上野のお花屋さんが1日にたった1つだけ、わずか「1円」のブーケを売り続けるワケ
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550円ブーケに交ざって、ひとつだけ
街角の生花店に並ぶ、色とりどりの切り花や花束、植木鉢。その中に1日ひとつだけ、1円のブーケをそっと用意しているお店があります。
東京メトロ稲荷町駅から徒歩1分、台東区東上野にあるフラワーショップ「花時計」。いったい何のために1円のブーケを販売しているのでしょうか。
※ ※ ※
「本日も『1円ブーケ』の販売を開始しました」
同店のスタッフがつぶやくツイッターの投稿が始まりの合図。

店頭に並べられた550円のミニブーケ――食卓や窓辺に何気なく飾るのにちょうどいいサイズの小ぶりな花束の中にひとつだけ、「1」という数字のシールが貼られたブーケが交ざっています。それが「今日の1円ブーケ」です。
「お花を買うという行動に、何か楽しい仕掛けを付加したいと考えてこの企画を始めました。宝探しのように1円ブーケを見つけ出してもらえたら、きっとお客さんも喜んでくれるのではないかと思ったんです」
そう話すのは、同店など計3軒の生花店を運営するシトロンリーフ(同区下谷)の代表・澤慶太さん。創業25年の「花時計」の2代目として、2020年に引き継ぎました。
「何でもない日に妻にあげたら……」
長く地元に根付いたいわゆる“町のお花屋さん”ですが、ツイッターアカウントのフォロワー数は4190人(2021年6月29日正午現在)。ツイッターなどのSNSで毎日、花に関する情報や「1円ブーケ」のような独自のサービスを発信し、およそ1年でここまでファンを増やしてきました。
2021年6月14日(月)から始めた今回の企画も今、SNSや口コミなどを通して少しずつ認知度が高まっています。

「1円ブーケ」の購入は、同店アカウントをフォローしている人が対象。フォロワーは20~50代くらいの女性が多く、実際の来店客は女性のほか30~40代の男性も多いとのこと。
近隣や都内だけでなく、茨城や青森など遠方から都内へ来るついでに立ち寄ってくれるフォロワーもいるのだとか。
「お花好きのお客さんはもちろん、ツイッターを使っている男性でお花屋さん選びに困っていたという男性も来店されています。ある男性は『何でもない日に妻にお花(1円ブーケ)をあげたらめちゃくちゃ喜んでもらえた』とツイッターで笑顔の顔文字付きの報告をしてくれました」(澤さん)
ほかにも「お花を見ると、すでに家にもたくさんあるのにまた欲しくなってしまうのはなんでだろう?」と、うれしそうに買って帰った女性客もいるのだそう。
同店ツイッターの投稿を見て店を訪れ、スタッフといろいろ話しながら花選びをしていくという来店客も。ツイッター上のダイレクトメッセージ(DM)には、花に関する相談や注文が増え続けているといいます。
コロナ禍で生花取扱額は27.2%減
私たちの暮らしに多大な影響を及ぼしている、2020年からの新型コロナ禍。
花卉(かき)業界もまた少なからぬ打撃を受けました。結婚式や卒入学式といった数々のイベントが中止になり、切り花などの需要が大きく低迷したためです。
農林水産省がまとめたデータによると、東京をはじめ全国に1回目の緊急事態宣言が発令されるなどした2020年3~5月、東京都中央卸売市場の取扱金額は、過去3年平均(約151億円)の27.2%減に当たる約110億円に。取扱数量ベースでも同14.5%減の約1億9500万本にとどまりました(参照:同省「花きの現状について」2021年5月)。

一方、イベント中止や外出自粛によって圧倒的に在宅時間が増えたことを背景に、「自宅にも花を」といったコンセプトで気軽に花を楽しめる定額制サービスが2020年から次々と登場し、注目を集めています。
日比谷花壇(港区南麻布)は毎日1本を選べる月額1987円(税抜き)など6通りのプランを、Crunch Style(渋谷区恵比寿)が運営するブルーミーは税込み550円(送料別)から自宅ポストに届けてくれるサービスを、それぞれ展開。
ブルーミーは、コロナ禍での在宅需要を追い風に累計10万世帯以上の会員を獲得したとのこと。流行感度の高い若年女性ユーザーが多いインスタグラムでは、「#おうちフラワー」などのハッシュタグとともに自宅に花を飾りつけた画像がいくつも投稿されている様子が見受けられます。
たとえ外出先でのイベントが減っても、日常に花を求める人は決して少なくないのでしょう。澤さんもコロナ禍での同業他店の閉店に心を痛め、「(1円ブーケなど)当店(の発信)をきっかけに身近な花屋さんに行こうと思う人が増えてくれたら」と願っています。
ツイッターで告知するメリットとは
ところで澤さんや同店スタッフが運営するSNSアカウントは、インスタグラムもありますが活用しているのは主にツイッター。これにはどういった理由があるのでしょうか。
澤さんいわく、ツイッターを活用するのは「比較的ライバルが少ない」ため。

「おしゃれを前面にするお花屋さんはインスタグラムを使うケースが多いようですが、デザインやおしゃれさで勝負するには、ライバルが多過ぎます。一方でツイッターは、面白い・共感できる・ためになるといった情報を発信することができれば3ケタ以上のリツイート(拡散)につながることもあり、お店を知ってもらうチャンスになると捉えています」(澤さん)
1円ブーケは、もし売れ残ったら抽選でフォロワーに郵送してくれるといううれしい計らいも。1円でなくても、550円のミニブーケでも、あるいは100円の1輪だけでも、自宅に花があるのはやはり気持ちを少し潤してくれます。
「花を買う余裕はお金ではなくて心の余裕」。かつて読んだ吉本ばななさんの小説に、そんな一節がありました。
明日の「1円ブーケ」は、あなたのために店頭でそっと待っていてくれているかもしれません。
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