になっている場合、投稿内容は友人や家族以外の第三者にも容易に見られてしまいます」と、ブリエディスさんは指摘します。空き巣犯は、SNSの投稿内容だけでなく、投稿時間や位置情報、過去の投稿傾向から、生活パターンまで把握しようとします。特に夏の旅行シーズンは、その情報が多く出回る時期でもあり、注意が必要です。
仮に、旅行中にSNS投稿を控えたとしても、油断はできません。多くのスマートフォンアプリが、ユーザーの知らないうちに位置情報を取得し、外部に共有していることがあるからです。天気予報アプリ、写真編集アプリ、地図アプリなどがその代表で、アプリの機能とは直接関係のない場面でも、位置情報を収集しているケースが少なくありません。
ブリエディスさんが「多くの人は、これらのアプリを無害なものだと思っていますが、実際には位置情報が第三者の企業に販売され、広告配信や監視目的で利用されていることがあります」と指摘するように、収集された位置情報は、個人の行動パターンを詳細に把握するために使われることもあり、プライバシーの侵害につながる危険性が高いといえます。
「人の行動範囲や習慣は、その人の“暮らしの地図”のようなものです。それが悪意ある人物の手に渡ったとき、自宅の特定や侵入計画に悪用される可能性もあります」と、ブリエディスさんは警鐘を鳴らしています。
すぐできる「旅行中のセキュリティー対策」5つ
では、旅行を安心して楽しむために、どのような対策を講じればよいのでしょうか。ブリエディスさんが推奨する、今すぐ実践できる5つの習慣をご紹介します。
【(1)旅行中の投稿は、帰宅後にまとめて】
楽しい思い出は、旅行が終わってから投稿するのがおすすめです。リアルタイムの投稿は、自宅が無人であることを示すことになりかねません。
【(2)位置情報スタンプやハッシュタグを使わない】
「#今ここ」「#沖縄旅行中」など、現在地を示すタグやスタンプは避けましょう。投稿に含まれる位置情報が、不用意に第三者へ漏れる可能性があります。
【(3)アプリの位置情報設定を見直す】
スマートフォンの設定で、位置情報の取得を「アプリ使用中のみ許可」または「常に拒否」に設定しましょう。特に使用頻度の少ないアプリは見直しが必要です。
【(4)SNSアカウントは「非公開」に設定】
投稿内容を信頼できる人のみに限定するため、アカウントを非公開にすることをおすすめします。また、フォロワーリストも定期的に見直すようにしましょう。
【(5)海外ではVPNを活用する】
公共Wi-Fi(ホテルや空港、カフェなど)は、通信が傍受されやすいため、VPNサービスの利用が有効です。VPNを使えば、通信内容が暗号化され、IPアドレスや位置情報の漏えいを防ぐことができます。
SNSでの旅行記録や思い出の共有は、今や日常的な楽しみの一つです。しかし、リアルタイムでの投稿や無防備な位置情報の共有が、犯罪の引き金になる可能性があることは、しっかりと認識しておく必要があります。ブリエディスさんは「SNSの使用をやめる必要はありませんが、『いつ・どこで・誰に』共有するかを見直すことが大切です。自分の位置情報を守ることは、自分の生活全体を守ることにつながります」と話します。
この夏の思い出を安全に残すために――。投稿ボタンを押す前に、ほんの少しの注意と対策を心がけることが、自分自身と家族を守る第一歩となるでしょう。
オトナンサー編集部
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