日産不振の元凶か 国内BEVシェア第1位「サクラ」本当に売れているの? 販売現場のリアルな声は
- 乗りものニュース |

2022年6月の登場以来、3年連続でBEV(電気自動車)販売台数No.1を獲得しているのが日産「サクラ」です。しかし、販売シェアでは国内メーカートップの座にあるものの、その販売台数は年月を経るごとに下降線を描き、中古車市場にはそれなりの台数が安値で販売されています。「サクラ」は本当に売れているのでしょうか?
BEVシェアトップ「サクラ」の販売台数に陰りが…
日本自動車販売協会連合会の2025年3月の新車販売動向の速報によると、テスラをはじめとする外国メーカーの電気自動車(以下、BEV)は3303台輸入され、前年同月比で17.8%増加しました。これに対し、日本製のBEV販売台数(登録車のみ)はわずか707台にとどまり、前年同月比でマイナス36.7%と落ち込んでいます。この傾向は一時的なものではなく、2023年3月の5149台をピークに、2年連続で前年同月比マイナスを記録し、苦戦が続いています。
販売低迷が続く日本製BEVの中で、最も販売台数が多い日産「サクラ」(画像:日産)。
そのような日本製BEVの中で、登録車・軽自動車をあわせて最も売れているのが、日産「サクラ」です。2024年度(2024年4月~2025年3月)の国内販売実績は2万832台を記録し、3年連続でBEV販売台数トップを獲得しました。しかし、その「サクラ」ですら2025年3月は前年同月の3228台から2008台へと下降線をたどり、他の日本製BEVの売り上げ不振が続く中で首位を確保したに過ぎません。
日産ディーラーで「サクラ」について話を聞くと、「日本製BEVの中では『サクラ』がトップシェアを誇り、新車販売は絶好調です。高価なBEVの中では手が届きやすい価格ですし、国や自治体からの補助金を活用すれば、ガソリン車とほとんど変わらない価格で購入できます。セカンドカーはもちろんのこと、ファーストカーとして選ぶお客様も少なくありません」とセールフスタッフは胸を張ります。
実際、「サクラ」を新車で購入する際には、国から最大で57万4000円の補助金が支給され、さらに居住地域によっては自治体からの補助金(東京都の場合はメーカー別上乗せ補助額の40万円を含めて60万円)も受けることができます。その場合、補助金の合計額は117万4000円に達し、標準グレードの「サクラX」のオプションを含まない支払い総額が268万974円(車両本体価格:259万9300円。5月登録の場合)なので、実質的には約150万7000円で購入できるのです。
ただし、これには「4年間の保有」という条件が付きます。すなわち、購入から4年未満で「サクラ」を手放した場合には、国や自治体から受けた補助金を返納しなければなりません。
「サクラ」の中古車が多量に出回るワケ
ここで気になるのは「サクラ」を購入したユーザーが本当に満足しているのか、ということです。
日産「サクラ」の航続距離は180kmとされているが、実際に走れる距離はさらに少なくなる。以前、筆者は横浜の日産本社で広報車の「サクラ」を借り220kmを走行したが、夏場の高速道路の走行ということで4回の急速充電を余儀なくされた(画像:日産)。
それを測るバロメーターが、中古車の流通台数と相場価格になります。某大手中古車サイトでは、2025年5月1日現在、「サクラ」は全国で960台が確認できました。車両本体価格は92.3万円~299万円で、平均価格は165.6万円でした。
「サクラ」の登場は2022年6月なので、最も車齢が古い車両でも登録から2年11か月しか経過していません。現在、中古車として販売されている「サクラ」は、リースやレンタカー、ディーラー試乗車上がりのクルマが多いようですが、中古市場での流通台数から推測すると補助金を返納して手放したものも少なくないようです。
「サクラ」のリセール価格は低く、2年後の残価率(新車の購入金額に対する売却時の相場)は50%台とされています。同じ軽自動車の中古車で比較すると、2年落ち・2万km走行の車両の場合、スズキ「ジムニー」が90%以上、ダイハツ「タフト」が80%台、ホンダ「N-BOX」が70%台の残価を維持しています。
すなわち、「サクラ」を2年ほどで売却した場合、売却金額は新車価格の約半分になるうえ、補助金の返納も発生してしまいます。返金額は補助金の適用を受けた時期によって変わります。2022年度補正予算以降に補助金を受けた場合、4年(48か月)のうちどれくらいの月数を残しているかの割合で返納額が決まりますが、2022年度補正予算以前では、7~8割ほどを返納しなければならないケースもあったとされ、かなりの損失を被ることになります。
それでもなお短期間で「サクラ」を売却する人がいるのはなぜなのでしょうか?
使う場面を考えて、購入は慎重に
それは、航続距離が180kmと短く、さらに充電スポットの少なさ、充電の煩わしさなどもネックになっているようです。そのような不便な点を嫌って、損失を覚悟で手放す人がいるのではないでしょうか。
ただ、ガソリン価格が高騰している昨今、維持費の安さが魅力のBEVの中で、通勤や通学、近所の買い物用などの日常使いに強いのが「サクラ」です。充電スポットが近くにあれば不安になることもなく、長距離走行をする場合はレンタカーやカーシェアなどを利用するのもよいでしょう。
今後、補助金の支給条件である4年が過ぎると、それを機に「サクラ」を手放す人が増える可能性もあります。そうなれば、市場に中古車が大量に流通し、相場が一気に下落するおそれもあります。現在の中古車相場を考えると、短期間でクルマの乗り換えを考えている人が「サクラ」を新車購入する際は、慎重な判断をする必要があるでしょう。
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