マスクしてるから…室内だから…は安心じゃない　実は冬の紫外線ダメージ、乾燥時期が“危険”　皮膚科医が解説

　「冬は紫外線が少ないから安心」と思って、紫外線対策の手を抜いていたりしていませんか？　実は夏だけでなく、冬も紫外線は肌に影響を与えています。そこで、冬の紫外線対策の重要性と対策について、皮膚科専門医の慶田朋子さんに聞きました。

乾燥時期はバリア機能が低下

Q. 冬でも紫外線対策は必要なのでしょうか。

慶田さん「冬の紫外線量は、夏と比べれば少なくなりますが、決して無視できる量ではありません。少ない紫外線量であっても長時間浴びれば、夏の紫外線ダメージと同じだけの影響を受ける可能性もあります。季節を問わず、紫外線対策は一年中必要です。

冬でも紫外線ダメージを大きく受けるシーンもあります。例えば、雪が降った後やスキー場などです。晴天の新雪面では、紫外線の反射率は80％といわれ、通常のほぼ2倍量の紫外線を浴びることになります。ウィンタースポーツを楽しむ雪山だけでなく、街中や雪景色を楽しむときは紫外線対策を念入りにしましょう。

紫外線には、3種類あり、地表に届くのは『UV-A』と『UV-B』です。UV-Aは波長が長く真皮まで到達し、慢性的に浴びることでシミやシワ、たるみを引き起こす原因になります。
UV-Bは、主に表皮にダメージを与え、肌を赤く炎症させたり、メラニンを増やして日焼けによるシミ、そばかすの原因になったり、くり返すと皮膚がんを引き起こします。

UV-A・Bともに一年中降り注いでいますが、とくにUV-Aは年間を通して量はほぼ変わらないため注意が必要です。

冬だからと紫外線対策の手を抜くと、うっかり日焼けをしてしまうかもしれません。また、2月ごろから、紫外線量も増え始めます。とくに、肌の老化にかかわるUV-Aは、雲や窓ガラスなども通り抜けるので、曇りの日でも、日の差し込む室内でも紫外線対策を行いましょう」

Q. 冬特有の紫外線ダメージにはどんなものがありますか？

慶田さん「空気が乾燥する冬は、肌の水分が奪われてバリア機能が低下しがち。肌のバリア機能が低くなると、紫外線のダメージを受けやすくなり、そのダメージでさらにバリア機能が落ち込んで肌の潤いを保てなくなります。そこに花粉や黄砂の影響を受けると、春先特有の肌荒れや湿疹にもつながるので、注意が必要です。

また、感染症が流行する冬はマスクをする機会も増えますが、『マスクをしているから日焼け止めはいいか』と油断してしまうと、マスクのすき間から日焼けしたり、マスクを外したときに肌が紫外線に対して無防備になります。もしマスクによる摩擦で肌荒れや乾燥を起こしている場合、紫外線が当たるとよりダメージを受けてしまうので注意してください」

Q. 冬の紫外線対策についてアドバイスをお願いします。

慶田さん「日焼け止めは毎日必須ですが、冬はとくに乾燥するので、日焼け止めを塗る前にしっかり保湿することも重要です。朝のスキンケアの最後には、外出の有無にかかわらず、必ず日焼け止めを塗るのを習慣にしましょう。

日焼け止めは、基本的に全エリア2度塗りするのをおすすめしています。顔に塗る場合、1回につき乳液タイプなら500円玉2枚分、クリームタイプならパール粒2つ分を、2回繰り返して塗るのが理想です。

長袖を着る冬は、ボディーの日焼け止めをおろそかにしがちです。生地が厚く色の濃い衣類であれば問題ありませんが、露出する可能性のある腕や首、デコルテは塗ったほうが安心。服を着る前に、襟や袖よりも少し内側まで塗るようにしましょう。

また、日焼け止めは皮脂でヨレたり、マスクやスマホによる摩擦で取れたり、時間が経つと効果が弱まったりするため、塗り直しが必要です。スキーなど屋外で長時間過ごす場合は2～3時間ごとに一度、室内なら昼に一度はメイクの上から塗り重ねられるとよいですね。

さらに、インナーケアで日常的に紫外線対策をしておくのもおすすめです。ビタミンA・C・Eは、抗酸化力が高く、肌老化を防いでくれる働きがあります。これらの栄養素が多く含まれる緑黄色野菜を意識的に摂り、難しい場合はサプリメントで補ってあげましょう。また紫外線の影響を抑えるサプリメントもあるので、上手に取り入れてみてください」

オトナンサー編集部

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