東北新幹線の「アキレス腱」解消が見えてきた! 福島駅で進む“ミニ新線”建設はどこまで進んだ?
- 乗りものニュース |

JR福島駅で、山形新幹線の上りアプローチ線の建設が進んでいます。供用開始は2026年度末の計画ですが、どこまで工事が進んでいるのでしょうか。
福島駅の「困りごと」を解消する上りアプローチ線
JR東日本が、東北新幹線の福島駅で山形新幹線のための上り“アプローチ線”の建設を進めています。2026年度末に供用を開始する予定ですが、2025年7月の段階でどこまで工事が進んでいるのでしょうか。現地を観察してきました。
建設が進む福島駅上りアプローチ線。大きくカーブした真新しい上りアプローチ線の線路が目立つ(柴田東吾撮影)
福島駅では、東北新幹線から山形新幹線の線路が分岐しています。この分岐部分に設けられた線路がアプローチ線です。
現状は、東北新幹線の下り線のみから線路が分岐しています。ホームでいうと一番西側の14番線です。つまり、山形新幹線「つばさ」は下り山形・新庄行きと、上り東京行きの両方が同じ14番線を発着しているのです。
このため、下りの「つばさ」と上りの「つばさ」のどちらかが14番線に停車すると、もう一方の「つばさ」が福島駅に出入りできなくなってしまいます。
また、「つばさ」は東京~福島間で東北新幹線「やまびこ」と連結する列車があり、「つばさ」と「やまびこ」の連結・切り離しも14番線で行われています。このため、「つばさ」と連結する上りの東京行き「やまびこ」は、東北新幹線の下り線を到着前と出発後の2度、平面交差の形で横断する必要があるのです。
こういった複数の制約があるため、上り「つばさ」と下りの「つばさ」は福島駅ですれ違わないように配慮されています。また、上り「つばさ」と連結する「やまびこ」が福島駅に進入する際と、上り「つばさ」が福島駅を発車する際は、東北新幹線に下り列車が来ないようにしています。
しかし、輸送障害で列車ダイヤが乱れた場合は、「つばさ」が14番線しか発着できないことが大きなネックになります。福島駅付近に列車が滞留し、列車の遅れが拡大する原因にもなっています。
こうした事態を避けるため、上り線側にもアプローチ線が建設されることになりました。上りアプローチ線の新設により、福島駅で下りの「つばさ」と上りの「つばさ」の乗り場が分離されるほか、上りの「やまびこ」や「つばさ」が東北新幹線の下り線の線路を横断する平面交差がなくなります。
この結果、下り列車の遅れが上り列車にも影響することが減り、輸送安定性が向上するほか、列車の運行計画にも柔軟性が増すといった効果が期待されているのです。
制約だらけの上りアプローチ線
建設が進む上りアプローチ線ですが、厳しい制約のなかで造られています。
福島駅付近の山形新幹線(奥羽本線)の線路は地上にありますが、東北新幹線の福島駅は高架です。上りアプローチ線は、地上で東北新幹線の高架の下をくぐりながら高度を稼ぎ、道路の西町跨線橋をまたいでから東北新幹線の上り線(11番線)と合流します。
坂を登りつつ曲線を描く設計で、勾配は最大で37.5パーミル(1000mで37.5mの高低差)、曲線は最急で半径240mと、山岳区間や地下鉄の線路のような厳しい線形です。
2025年7月の段階では上りアプローチ線の線路は完成し、東北新幹線の上り線と接続されています。また、新幹線の列車に電気を供給するための架線の敷設も完了しているようです。
その一方で、信号設備などの設置工事が進行している段階で、工事中の11番線の線路を見ると信号で使用されるケーブルなどが敷設途上の段階でした。
また、ホーム上の設備として発車案内表示器や乗車位置案内などが必要になりますが、これらは設置されておらず、手つかずの状態です。
このほかホームには、運転士が列車を停める位置の目安とする停止位置目標を備えています。11番線のホームを観察すると、上り列車用に加えて下り列車用の停止位置目標もあり、11番線も東京方面からの下り列車が入線可能な構造になるようです。
上りアプローチ線は、東京方面の上り「つばさ」の線路として使用される予定ですが、山形・新庄方面の下り列車のための速度制限標識も設置されています。現在の下り・上り両方の「つばさ」が発着する14番線と同様、上りアプローチ線と接続する11番線も下り・上り両方の「つばさ」が発着可能な構造になるようです。
「こまち」はどうなっている?
ちなみに、東北新幹線「はやぶさ」と秋田新幹線「こまち」は盛岡駅で連結・切り離しが行われています。盛岡駅では通常、下り新函館北斗・新青森行きの「はやぶさ」と秋田行きの「こまち」が14番線を使って切り離しを行っているほか、上り東京方面行きは11番線を使って「はやぶさ」と「こまち」の連結作業が行われています。
しかし、何らかの理由で11番線が使用不能となった場合は、上下列車とも14番線で連結・切り離しの作業が可能です。逆に14番線が使用不能となった場合は、上下列車とも11番線を使って連結・切り離しができ、実際に作業が行われたこともあります。
福島駅の上りアプローチ線の完成後は、14番線で下り「やまびこ・つばさ」の切り離し作業が、上りアプローチ線と接続する11番線で上り「やまびこ」「つばさ」の連結作業がそれぞれ行われる見込みです。
しかし、何らかのトラブルに備えて、11番線でも現行の14番線のように連結・切り離し作業の双方に対応しているようです。上りアプローチ線を下り「つばさ」も走行できるようにすることで、不測の事態にも対応できる柔軟性を持たせているのかもしれません。盛岡駅と同じように、福島駅でも仮に14番線が使用不能となった場合は、11番線で連結や切り離しが行われ、上りアプローチ線を下りの「つばさ」が走ることが予想されます。
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