「離婚してよ。ごめんなさい」 子どものために離婚しない親と、離婚を懇願する子ども…《離婚の正解》はどちらにあるのか
- オトナンサー |

夫婦仲相談所で相談を受けていると、「子どものために離婚しない」という言葉を多頻度で耳にします。離婚の決断に子ども(幼児ではなく、ある程度成長した)の言葉を聞くのは大切ですが、子どもの言葉と自分の本音のバランスを見極めなければ、離婚の正解にたどり着くのに膨大な時間を要してしまいます。
「子どもの言葉>自分の本音」が10年以上継続すると、どうなるか――。子どもが22歳になるまで離婚を諦めて、今のパートナーと人生を共にすることになります。
子どもは一人の人間として、当然、いろいろなことを考えています。時には親よりもしっかりと物事を捉えていることもあるものです。
今回は、親に「離婚してくれ」と願う子どものケースをご紹介します。
親の不仲が子どもに与える深刻な影響
子が親に「離婚してほしい」と訴えるのはよっぽどのことです。次のケースで示します。
・夫婦げんかが絶えず、仲が悪い
・親が浮気を繰り返す
・DVやモラハラを、子どもやパートナーに行う
・家庭内別居状態
・両親が会話をせず、子どもを通して連絡事項を伝える
・両親のどちらかが、お金遣いが荒く、生活に窮する
子どもが激しい夫婦げんかを目撃すると、脳の一部が萎縮する可能性が指摘されています。そして、言葉によるDV目撃の影響は、身体的DVの目撃の約6倍も大きいとされています。
夫婦仲が険悪になることは、程度の差こそあれ、どこの家庭でも起こり得ることです。しかし、それが離婚を考えるほどひどい場合には、子どもに与える影響を一番に考えてください。「離婚しない方が子どもにとって幸せである」とは決して言えません。
DVモラハラ父親が、溺愛した娘に「三行半」を突きつけられた日
モラハラ当事者の子どもである未知さん(22歳、仮名)からお話を聞きました。
母の陽子さん(48歳、仮名)は7歳年の離れた夫と、一人娘・未知さんとの3人家族。元夫は普段から陽子さんにモラハラ気味で、上から目線。お酒が入ると、そこへ頬を平手打ちする暴力が加わりました。一方、子どものことは溺愛していて、未知さんの言うことなら目を細めて聞き、「未知は本当にかわいい」が口癖でした。
母親が父親に殴られているのを見たのは4歳の頃だと、未知さんは言います。
叫び声で目が覚めると、隣で寝ていた母親の髪の毛を父親がつかみ、げんこつで頭を殴っていました。未知さんは父親の腕にしがみつき、「やめて! やめて!」と泣き叫びました。
父親は、母親に「おまえがバカだから未知が泣いているじゃないか。未知は本当にかわいい」と、殴るのをやめて未知さんを抱きしめました。
次の日、未知さんが1人で遊んでいると、同じ団地に住む、いろいろよくしてくれるおばさんが「昨日の夜、声が聞こえたけど大丈夫だった?」と尋ねました。それに対して未知さんは、「ママが悪いことしたからパパが怒っただけ」と言いました。現在22歳の未知さんは、今でもそのときのことをしっかりと覚えているそうです。
未知さんが小学校6年生になった頃も、相変わらず父親のひどい言葉は続いていました。いつも黙ってそれを受け入れる母親のことを、未知さんは「情けない人」だと思うようになっていました。「なんで怒らないの? 言い返せばいいのに」と何度か伝えたそうです。
そして、未知さんと父親の関係には少し変化が生まれました。思春期になり、父親と距離を取るようになった未知さんに対し、父親がいら立ちを見せるようになったのです。
ある日、食事中に父親から学校のことについて聞かれたときに、いちいち答えたくない未知さんは「関係ないでしょ」と言いました。
すると父親は、今までの積もり積もった感情を爆発させ、お皿を手に取り、未知さんの頭をゴツンと殴りました。突然のことでビックリし、ぼうぜんとする未知さん。
母親が「やめて」と叫ぶと、「おまえの教育が悪いから未知がこんなふうになったんだろうが」と、今度は母親を殴りました。そして、「俺は未知が誰かにレイプされたらそいつを殺す。だけど、おまえがレイプされたら裁判で金をむしり取るんだ」と叫びました。
頭が混乱し続けた未知さんですが、突然の父親の汚い発言も含め、激しい嫌悪感を覚えたといいます。気持ち悪くなって吐いたことも覚えていました。
そして、今まで母親が耐えてきたこと、父親の自分への愛情は、母への当てつけと感じました。
未知さんは「離婚してよ。2人で暮らそう。ママが耐えているのは、自分がパパのことを好きだと思っていたからだと思う。ごめんなさい」と泣きながら伝えました。母親は「ごめんね、ごめんね」と繰り返しました。2人はその日すぐに、母親の実家に駆け込みました。実家の助けと母の再就職で、平穏な日々になったそうです。
その後……未知さんは一度も父親に会っていません。
「母のことを虐げて私のことを溺愛する父を見て、『私の方が母より上だ』とずっと勘違いしていました。本当に母には申し訳ないことをしてきた。12歳の頃に、そうじゃないって気が付けてよかった。
それを母に伝えることができたのは、父に理不尽な扱いをされても、母が変わらず私のことを愛し続けてくれたくれたからだと気付きました。父は再婚したと聞いています。同じことを繰り返していなければいいなと思います」
小学校高学年のとき、父親の非道さと真実に気が付いた未知さん。それを声に出せてよかったと、私も心の中で拍手しました。
「子どもだから分かっていない」「幼稚な意見しか言えない」ということはありません。自分の子どもを信頼し、勇気をもった一歩を踏み出すことは、決して子どもに悪影響を及ぼすことではないのです。
自分を守ることは、子どもを守ることにつながる――。そう思えるお話でした。
「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美
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