なぜ? 大賑わいだった「道の駅」が“登録取り消し”――全国1231駅 明暗わける“便利な道路”の功罪
- 乗りものニュース |

北海道でも賑わっていた道の駅が“取り消し”に
国土交通省が2025年12月19日、「道の駅」の第64回登録についてプレスリリースを発出し、その登録数が1231駅になったことを明らかにしました。福島県と静岡県で2駅が追加され、いずれも2026年度にオープンする予定となっています。
登録取り消しとなった「道の駅まるせっぷ」(画像:遠軽町)
ただその一方で、今回道の駅の登録を取り消す施設もあります。それは北海道遠軽町(旧丸瀬布町)にある道の駅「まるせっぷ」です。同駅は1994年の開設当時から2000年代までは、北海道の道の駅でも有数の賑わいを誇っていました。なぜ登録取り消しとなってしまったのでしょうか。
その原因を探る前に、「道の駅とはどういった施設か」について、あらためて簡単にご案内しましょう。
道の駅は国土交通省が登録を担う、「道路利用者への安全で快適な道路交通環境の提供」「地域の振興に寄与」という目的のため、「休憩施設:24時間、無料で利用できる駐車場・トイレ」「情報発信機能:道路情報、地域の観光情報、緊急医療情報を提供」「地域連携機能:文化教養施設、観光レクリエーション施設などの地域振興施設」という3つの基本コンセプトを備えた施設です。また施設や施設間を結ぶ主要経路にはバリアフリー化が行われていることが登録の要件となります。
その設置は1991年に実験的にはじまり、1993年から正式登録が行われています。道の駅が各地に設置されはじめた当時、トイレを提供するコンビニは現在ほど多くはなく、ドライブ途中にクルマを止めて休憩する場所も、ファミレスなどをのぞけば、主要道路沿いの駐車スペースや公園の駐車場など、限られた場所しかありませんでした。
2000年代に道の駅の数が大きく拡大したこと、また2014年には国交省令の改正により道の駅への案内標識が正式に定められたことは、一般道でのドライブの快適性の向上に大きく貢献しました。そして現在の多くの道の駅での賑わいにより、その利便性に大きな支持が集まっていると言えるでしょう。
ところが今回、道の駅まるせっぷが登録を取り消された背景には、そうした賑わいとは大きく隔たった、地域特有の事情があります。
「無料高速」が全てを変えた
北海道東部にある遠軽町は、琵琶湖、霞ヶ浦に次いで大きな湖で、汽水湖としては日本一の大きさを誇る「サロマ湖」から南西に入った内陸部に位置する町です。
2019年オープンの「道の駅 遠軽森のオホーツク」。スキー場が隣接(画像:遠軽町)
道の駅まるせっぷは、その遠軽町の市街地から20kmほど南西、北海道道北地方の中心都市旭川市から遠軽町を経由してオホーツク沿岸部に至る東西軸の国道333号沿いにありました。この場所は旭川方面から来たドライバーが北見峠を越えてひと息つく、絶好のポイントだったのです。
しかし2017年、その状況は一変します。国道333号に並行する「旭川紋別自動車道(旭紋道)」の丸瀬布IC~遠軽瀬戸瀬IC間が延伸開通したのです。
旭川市方面から来るクルマは道の駅まるせっぷの前を通ることなく、遠軽市街地方面に抜けられるようになりました。しかも旭紋道の比布北IC以東は無料区間として整備されたため、国道333号現道からの交通転換が進みました。
さらに2019年、旭紋道は遠軽ICまでさらに延伸し、遠軽ICに隣接した「道の駅遠軽 森のオホーツク」が同時オープン。道内で初めてスキー場を併設した道の駅として話題を集めます。
こうしたことから、道の駅まるせっぷは利用者が激減、町の財政負担の観点から、遠軽町が2024年に定めた「遠軽町公共施設の見直し方針」において「見直し対象とする施設」に分類されてしまいます。そしてその後の検討の結果、最終的に廃止の方針が決まり、今回の登録取り消しとなったのです。
国などによる無料の高速道路、高規格道路の整備は、利用者にとってはありがたい施策ですが、今回の取り消しの発表は、交通転換により大きな影響を受ける施設があることも明らかになりました。これは、地域を支える商業や外食産業などにも波及する問題でもあり、道路の整備と地域振興とを両立させる上で、大きな課題を突き付けています。
なかには、こうした変化を見越して「移転」を選んだ例も。東北沿岸に333kmもの無料区間がある「三陸自動車道」沿線では、2021年の全線開通後、既存の国道45号沿いにあった道の駅「やまだ」(岩手県山田町)が2023年に、道の駅「のだ」(同野田村)が2025年に、それぞれ三陸道のIC隣接地に移転しています。
三陸道は本線上にトイレもほとんどなく、こまめに設けられたICを通じ、近隣の道の駅などを利用する形態で整備されています。移転した2つの道の駅は、ICから離れていたことが課題となっていました。
なお道の駅の登録取り消しは、今回の道の駅まるせっぷで7例目です。これまで順調にその数を増やしてきた道の駅ですが、人口減少が進む社会情勢では、今後その“勝ち組/負け組”がはっきりしてくる可能性があるのかもしれません。
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