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暖房効いた部屋にいると「頭痛」が起きるのはなぜ? 冬の意外な盲点&応急手当の方法とは【専門医解説】

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暖房を使用中に頭痛が生じる原因は?(画像はイメージ)
暖房を使用中に頭痛が生じる原因は?(画像はイメージ)

 冬は室内が冷えるため、ストーブやエアコンなどの暖房器具が不可欠です。一方、暖房が効いた部屋で過ごしていると頭痛が生じることがありますが、この場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。暖房器具の正しい使い方や症状が出た場合の応急手当の方法などについて、「SOグレイスクリニック」(東京都品川区)院長で脳神経外科専門医、医学博士の近藤惣一郎さんが解説します。

水分不足になると頭痛が出ることも

 暖房が効き過ぎた部屋で頭痛が生じる場合、複数の要因が重なっていることが考えられます。主な原因を整理して解説します。

(1)血管の拡張(血管性頭痛)
温度が上がると、体温を逃がそうとして血管が拡張します。特に頭部の血管が急激に広がると、周囲の神経を圧迫して、ズキズキとした痛みを引き起こすことがあります。これは片頭痛が生じるのと似たメカニズムです。

(2)水分不足と乾燥(脱水症状)
冬の空気はもともと乾燥していますが、暖房を使うことで湿度はさらに下がります。この結果、自覚がないまま皮膚や呼気から水分が失われる「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」が生じます。また、体内の水分が減ると血流が悪くなり、脳への酸素供給が滞って頭痛を招くことがあります。暖房が効いた部屋で過ごす際は水分不足に注意が必要です。

(3)二酸化炭素濃度の上昇と酸素不足
石油ストーブやガスファンヒーターなど、室内で燃料を燃やす暖房器具を使用している場合、換気が不十分だと室内の二酸化炭素(CO2)濃度が上昇します。

酸素濃度が下がり、二酸化炭素が増えると、脳の血管が拡張して頭痛や、ぼーっとする感覚が生じることがあります。特に、暖房器具の使用時にぼーっとする感覚が生じた場合は一酸化炭素中毒の初期症状に近い状態なので、この症状が出たら要注意です。

(4)自律神経の乱れ
暖かい部屋と冷え切った廊下や屋外を行き来することで、体温を調節する自律神経に大きな負荷がかかります。

特に暖房が効き過ぎている部屋に長時間いた後、急に寒い場所に移動すると体温調節機能がパニックを起こし、頭痛やだるさ、のぼせといった症状が出やすくなります。

(5)「頭熱足寒(ずねつそっかん)」の状態
暖かい空気は部屋の上部にたまりやすく、足元は冷えたままになりがちです。頭だけが熱せられることで脳の血流が過剰になり、のぼせ状態(熱中症に近い状態)になることが原因で頭痛が起こります。

暖房器具の使用時に頭痛が生じたらどうする?

 暖房による頭痛を未然に防ぎ、起きてしまった際にも効果的に和らげるための具体的なステップを解説します。

【暖房器具の使用時に頭痛が生じた場合の対処法】
(1)換気の質を上げる(二酸化炭素と酸素の管理)
・「対角線での換気」を心掛ける
単に「窓を開ける」だけでなく、空気の通り道をつくることが重要です。窓を1カ所開けるよりも、対角線上にある2カ所の窓やドアを開けると、空気の入れ替わりが劇的に早まります。

・「1時間に2回、5分の換気」を行う
暖房器具メーカーなどは1時間に2回、5分程度を目安に換気を推奨しています。特に石油ストーブやガスファンヒーターなど、「燃焼」を伴う暖房は、二酸化炭素の排出量が多いため、より頻繁な換気が必要です。

・窓を少しだけ開け続ける
寒さが厳しくて窓を全部開けるのが難しい場合は、窓を数センチだけ常に開けておく「常時換気」も有効です。

(2)「温度のムラ」を解消する(頭熱足寒の防止)
先述のように暖かい空気は天井付近にたまり、足元が冷えるため、脳の血管が拡張しやすくなります。これを物理的に解消します。

・サーキュレーターの活用
サーキュレーターや扇風機を天井に向けて回し、上にたまった暖かい空気を足元へ循環させます。これにより、設定温度を下げても体感温度が上がり、頭痛のリスクを減らせます。

・加湿器も使用する
湿度が上がると体感温度も上がるため、過剰な温度設定を防げます。理想的な湿度は40~60%です。40%を下回るとウイルスの活性化や肌、粘膜の乾燥が進み、60%を超えるとカビの原因になります。

(3)「かくれ脱水」への対策
冬の頭痛の盲点は、自覚のない脱水です。小まめな水分補給を心掛け、喉が渇いていなくても、1時間に1回はコップ数口の水を飲む習慣をつけましょう。また、カフェインとアルコールに注意してください。コーヒーや緑茶、お酒は利尿作用があるため、水分を取っているつもりでも体内の水分を排出してしまいます。麦茶やさゆなど、ノンカフェインのものが理想的です。

(4)暖房器具ごとの注意点と対策
使用している暖房器具によって、頭痛の原因が少し異なります。

・エアコン
使用時に室内の空気が乾燥しやすいので注意が必要です。エアコン使用時は加湿器も使ったり、エアコンの風を直接体に当てたりしないことが大切です。

・石油ストーブ、ガスストーブ
二酸化炭素の濃度が上昇しやすいことや、使用状況によっては一酸化炭素中毒になる危険性があります。使用時は換気をしっかり行ってください。1時間に1〜2回、全換気しましょう。

・電気ヒーター、床暖房
部分的なのぼせが生じやすくなります。部屋全体の温度を上げ過ぎないようにし、小まめな水分補給を心掛けましょう。

(5)頭痛が起きてしまったときの「応急手当」
薬を飲む前に、次の物理的な対処法を試してみてください。

・血管を収縮させる(冷やす)
ズキズキと脈打つような痛みがある場合は、太い血管が通っているこめかみや首の後ろを、冷たいタオルやタオルで巻いた保冷剤で数分冷やしてください。

・暗い場所で目を閉じる
暖房による頭痛は、脳が過敏になっている状態です。テレビやスマホの光を避け、10~15分ほど静かな場所で目を閉じるだけで、自律神経が整いやすくなります。

オトナンサー編集部

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