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英エンジン+独主翼=最強戦闘機MiG-15爆誕! 世界が震撼した「ミグショック」の顛末

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  • 乗りものニュース
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最高のエンジンに最高の機体デザインを組み合わせたら最強戦闘機のできあがり、という、ウソのような本当のお話がありました。朝鮮戦争期、世界中を驚かせた「ミグショック」とその背景を解説します。

朝鮮戦争の空に走った「ミグショック」

 朝鮮戦争において姿を現したソ連製高性能ジェット戦闘機MiG-15は、アメリカをはじめ西側諸国に大きな衝撃を与えました。俗に「ミグショック」などとも呼ばれ、ソ連ミグ設計局の名を一躍、世界に轟かせます。2020年の今年は、そのミグショックから70年を数えます。

Large 200821 nene 01驚異的な高性能から「ミグショック」とも呼ばれたMiG-15。「ニーン」を国産化したVK-1を搭載。推力増強型VK-1F搭載MiG-17はさらに高性能化した(関 賢太郎撮影)。

 MiG-15は1950(昭和25)年時点において、恐るべき性能を持った戦闘機でした。その強さには、おもにふたつの要因が挙げられます。

 その第一は、ロールスロイス「ニーン(Nene)」ジェットエンジンです。「ニーン」は非常に強力かつ信頼性の高いエンジンであり、東西冷戦による英ソ対立が深まる少し前に、イギリスから合法的にソ連へ譲渡されていました。

 そして第二に、音速に近づくほど抵抗軽減効果をもたらす「後退翼」が挙げられます。後退翼は第2次世界大戦以前から公開されていた民間技術だったものの、ドイツのみがその重要性に気付き試験を行っており、ソ連は独ソ戦勝利によってこのデータを得ることができました。

 いわばMiG-15は「イギリス製エンジンを積みドイツの空力データで開発されたソ連製戦闘機」といっても過言ではない機体でした。「イギリスやドイツの技術を流用するしかできないソ連が高性能戦闘機を開発できるはずがない」――当時、西側諸国の航空関係者の多くはそう考えていました。

 ところが朝鮮戦争で実際にMiG-15の性能が明らかになると、イギリス、フランス、アメリカといった西側主要国の戦闘機は、辛うじてF-86「セイバー」が対等だった以外、すべてMiG-15に大きく劣るという驚愕の結果を知ることになります。

最強「ニーン」エンジンがあってなぜMiG-15に勝てないの?

 まず、「ニーン」エンジンの開発国イギリスは、この時点においてエンジン最先進国でした。ところが「ニーン」はあっても肝心の機体は暗澹たる有様でした。

Large 200821 nene 02スーパーマリン「アタッカー」。MiG-15と同エンジンだが原型は「スピットファイアMk.14主翼換装型(スパイトフル)」であり機体は大戦レベルだった(関 賢太郎撮影)。

 イギリス製「ニーン」搭載機はイギリス海軍に2機種あり、ホーカー「シーホーク」は原型がレシプロ戦闘機「テンペスト」(正確には「シーフューリー」)でした。そしてスーパーマリン「アタッカー」は原型がなんと1930年代初飛行の「スピットファイア」(正確には「スパイトフル」)であり、「シーホーク」も「アタッカー」も速度950km/hと、これはMiG-15より約100km/hも低速でした。さらに朝鮮戦争には間に合わなかったため、イギリス海軍はレシプロ戦闘機でMiG-15と戦っています。

 次にフランスですが、フランスは第2次世界大戦中、長らくドイツ占領下にあり、戦後改めて航空機開発に乗り出しました。結果ジェット化にも乗り遅れてしまい、ダッソー「ウーラガン」という「ニーン」搭載機を開発しました。輸出先のイスラエル空軍機がMiG-15と戦って一応勝利してはいますが、性能的にはイギリス機と同様MiG-15にはまったくおよびませんでした。

 最後にアメリカ海軍は、主力戦闘機グラマンF9F「パンサー」に「ニーン」が搭載されていました。1950年以前のアメリカ海軍機は失敗の山であり、F9Fは事実上、唯一の成功作でしたが、やはりMiG-15よりも約100km/h遅く、MiG-15との直接対決に勝利はしていますが、性能面で対抗困難な状況にありました。

MiG-15を倒せ! 続々開発された「後退翼機」

 当然、MiG-15の高性能っぷりに各国は黙っているわけにもいかず、MiG-15のもうひとつの強さの理由「後退翼」を急いで適用しました。

「シーホーク」は「ハンター」となり、「アタッカー」は「スウィフト」へ、「ウーラガン」は「ミステールIV」へ、F9F「パンサー」はF9F-6「クーガー」へ発展し、これらの後退翼型はMiG-15やMiG-15の性能向上型MiG-17と同等の性能を得て大成功をおさめます。もっとも「スウィフト」だけは欠陥機とみなされましたが。

Large 200821 nene 03グラマンF9F-8「クーガー」。米海軍アクロチーム「ブルーエンジェルス」も使用。F9Fを原型に後退翼化しMiGに匹敵する性能に。大きな主翼が特徴(画像:アメリカ海軍)。

 ロールスロイス「ニーン」の最初の試運転は第2次世界大戦中の1944(昭和19)年であるにも関わらず、2020年現在も航空用エンジンとして現役で使われているほどの傑作エンジンです。だからこそ1950年前後の当時は、世界中の戦闘機が競って搭載することになりましたが、よりにもよって「ニーン」を一番うまく使いこなしたのは敵国ソ連のMiG-15であり、西側の切り札が最強のラスボスを生み出してしまった事実は、実に興味深い点であるといえるでしょう。

 ソ連においてMiG-15と同時期に開発され採用を争ったYak-23やLa-15などの競合戦闘機は、「ニーン」と同世代のロールスロイス「ダーウェント」を搭載していました。もしイギリスがエンジンをソ連に譲らなかったとしたら、MiG-15ショックはなかったか、少なくとも年単位で遅くなったに違いありません。

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