どうせ読むならポイント貯めない?

学校生活で起きた盗撮問題。“悪意のない偏見”が与える傷【僕達はまだその星の校則を知らない#3】

2,182 YOU
  • マイナビウーマン
  • |

※本コラムは『僕達はまだその星の校則を知らない』第3話までのネタバレを含みます。

■誰かに貼ったラベル、本当に正しい?

ああ、やっぱりこのドラマは“間違いない”。『僕たちはまだその星の校則を知らない』(以下『ぼくほし』)第3話を見て、わたしはそう確信しました。今回、健治(磯村勇斗)が向き合うことになったのは、“盗撮”について。2年生の美月(近藤華)が、同じクラスの内田(越山敬達)に盗撮された可能性があると被害を訴えてきたのです。

内田は、写真を撮ったあと部活仲間に「興奮して思わず撮っちゃった!」と言っていたし、以前から美月のことをコソコソ見ていた。これは、性的な画像を撮られたと思っても無理はありません。というか、わたしも内田のことを「最低すぎる……」と思っていました。

しかし、『ぼくほし』の素晴らしい点は、わたしたちのなかにある固定観念を覆してくるところ。そもそも、内田はクラスの女子に1ミリも興味がなかったんです。美月の背中を撮影したのも、エロ目的ではなく、関東ではめったに見られないハイイロテントウが乗っかっていたから。

「男子だからって……」と悔しそうに手を握っていた内田の姿を見て、ハッとさせられました。わたしだけでなく、濱ソラリス高校の教師たちも、さらには美月の友人たちも、みんなこぞって内田のことを「ものすごい気色悪い夏服フェチのエロ盗撮野郎」だと決めつけていた。でも、真実はまったく違っていたんですよね。

ただ、ここで間違えてはならないのは、“盗撮”という行為はどんな理由があったにしろ、してはならないことです。健治が言っていたように、“性的姿態等撮影罪”は、3年以下の拘禁、または300万円以下の罰金になる可能性がある。内田のような高校生も、おととし7月から1年あまりで316人検挙されていると言います。

だから、そもそも勘違いをされるような行動をしてしまった内田にも非がある。ただ、彼の気持ちも聞かずに、勝手に「男子だからエロ目的に違いない!」と決めつけてしまったわたしたちにも、大きな非があるなと思いました。

“なぜ美月の背中を撮影したのか?”をまず最初に聞いておけば、ここまでの大問題にはならなかったかもしれない。これは、後出しジャンケンみたいなものかもしれませんが、人を疑う時こそ、いったん深呼吸をして立ち止まるべきなんだなと思いました。

わたしたちは、“見えた一面”でしか相手を判断することができません。今回の事象で例えるなら、内田が美月の背中を盗撮して逃げた上に、生物科学部の部員たちに「興奮して思わず撮っちゃった!」と話していたこと。その行動だけで判断するなら、気持ちの悪い盗撮魔にしか映らなかったでしょう。

さらに、内田が美月のことを日常的によく見ていたのも、その疑いを加速させていました。しかし、それは恋愛対象として興味があったわけではなく、彼女の肩にたびたびいろいろなものが乗っかっていたから。「霊長類ヒト科 肩乗せ族的能力を持っているのかな〜」と純粋な興味を抱いていたらしいんです。

『ぼくほし』は、こういった“一面的な判断の怖さ”を描いている作品です。例えば、「制服の選択肢が増えて嬉しい」「ズボンの方があったかいし」と単純な理由でスラックスを履いて登校した女子生徒が、副校長の三宅(坂井真紀)から「あなた、そっちだったの」と性的マイノリティを決めつけるような言葉を投げかけられたエピソードもありました。おそらく、三宅も悪気があったわけではなく、むしろ理解を示そうとした結果、ああいう言葉が出てしまったのだと思います。

多様性を認める社会になるのは、素晴らしいこと。でも、それは“好き勝手にラベルを貼っていい”という免罪符ではないんですよね。人は、無意識のうちに、安心したいから、理解した気になりたいからなどの身勝手な理由で、他者にタグをつけようとしてしまう。それが、どれほど相手を追い詰める好意なのか。わたしたちは、思っている以上に無自覚なんだと思います。

このドラマは、「こうに違いない!」と決めつけることの恐ろしさを、オブラートに包み込んで描いている作品です。だから、衝撃的な展開があるわけではないし、「一瞬で価値観が変わった!」なんてことにはならない。けれど、まるで胸の奥に小さな種を植えられたみたいに、あとから芽を出してじわじわと効いてくるんです。

あの時、わたしも誰かに身勝手なラベルを貼っていたかもしれない。自分が理解したつもりになっていることって、きっと日常にたくさんあるな……。そんなふうに、静かに自分を振り返らせる力が、『ぼくほし』にはあるんですよね。それは、このドラマが“説教”ではなく、わたしたちに“問いかけ”をしてくれているから。人を理解するってどういうことだろう? 決めつけずに相手を見るにはどうすればいいんだろう? そんなふうに、自分に問いを投げかけてみる時間が、わたしはとても好きです。

■校則が、前に進むための“道しるべ”になることもある

また、第3話は天文部の“復活フラグ”が立った回でもありました。廃部になった天文部の元部員・高瀬(のせりん)が、後輩の江見(月島琉衣)のためにも「天文部を復活させたい!」と健治に願い出たのです。

ここで、健治が送ったアドバイスは「校則を読んだことはありますか? 僕は、何かをどうにかしたいと思う時には、法を読みます。そうすると、世の中の仕組みが分かって、前に進む手段が見つかることがある」「学校内の法にあたるのが、法律。もしかしたら、そのなかに高瀬さんの“幸いが潜んでいるかもしれません」というものでした。

学生時代、校則というのは自分を縛りつけてくるものだと思っていました。しかし、健治のこの言葉を聞き、校則は必ずしも縛るためだけに存在しているわけではないんだと気付かされました。使い方次第では、何かを取り戻したり、前に進むための“道しるべ”になったりする。高校を卒業して、10年越しにこんなことに気付かされるなんて、思ってもみませんでした。第3話を通して、わたしのなかにも、また新しい“星の校則”が書き加えられた気がします。

ここから、天文部のストーリーがどう動いていくのか。そして、健治の言葉がどんな気付きを与えてくれるのか――次回が待ち遠しくてたまりません。

(菜本かな)

実は損している?

ニュースを読んでポイントが貯まるサービスがあるのを知っていますか?ポイントサイトのECナビでは好きなニュースを読んでポイントを貯めることができるのです。(※ECナビはPeXの姉妹サイトです。)今日読んだニュースが実はお小遣いになるとしたら、ちょっと嬉しいですよね。

ポイントの貯め方はニュースを読む以外にも、アンケート回答や日々のネットショッピングなど多数あるので、好きな貯め方でOK!無料で登録できてすぐに利用できます。貯まったポイントはPeXを通じて現金やAmazonギフトカードなどに交換できます。

運営実績も15年以上!700万人以上の方がポイントを貯めています。毎日好きなニュースを読んでお小遣いを貯めてみませんか?

YOUの気持ち聞かせてよ!

いいね いいね
ムカムカ ムカムカ
悲しい 悲しい
ふ〜ん ふ〜ん
NEWS一覧へ
PeXポイントで賞品を当てよう!

ポイント ポイント獲得の流れ

ポイント獲得の流れ

ポイント ルール・注意事項

ポイント獲得!!