人間と猫が一緒に食べられる「猫節」 実は“猫の手”を借りて開発
- オトナンサー |

猫と暮らす人の中には、「猫も人間もおいしく食べられる物があればいいな」「旅先で猫のお土産を買って帰りたいな」なんて思ったことがある人も多いのではないでしょうか。かつお節やふりかけ商品を展開する、まるじょう(広島県尾道市)は飼い主のそんな思いをかなえてくれる商品「猫節」を発売しています。そこで、同社代表取締役の村上浩太郎さんに「猫節」と、尾道市で暮らす猫の実情などについて聞きました。
「猫節」は“猫の手”を借りて開発
同社は、1884(明治17)年に海産物問屋「村上政次商店」として尾道で創業。140年の歴史があります。ふりかけやだし、花かつおなどさまざまな商品を展開していますが、度々、話題となっているのが、2020年2月22日(猫の日)に誕生した猫と人間が一緒に食べられるかつお節「猫節」です。
「猫節」の開発について、村上さんは「尾道市は『猫の街』として有名です。猫といえば『かつお節』。尾道市でかつお節を製造しているのは弊社だけです。知り合いから『猫とかつお節をテーマにした商品をつくってみてはどうか?』と提案されたのがきっかけです」と振り返ります。
開発では、2人のデザイナーと実際に猫にも協力を仰いだといい、「削り節といってもいろいろあります。魚もカツオやアジなどさまざまですし、かつお節にも荒節や本枯節があります。猫の前に削ったものを何種類か置いたところ、猫が好んだのが一番高級な本枯節でした。人間は値段も気にするものですが、猫は気にしませんね(笑)」とユーモアたっぷりに裏話を明かしてくれました。
「猫節」は小分けパックになっているのですが、実はその背景には、広島県で保護猫の活動を行っている人からのアドバイスもあったといいます。村上さんは「猫がかつお節を大量に摂取すると健康を損なうということでした。少量ならば、問題ないとのことでしたので小分けパックにしました」と理由を説明しつつ、「ペットフードというよりも飼い主と猫がおいしいかつお節を食べて、幸せを共有してほしいです」と込めている思いも語ってくれました。
「猫節」は“偶然”が重なり、広まった
筆者が「猫節」に出会ったのは道後温泉街(愛媛県松山市)の土産店でした。猫へのお土産を旅先で購入したいと常に思っているものの、猫用のお土産を見かけたことはありませんでした。
「猫節」が土産店に置かれるようになった経緯も気になり聞いたところ、「『猫節』の発売はコロナ禍だったので営業活動が思うようにできませんでした。そうした中、動物写真家の岩合光昭さんの写真展が尾道市立美術館(広島県尾道)で開催されました。美術館の担当者から『この企画展にあわせて館内のショップで「猫節」を扱いたい』とお話をいただきました。その後、一部サービスエリアなどの土産コーナーにも広まるようになりました」と経緯を話します。
また、猫節には尾道で暮らす猫の姿を収めた「尾道のねこカード」がランダムで1枚入っています。
村上さんに、同カードについても聞いてみたところ「『尾道のねこカード』につながるのが、猫節の担当者がX(旧ツイッター)で開催した猫の写真コンテストです。すてきな写真がたくさん集まったのですが、その中に、尾道市の風景と尾道市の猫のよい写真を撮ったアマチュアの方がいました。担当者が『商品で使わせていただきたい』とその方に頼んだところ快く許可していただけました」と明かします。ちなみに、「尾道のねこカード」の写真は30種類あり、カメラマンが撮影した写真だけではなく、「猫節」のパッケージのデザインを手掛けたデザイナーが尾道で撮影した写真もあるとのことです。
村上さんは「岩合さんの市内での写真展の開催、よい写真を撮るカメラマンとの出会いなど、偶然が重なり『猫節』のことを知っていただく機会が増えました」と、感慨深げに語っていました。
「猫の街」尾道市ならではの問題とは…
「猫節」の売り上げの一部は保護猫活動の寄付金に充てられています。村上さんは、寄付のきっかけについて、「『猫節』を開発するにあたり、保護猫活動を行っている方にアドバイスをいただいたこともあり、活動に協力したいと思いました」と明かします。
「猫節」をきっかけに、避妊手術を受けた印「桜耳」など、地域猫について多くのことを知ったといい、「尾道市には地域猫を大切にしている人が多く、個人で保護猫活動をしている人も多いです。自費で避妊手術をさせている方を本当に尊敬します」と真剣なまなざしも見せます。筆者が「保護猫活動では数十万円単位でお金がかかることもありますよね」と投げかけると、村上さんは深く頷きながら、その大変さを改めてかみしめるかのような表情も見せていました。
「猫の街」としても知られる尾道市では、人間に慣れてしまっている猫が多いこともあり、トラブルが起きています。村上さんは「猫におやつをあげて、袋ごと食べてしまったケースがありました。おなかの中から袋を取り出すために手術した猫もいました」と深刻な実情を語ります。
筆者も猫におやつをあげる機会が多いので、このような状況はよくわかります。猫のかむ力、飲み込む力は本当に強く、人間が袋をしっかり持っていても、一瞬で先端をかみちぎって飲み込んでしまったり、力負けして手を離してしまい、袋ごと奪い取られることも珍しくありません。
村上さんは「猫節」の商品開発でお世話になった保護猫活動をしている方々を通じて、今後も売上の一部を寄付していくそうです。
筆者は今回の取材を通して、村上さんのおだやかな人柄を感じたと同時に、“猫はグルメ”だと改めて思いました。
西田梨紗
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