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「高齢になると暑さを感じにくくなる」のは本当? 熱中症から高齢者を守るには?

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高齢者は暑さを感じにくい?
高齢者は暑さを感じにくい?

 8月17日、浜松市で国内の歴代最高気温に並ぶ41.1度が観測されるなど、命に関わる危険な暑さが続く中、熱中症による死者や搬送者が相次いでいます。同16日に熱中症で搬送された東京都内の男女252人のうち約6割が70歳以上だったという報道もあり、高齢者の熱中症への警戒やエアコンの積極的な使用が呼び掛けられています。

 ネット上では「高齢者は暑さを我慢しがちなのでは?」という声がある一方で、「うちの親もエアコンを使いたがらないし、使うときも設定温度が高いから困っている」「親が年を取るにつれ、暑さに鈍感になっている気がして怖い」など、高齢者の「暑さの感覚」について疑問を持つ人も多いようです。

「高齢になると暑さを感じづらくなる」のは本当でしょうか。医療ジャーナリストの森まどかさんに聞きました。

体の「温度センサー」の働きが低下

Q.夏場、高齢の親の行動を見て「暑さを我慢しているというより、暑さに鈍感になっている気がする」と感じる人が多いようです。高齢になると暑さを感じにくくなるというのは本当でしょうか。

森さん「本当です。人の体温調節のシステムは、皮膚の温度受容器(温度センサー)で環境温度を感知し、その情報が脳の視床下部にある体温調節中枢に送られ、そこから、体温を一定に保つための指令が出されるという仕組みです。この温度受容器の働きは、老化とともに低下していきます。そのため、一般的に高齢者は、気温が高くても暑さを感じにくい傾向があるのです」

Q.暑さを感じにくくなると、日常生活上でどのようなリスクがあると考えられますか。

森さん「『暑い』と感じたとき、通常は体温調節のシステムが働き、毛細血管を拡張させて血流を増やすことで体内の熱を放出します。さらに汗をかくことによって、汗が蒸発するときに熱が奪われ、体温が下がります。また、『暑い』と感じることで、エアコンの使用や設定温度の調節、着ている服を調節するといった行動を取ります。しかし、暑さ自体を感じなくなれば、自分では気付かないうちに脱水や熱中症が起きるリスクがあります。これが、熱中症になる高齢者が多い一因です。

熱中症以外にも、温度感受性が鈍ることで低温やけどのリスクもあります。トイレの暖房便座や温風乾燥でも低温やけどの報告があります」

Q.暑さを感じにくいこと以外にも、高齢者の熱中症リスクが高い要因があるのでしょうか。

森さん「高齢者は『熱中症弱者』ともいわれ、老化に伴うさまざまな体の機能の低下によって、熱中症のリスクが高くなると考えられています。高齢になると、体内の水分の割合が少なくなる上に、『喉が渇いた』と感じにくくなるため、脱水が起こりやすくなります。これが要因の一つで、脱水により体内の水分と塩分のバランスが崩れることで体温調節が効かなくなると、熱中症につながります。

また、老化によって発汗機能が低下し、熱を放出しにくくなるため、体内に熱がこもって体温を上昇させるという要因もあります。暑さを感じにくいことも含め、こうした高齢者の特性は熱中症のリスクを高くします。厚生労働省『人口動態統計』によれば、2018年の熱中症死亡者数の81.5%が65歳以上であり、高齢者にとって熱中症は命に関わる危険なものです」

Q.高齢者自身が「最近暑さを感じにくい」と自覚するための方法や目安となる体の状態はありますか。

森さん「『特に65歳を超えた頃から、温度感覚の低下が顕著になる』という研究報告があるので、まずは年齢を目安に、日常生活の中で気を付けるとよいと思います。また、一連の体温調節システムの老化によって、汗の量が減る傾向にあります。これは下肢(股関節から下)から始まり、胴体の後面、胴体の前面、上肢(腕と手)、頭部の順で進むと考えられているので、『脚からの汗が少なくなった』と感じたら、温度感受性が鈍くなり始めていると自覚するとよいのではないでしょうか」

高齢者を熱中症から守るには?

Q.「(身近な高齢者が)暑さを感じにくくなっているかもしれない」と周囲が気付くためにチェックすべきポイントとは。

森さん「環境省『熱中症環境保健マニュアル』によると、7月から9月の夏場には、高齢者が過ごす居室の温度が若年者より2度ほど高い31~32度に達しているという報告があります。エアコンを使用していない、あるいは使用していても居室内の温度が28度より高いようであれば、暑さを感じにくくなっている可能性があり、周囲の人が気に掛ける必要があります。また、着ているものや汗の量などからも、本人が暑さを感じているかどうかが分かります」

Q.熱中症と思われる症状を高齢者が発症した場合、周囲が取るべき行動とは。

森さん「意識がはっきりしていて自分で水分を摂取できる場合は、エアコンが効いている室内などの涼しい場所に移動させ、衣服を緩めて風通しをよくします。スポーツドリンクや経口補水液、なければ水と塩などで水分と塩分を補給してください。氷があれば、首筋や脇の下、足の付け根を冷やすことも症状改善につながります。できる処置をし、安静にして様子を見ましょう。回復しない場合は医療機関の受診が必要です。

意識がもうろうとしている場合や、意識がはっきりしていても自分で水分補給ができない場合は、直ちに医療機関へ搬送するか、救急車を要請してください」

Q.高齢者を熱中症から守るために、身近な人が注意すべきことは何でしょうか。

森さん「熱中症のサインに早めに気付き、見逃さないことです。いつもより体温が高い▽元気がない▽食欲がない▽足元がふらついている▽トイレに行っていないなどの体調の変化に気付いたら、まずは水分を取ることをすすめてみてください。

認知症の人は、自分で熱中症に気を付けることや体調の変化を伝えることが難しい場合があるので、身近な人のサポートが重要です。また、心臓疾患や糖尿病、精神神経疾患、皮膚疾患などの持病や飲んでいる薬の種類によっては、体温調節がうまくできないことがあるため、本人が把握していなければ、かかりつけ医への確認も必要です。

本人とコミュニケーションを取りながら、普段過ごす部屋の温度や湿度、風通し、日当たりなど、快適と感じられて健康を損なわない環境設定をサポートすることが大切です」

Q.高齢者自身が、熱中症から自分の身を守るために注意すべきこととは。

森さん「喉が渇いたと感じる前に水分補給をすることが大切です。食事からも水分と塩分を取っているので、朝食など食事を抜かないようにしましょう。自分の感覚だけに頼らず、部屋の温度と湿度を測った上でエアコンを使用することも重要です。

また、無理をしない範囲でウオーキングやジョギングなどの持久的運動で日常的に汗をかくことや、屋外の暑さに日頃から慣れておくことで、熱中症になりにくくなることも分かっています。1日1度の屋外での運動を習慣化することで、老化による体温調節機能の低下を防ぐことにつなげたいですね。もっとも、『危険な暑さ』の日には、屋外での運動は控えましょう」

オトナンサー編集部

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