【婚活】「男性は怖いもの」「“いい子”を演じてしまう」 婚活女性たちの心に潜む《親ガチャ》の生々しい影
- オトナンサー |

婚活が思うように進まない背景に、本人の努力だけでは解決できない“家庭環境の影”が潜んでいることがあります。親の育て方に問題があった、いわゆる「親ガチャ」と呼ばれるものです。
結婚相談所を運営する筆者が、3人の女性の事例を通して、その実態をご紹介。「親ガチャ」からどう抜け出したら婚活がうまくいくのかを解説します。
父への恐怖がPTSDに
みえさん(41歳、仮名)の父親は、気に入らないことがあるとすぐに激怒し、母に暴言を浴びせ、部屋をめちゃくちゃにする人でした。怒りが頂点に達すると暴力を振るうこともあり、父親が怒り出したときは、恐怖の時間でした。
ただ、怒らないときは優しく、教育熱心。上場企業の社員だったので、家庭内のお金の不自由はありませんでした。そこで母親とみえさんは、「父を怒らせないように」と顔色を見ながら生活するのが、自然と身に付いていきました。
ただ、こうした家庭環境が、みえさんに「男性は怖いもの」という固定観念を植え付けました。恋愛をしないままに年を重ねたのです。就職を機に家を出たかったのですが、母を父の元に置き去りにするのがかわいそうで、ずっと実家暮らしを続けていました。
ところが2年前、母が亡くなり、家庭には父だけが残りました。家を出たかったのですが、これまで3人で暮らしてきたのに、母を失った途端に家を飛び出すことなどできない、そんなことをすれば父が激怒するに違いない……そう思うと身動きが取れませんでした。
しかし、“結婚”という形ならば自然に家を出られるのではないか――。そう考えた彼女は、婚活を始める決意をしたのです。
ところが、お見合いをして交際に入っても、1、2度会うと、みえさんから「交際終了」を出します。また、お相手から断られることもありました。
彼女は、私に言いました。
「男性が、強い言葉を発したり、横柄な態度を取ったりすると、そこに父の面影を感じてしまって、前に進めなくなるんです」
殴られたときの恐怖がよみがえって、心臓がバクバクしてしまうのだとか。結果、交際終了を出す。もしくは、彼女の普通ではない様子を男性側が不審に思い、交際終了を出してくる。そんなことの繰り返しでした。
交際が続かないのは、心に染みついた過去の恐怖の記憶のせい。親の影響は、無意識に異性への見方をゆがめます。「結婚=安らぎ」ではなく「結婚=恐怖」と、みえさんには刷り込まれていたのです。
親から完璧を求められ
たつえさん(31歳、仮名)は幼少期から優秀で、母親は教育熱心でした。母の期待は過剰で、テストで95点を取っても「なぜ100点じゃないの」と叱られるなど、努力しても認められず、常に「もっと上を」と求められて育ちました。
そんな母の期待に応えられる能力の持ち主だったたつえさんは、医学部を経て医師に。けれども、恋愛や人との関わりを学ぶ時間はなく、病院という閉ざされた環境で出会いも少ないまま30代になりました。
「そろそろ結婚も真剣に考えたい。医師として患者さんと関わるにも、結婚を経験しておいた方がいい」と思うようになりました。
そこで、私の相談所にやってきて、お見合いをスタートさせたのです。しかし、「男性との付き合い方が分からない」上に、完璧主義者という性格から、男性にお会いしてもその人の欠点ばかりが目についていました。
「今日の方は、清潔感がありませんでした」
「私のプロフィールを読んでいらっしゃらなかったようで、プロフィールに書かれていることばかり質問されていました」
お付き合いに入ったとしても……。
「ネガティブな発言が多くて、正直、会話をしていて疲れます」
「お店の人に対する態度が横柄で、結婚したらきっと私を見下すような発言をするのではないかと思います」
努力すれば成果が出る勉強とは違い、婚活は努力をしても思った通りの成果は出ません。論理では割り切れない、完璧を求める性格がかえってあだになっていました。人を大きな気持ちで受け入れようとしない、その人のいいところを見ようとしないので、なかなか関係が深まりませんでした。
いい子に見られたくて我慢してしまう
ひろこさん(38歳、仮名)の家庭は、両親が共働きで、幼い頃から“いい子”であることを求められてきました。
弟の面倒を見たり、家事を手伝ったりすると親に褒められます。ところが、わがままを言うと「お姉ちゃんらしくしなさい」と叱られる。親に褒めてもらいたくて、自己主張よりも人を優先させ、自分は我慢する性格になったのです。その刷り込みは大人になってからも続きました。
例えば、過去の恋愛でも、相手の希望を優先しすぎるあまり、自分の意見や気持ちは後回しになっていました。デートの食事や見たい映画など、相手に合わせることで、付き合いを円滑にしようとしました。しかし、心のどこかで「本当はこうしたい」という思いを抑え続けているので、いつしか関係に疲れてしまい、自分から恋愛を終えてしまうことが多かったと言います。
また、何でも言うことを聞くひろこさんは甘く見られ、恋人に浮気をされたこともあり、それで終えた恋愛もあったようです。
そうして38歳になり、年齢的にも、「最後のチャンスに、子どもを授かって家庭を築きたい」と思って、婚活をスタートさせたのです。
ところが実際にお見合いを始めてみると、言いたいことが言えず、つい我慢してしまう性格が災いし、交際をなかなか前に進めることができませんでした。
「今、交際中の◯◯さんは『映画を見に行きましょう』と言っても、見る作品を決めるのは私。『食事に行きましょう』となっても、どこのお店にするかは全て私に丸投げです」
「今回の方は、『結婚したら、仕事よりも家族を優先させてほしい』とか『子どもはなるべく早く欲しい』とか、自分の結婚観を押し付けてきます」
そうした男性たちの前でも、その場をうまくやり過ごしたくて、“いい子”を演じてしまいます。自分の希望や将来像を伝えることができないので、ストレスがたまり、途中で交際終了を出すことが繰り返されていました。
「親ガチャ」の影響を超えるためには
この3人の女性に共通するのは、親から受けた影響が、大人になった今も婚活に影を落としているところです。
・父の暴力を恐れる心
・過剰な期待からくる完璧主義
・自己犠牲を強いられた幼少期の役割
これらは本人の努力不足ではなく、家庭環境から形づくられた心のクセなのでしょう。けれども大切なのは、“過去に縛られ続ける必要はない”ということです。
婚活は「親から与えられた価値観を超えて、自分で新しい家庭を築く」機会でもあります。恐怖も、完璧主義も、自己犠牲も、意識できれば少しずつ手放せるのではないでしょうか?
“親ガチャ”で悩んでいる婚活者は、自分の家庭環境を文字で書き出し、整理して、心のクセをまず知ってみてください。そして「自分がどんな家庭を築きたいと思っているのか」を丁寧に考え、それもまた文字にしてみてください。
過去は変えられませんが、未来の家庭は自分の選択で築くものです。実際、同じような背景を持ちながらも、自分の不安を整理し、安心できるパートナーに出会って幸せになった人たちも多くいます。
重要なのは、「親の影に支配されて生きるのではなく、自分の人生を自分の力で選び取ること」です。婚活は過去を克服する場でもあります。親からの影を引きずっていたら、時間はずっと止まったままです。
自分の人生は自分の手で変える! そんな勇気を持って、前に進んでいただきたいと思います。
仲人・ライター 鎌田れい
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