教室変わっただけでも動揺する自閉症の兄、クラス替え後も平気な普通級の妹…母が改めて感じた「環境選び」の大切さ
- オトナンサー |

新学期、クラス分けが真逆の状況だった普通級の娘と特別支援学校の息子(べっこうあめアマミさん作)
ライターのべっこうあめアマミさんは、重度知的障害を伴う自閉症のある息子と、きょうだい児の娘を育てながら、発達障害や障害児育児に関する発信を続けています。
息子は特別支援学校、娘は地域の小学校の普通級に通っているアマミさんは、4月の始業式の日、娘が持ち帰ったクラス替えの結果を見て驚きました。仲の良かった友達がほぼ別々のクラスに分かれ、人間関係が大きくリセットされていたからです。
一方、息子のクラスはメンバーも担任もほとんど変わらず。あまりに違ったきょうだいそれぞれの学校生活から見えてきたのは、変化を前提とする普通級と、変化を抑えることで安心感を支える特別支援学校という、対照的な環境でした。
どちらが良いかではなく、どちらがその子に合っているか。きょうだいで異なる環境に通うからこそ見えた気付きをもとに、学校選びを考えます。
クラス替えで実感した、普通級と特別支援学校の決定的な違い
4月、始業式の日に家に帰ると、娘がクラス替えの結果を教えてくれました。1年生のときに娘が仲良くしていたグループは全員別のクラスになり、まさに解散といった状況です。学校で配られたクラス分けの表を見ても、1年生のクラスの面影はほとんどなく、学年全体が一度リセットされたような印象を受けました。
ただ、意外にも娘自身はそこまで悲観的ではなく、「まあまあかな」とあっさりした反応でした。
娘はもともと社交的で、「友達100人作る」と本気で言っているような性格のため、1年生のクラスで仲が良かった子とクラスが離れても、別の友達がいるようです。
実際に、娘は親の私が把握しきれないくらい、さまざまなクラスに友達がいるようで、今回も1年生のときは違うクラスだった友達と同じクラスになったこともあり、新しい環境にもすぐになじんでいました。
その様子を見て安心する一方で、私は別の驚きを感じていました。普通級のクラス替えは、ここまで大きく人間関係が変わるものなのかということです。これまで息子の学校で当たり前のように行われていた配慮が「当たり前」ではなかったと、初めて気付かされた感覚でした。
特別支援学校は「変えない」ことを大切にしている
特別支援学校に通う息子のクラスは、普通級に通う娘とは対照的でした。息子は去年のクラスとほぼ同じメンバーで、担任の先生も同じだったのです。
息子は重度知的障害を伴う自閉症があり、内向的でおとなしい性格です。発語がなく、発声自体も少ないため、自分の気持ちを言葉で伝えることが難しく、コミュニケーションの面でも大きな課題があります。
そうした特性を踏まえ、息子の通う特別支援学校では、環境の変化が極力抑えられています。クラス替えがあってもメンバーはほとんど変わらず、1人か2人が入れ替わる程度、場合によってはまったく同じということもあります。
担任の先生も、これまで関わってきた先生がそのまま持ち上がるか、同じ学年の他クラスを担当していた先生が受け持つことが多く、子どもたちが安心して過ごせる環境が維持されています。
しかし、この「変えない」ことの大切さを強く実感したのが、新学期の息子の様子でした。今年度はクラスのメンバーも担任の先生も変わらなかったのですが、ただ一つ、教室の場所だけが変わったのです。
息子は、その教室の場所が変わったという変化だけで、情緒が不安定になりました。わずかな変化でも大きな影響を受ける息子にとって、環境が変わらないこと自体が支援の一つなのだと改めて感じました。
もしこれに加えて人間関係や先生まで変わっていたら、学校生活そのものが成り立たなくなっていた可能性もあります。
スモールステップで進む将来への準備
入学式だけなら大丈夫でも、毎日「制服」で通うとなると訓練は必要…ワイシャツを嫌がる息子(べっこうあめアマミさん作)
特別支援学校では、こうした特性に配慮しながら、将来に向けた準備も段階的に行われています。その一つが正装の練習です。
息子の学校では、小学4年生ごろから、ワイシャツやベストなどのきちんとした服装に慣れる取り組みが始まります。始業式や終業式など、「式」と名の付く行事の際に正装で参加することで、少しずつその感覚に慣れていきます。
息子も最初は嫌がってすぐに脱ごうとしていましたが、繰り返し経験する中で、徐々に受け入れられるようになりました。今では何とか長時間着ていられるようになっています。
特別支援学校での、正装をする機会。それは中学校での制服生活を見据えた、数年単位での準備です。障害のない子どもであれば自然に移行できることでも、息子のようなタイプの子にとっては、事前の積み重ねがなければ難しい場合があります。
また、特別支援学校は、行事に対する準備も非常に丁寧でした。遠足や校外学習、運動会などの前には、イラスト付きの行程表を使いながら、何をするのかを具体的に伝え、繰り返し確認していきます。見通しを持たせることで、不安を減らし、安心して参加できるようにしています。
一方で、娘の普通級の様子を見ると、ここまでの事前準備は行われていないようでした。行程表は文字中心で、運動会の練習期間も比較的短く、競技数も多いため、同じ小学生でも求められる力の違いを感じました。
連絡帳から見えた、双方の支援の違い
さらに大きな差を感じたのが連絡帳です。息子の連絡帳には、その日の出来事や学校での様子が、先生によって細かく書かれており、次の日の持ち物や注意点、放課後の予定まで丁寧に共有されます。親も家庭での様子を書き込むため、日々のやり取りは自然と密度の高いものになります。
一方、娘の連絡帳は、時間割と宿題、持ち物を子どもが自分で書き、先生は確認のスタンプを押すだけというシンプルなものでした。
日によってはスタンプもなく、友達同士で確認し合うこともあります。最初はこの違いの極端さに驚きましたが、これは子ども自身が情報を理解し、記録し、管理できることを前提とした仕組みであると気付きました。
ひらがなを書けること、先生の話を聞き取れること、必要な情報を整理できることなど、実は多くの力が普通級の子どもには求められています。娘は自分で学校での出来事を事細かに話してくれるため、情報が不足して困ることはありません。
しかし、息子のように言葉で伝えることが難しい場合には、こうした支援が欠かせません。
普通級と特別支援学校を比べて見えたこと
娘の普通級での生活を通して、これまで当たり前だと思っていた特別支援学校の環境が、実は一人一人の特性に合わせて丁寧に設計されたものだったのだと改めて実感しました。
保育園や幼稚園だと、先生と親がこまめにやりとりができるほか、子ども同士の複雑な人間関係もまだ少なく、先生も子どもたち一人一人に丁寧に説明してフォローしてくれている感じがありました。
しかし、学校は違います。普通級を、保育園や幼稚園の雰囲気の延長だと思って楽観視すると、痛い目を見るなと思いました。
特別支援学校や特別支援学級は、その子が安心して過ごし、支援を受けながら、自分の力を発揮するための環境です。
どちらがよい悪いではなく、どちらがその子に合っているかという視点が何より大切なのです。学校選びに悩む中で、こうした違いを知ることが、一つの判断材料になればと思います。
ライター、イラストレーター べっこうあめアマミ
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