「かき揚げ優待」「1万株買えば乗り放題」東京メトロ上場1年 株価がパッとしないワケは
- 乗りものニュース |

東京メトロが東証プライムに株式上場してから1年が経過しました。当初は大型銘柄として期待を集めてスタートしましたが、その後、株価はどのように推移したでしょうか。
1年前の初値は1630円、現在は?
2024年10月23日に東京地下鉄(東京メトロ)が東証プライムに株式上場してから1年が経過しました。
東京メトロ有楽町線は、分岐線である豊洲~住吉間の建設が続く(乗りものニュース編集部撮影)
同社は2004年の営団地下鉄民営化で「株式会社」になりましたが、国と東京都が株主の「特殊会社」であり、両者が全株式を売却しなければ「完全民営化」になりません。
東京メトロの発行済み株式総数は5億8100万株で、うち国が53.4%、東京都が46.6%を保有しており、今回は双方が半分ずつ売却。残る株式の売却は建設中の有楽町線(豊洲~住吉)、南北線(白金高輪~品川)の延伸後に判断するとされましたが、完全民営化に向けた大きな一歩となりました。
では、上場後1年間で株価はどのように推移したのでしょうか。株式の公開価格は1200円でしたが、初値はそれを大きく上回る1630円となり、大型上場の銘柄としては期待値の高いスタートでした。
証券業界関係者に話を聞くと、大手私鉄最後の話題性に加えて1株あたり40円の配当、株主優待乗車証や駅そば「そば処めとろ庵」の「かき揚げトッピング無料券」などユニークな優待が注目されて期待を集めたとのこと。SNSでは「1万株買えば一生地下鉄乗り放題」「かき揚げという優待が可愛い」などと話題になりました。
株価は上場後、日経平均を上回る勢いで上昇し、時価総額が近い東急より強い動きを見せました。安定・割安のバリュー株人気を追い風に、2025年4月に上場来高値の2100円を超えます。
しかし「株主優待が投資価値を本質的に高めるかどうかについては専門家の意見が分かれ、話題先行の面もあるとの冷静な見方もありました」(前述の関係者)というように、株価は4月から一転して下落基調になり、上場1周年の2025年10月23日は1612円で取引を終えています。
これとは裏腹に日経平均株価は4月7日の3万1136円から急速に上昇し、6月27日に4万円、9月18日に4万5000円を超え、5万円に迫る勢いです。しかし株価上昇は円安を背景にした輸出企業への期待が中心で、円安による原材料費やエネルギーコスト上昇の影響を受ける内需ディフェンシブ株は軟調です。実際、東京メトロの同業他社の株価推移を見ても、同様の値動きをしています。
東京メトロの「新たな成長ストーリー」は?
4月をピークに株価が下落したのは「決算への失望」があったと関係者は語ります。
2024年度の営業収益は前年比4.8%増の4078億円、純利益は16.2%増の537億円の増収増益でした。コロナ前の2018年度の営業利益985億円、純利益607億円に近い水準まで戻ってきています。
しかし2025年度の業績予想は、営業収益が3.1%増の4206億円、純利益が8.3%増の582億円と控えめだったため、投資家が失望売りに出たことで話題先行の期待値が剥落し、東急など他の鉄道株と同様の値動きになったようです。
株価は、足元の業績以上に今後の将来展望が左右します。東京圏一極集中が加速する中、旅客需要は底堅く、当面は収益とも一定以上の水準をキープできそうですが、それだけでは企業は成長できません。関係者は「不動産開発を含め新たな成長ストーリーを描けるか。またそれをIRとして発信していけるかが今後の課題」と指摘します。
そこで登場するのが、決算とあわせて発表された2027年度までの新「中期経営計画」です。成長の核となる不動産事業では、「鉄道事業とのシナジーを意識した不動産開発を強化する」として、新宿・渋谷・表参道・上野の共同事業、亀有・浦安・綾瀬・銀座一丁目などの単独事業に3か年合計970億円を投じる計画です。
東京メトロは「これまで獲得したノウハウを活かし、駅直結物件に加え、資本コストを考慮しつつ駅徒歩圏まで不動産取得エリアを拡大することで、まちづくりの範囲を広げていく」方針を掲げていますが、まさにこれが問われています。
小林一三や五島慶太が確立した私鉄ビジネスモデルは、鉄道と不動産の2軸経営です。鉄道敷設により所有する土地の価値を上げ、住宅の分譲やターミナルデパートなどの開発で利益を上げます。しかし地下鉄は道路下を借りて線路を敷設するため、地上の保有地はわずかです。
まとまった用地は民営化以降の20年であらかた開発しつくしており、今後は新たに用地を取得する必要がありますが、それは他の開発事業者と同じ舞台で戦うことを意味します。「これまで獲得したノウハウ」が通用するかは未知数です。
東京メトロに在籍していた筆者(枝久保達也:鉄道ライター・都市交通史研究家)としては、10年間の中期経営計画から骨格が変わらず、目新しさに乏しいという感想を抱きます。当面は資金、人員のリソースは有楽町線、南北線の延伸工事に投下するとなると、本格的な関連事業展開、つまり株価が動くのにはまだ時間がかかるのかもしれません。
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