食べ過ぎ&便秘が「腸閉塞」を招く!? 放置すると命の危険も 専門医が教える受診目安&要注意食品
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腸閉塞(へいそく)という病名を聞いたことがある人は多いと思います。これは食べ物やガスなどで腸内が詰まってしまう病気であり、重症化すると壊死するケースもあるといわれています。腸閉塞の主な原因のほか、腸閉塞を引き起こしやすい食べ物や受診目安などについて、筑波胃腸病院(茨城県つくば市)理事長で消化器外科専門医の鈴木隆二さんに聞きました。
餅の食べ過ぎで発症することも
Q.そもそも、腸閉塞とはどのような病気なのでしょうか。また、腸閉塞になった場合、どのような症状が出るのでしょうか。
鈴木さん「腸閉塞とは、簡単に言うと『腸が渋滞してしまう病気』です。渋滞している高速道路のように、腸の中にある食べ物やガス、液体が先に進めなくなる状態です。腸閉塞の主な原因は多い順で次の3つです」
(1)過去に腹部を手術したことにより、腸同士が互いにくっついてしまう、いわゆる“腸の癒着”が原因
(2)大腸がんやクローン病など、腫瘍や炎症による腸の狭窄(きょうさく)が原因
(3)食べ物や胆石、便などの詰まりが原因
このほか、腸がねじれる「腸捻転」、腸が腸に入り込む「腸重積(症)」によって起きることもあります。
腸閉塞になると「おなかが張って苦しい(膨満感)」「強い腹痛(差し込むような痛み)」「吐き気、嘔吐(おうと。特に内容物が便臭を伴うと重症のサイン)」「便やガスが出ない(通過障害)」といった、おなかにとって危険な状態を引き起こします。特に、先述のように過去に腹部の手術をしたことがある人や、腸の病気を経験した人は食べ物が原因で腸閉塞になりやすいため注意が必要です。
腸閉塞を放置すると腸が壊死(腐る)して命に関わるため、早期発見、早期治療が大切です。
Q.では、腸閉塞を引き起こしやすい食べ物について、教えてください。例えば、どのような食べ物を食べ過ぎると腸閉塞になる恐れがあるのでしょうか。
鈴木さん「例えば、冬によく食べられる餅は腸閉塞の『常習犯』として医師の間でも知られています。餅は『よくかまずに飲み込みがち』『胃や腸の中でネチネチと粘り続ける』『正月のときに3個、4個と大量に食べやすい』という三重苦で腸閉塞の原因になり得ます。
他には、シイタケなどの乾燥したキノコやコンニャクのほか、未消化の野菜繊維(ゴボウやモヤシ)、柿の種などの果物の種子なども『腸の詰まり石』のように作用することがあります」
Q.腸閉塞と見られる症状が出た場合、どのように対処したらよいのでしょうか。受診の目安も含めて、教えてください。
鈴木さん「次のような症状がある場合は、迷わず病院へ行ってください」
・嘔吐を繰り返す。特に内容が茶色く便臭がする場合は要注意
・ガスも便も出ず、おなかがパンパンに張っている
・キリキリ、ズーンとした腹痛が続く
・発熱や意識の低下がある
「そのうち治るだろう」と考えるのは禁物です。腸が壊死して穿孔(せんこう。穴が開くこと)が生じると、腹膜炎を起こして命に関わります。腸閉塞は救急外来の対象となることも多い疾患です。
Q.腸閉塞が起こりやすい時期はあるのでしょうか。
鈴木さん「意外かもしれませんが、ゴールデンウイークやお盆、年末年始などの大型連休中やその直後に発症するケースは少なくありません。
なぜなら『食べ過ぎ、飲み過ぎ』『餅や繊維質の取り過ぎ』『生活リズムの乱れ』『帰省や旅行での長時間移動』などが重なり、腸が通常のリズムで動けずパニック状態になるからです。さらに、過去に腹部手術を受けている人は、癒着性腸閉塞を発症しやすいので、日頃から注意が必要です」
Q.腸閉塞を防ぐには、日頃からどのような対策が必要なのでしょうか。
鈴木さん「腸閉塞を防ぐためには、『腸に負担をかけ過ぎない生活』がポイントです。ただし、一律に『食物繊維を取ればOK』とは限らず、体質や既往歴によって注意が必要です。主な対策は次の通りです」
(1)よくかんで食べる
特に餅や乾燥野菜、こんにゃくなど、腸で詰まりやすい食品は要注意です。
(2)食べ過ぎ、早食いを避ける
一度に大量に食べると、腸の動きが追いつかず、腸が詰まりやすくなります。
(3)水分をしっかり取る
腸の中の内容物をスムーズに流すには、水分が不可欠です。適度に水分を摂取してください。
(4)食物繊維をバランスよく摂取する
食物繊維が含まれている野菜や海藻、豆類などを適度に摂取することで腸の動きを助けます。ただし、食物繊維の取り過ぎで逆に腸が詰まることもあるので注意が必要です。
(5)便秘を放置しない
便が腸内に長く滞ると、腸閉塞のリスクが高まります。
(6)過去に開腹手術がある人は特に注意
何度も強調しますが、過去に開腹手術がある人は腸の癒着による腸閉塞が起こりやすくなるため、無理な食事や急な生活習慣の変化は避けましょう。特にゴボウやモヤシ、海藻、キノコ類などの不溶性食物繊維が含まれた食べ物を取り過ぎると詰まりの原因になることがあります。
Q.ちなみに、「虫垂炎」(俗称は盲腸)も腹部に症状が出ることで有名ですが、腸閉塞とは何が違うのでしょうか。
鈴木さん「先述のように腸閉塞は『おなかが張って苦しい(膨満感)』『強い腹痛(差し込むような痛み)』『吐き気や嘔吐』などの症状が出ます。
一方、虫垂炎とは、大腸の一部の『盲腸』の端っこにある『虫垂』という細い突起が炎症を起こす病気です。最初はみぞおち付近が痛くなりますが、時間の経過とともに右下腹部に痛みが移動し、ひどくなります。また、動くと痛みが増すこともあります。痛み以外だと軽い発熱や吐き気といった症状が出ます。
つまり、腸閉塞は腸の通り道が詰まってしまう病気、虫垂炎は腸の一部が炎症を起こす病気であり、原因や症状が出る場所が異なります。ただ、どちらも適切な治療が必要な病気です」
オトナンサー編集部
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