都内では3時間待ちもザラ 80年代「ビリヤードブーム」にはなぜ女性客が多かったのか
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プールバーとは何か
「近くにプールバーができたんですよ」
「へえ、今日でも早速行ってみようか」
というわけで、服の下に水着を付けて遊びに行ったらプールなんてどこにもなかった――そんな体験をした年配者は、ひとりやふたりではないでしょう。
お店の真ん中にあったのは泳ぐプールではなく、ビリヤード台。そう、ビリヤードのボールが「ポケットにたまる = プールされる」からプールバー。プールバーがはやりつつあった1986(昭和61)年頃、東京のあちこちではそんな光景がよく見られていたのかもしれません。
翌年の1987年。東京を発信源として、全国に空前のビリヤードブームが巻き起こっていました。理由は、お正月映画『ハスラー2』のヒットです。

『ハスラー2』は、ポール・ニューマンが演じる老ハスラー(ビリヤードで賭博を行って生計を立てる人)とトム・クルーズ演じる若手ハスラーがライバルとなり、勝負を繰り広げる作品です。
1961(昭和36)年に公開された、同じくニューマン主演の『ハスラー』から26年を経た続編。1961年に公開されたときも日本ではビリヤードがブームとなりましたが、2はそれをしのぐブームになりました。
『ハスラー2』勢いはすさまじく、その余波で少年マンガ誌でも前川たけしの『ブレイクショット』や、黒咲ひとりの『ハスラー・ザ・キッド』など、ビリヤードをテーマにしたマンガが掲載されたほどです。
1時間プレイのために3時間待ちも
当時の繁華街は、まるでビリヤード台を置かなければならない法律でもあるかのような状況でした。中には、ワンフロアをすべてビリヤード場にしたゲームセンターもあったほどです。
なにしろ『ハスラー2』は、当時の大スターだったトム・クルーズが出演した映画。1961年のブーム時にビリヤードを始めたのは主に男性でしたが、このときはトム・クルーズファンの女性もブームに加わりました。
1から9までの番号が書かれた球を数字順に落とし、最後に9番ボールを落とせば勝者となる「ナインボール」であればルールは簡単で、ビリヤードの技術や知識が少なくてもプレイできます。加えて料金も1時間500円程度と安かったこともあり、女性たちが挑戦しやすい環境がありました。

その結果、都内のビリヤード場は1時間プレイするために、なんと3時間待ちも当たり前の状況に。また、学生街ではビリヤードが人気になりすぎて、大変な現象も起きていました。
『朝日新聞』1987年11月10日付夕刊によると、慶応義塾大学日吉キャンパス(横浜市)のある学生街・日吉では、2軒あるビリヤード場が常に満員で、代わりにパチンコ店やそれまで20軒あった雀荘(じゃんそう)の学生がめっきり減少したと言います。
というわけで、当時はまさにビリヤードのひとり勝ち状態だったのです。
ブームが数年で終わったワケ
中でも人気が高かったのが、前述のプールバーでした。当時最先端のおしゃれスポットだったカフェバーの中にビリヤード――。これに感度の高い人たちは飛びつきました。
「もはやビリヤードは、女の子を楽しませるために、必要不可欠な遊びになろうとしている。『マージャン知らねえ』『テニスはやらねえ』ということとは比較にならないぐらいにヤバイのである」
これは当時の若者雑誌『スコラ』1987(昭和62)年7月23日号の記事にあった一文で、当時の熱気が伝わってきます。

しかし、誰しもが男女の出会いを求めてビリヤードをプレイしていたわけではありません。特に女性はそうでした。
ボディコンが流行し、女性が自己主張を強めていた当時にあって、ビリヤードは女性が真剣な姿を手軽に「見せられる」手段でもあったわけです。
当時の流行ファッションだったボディコンがビリヤードに合わさり生まれる、独特のセクシーさ。それは女性にとって、自分のかっこいい姿を見せられる手段でもあったわけです。彼女たちは、男性が手取り足取り教えてくれるからプールバーを好んだわけではありませんでした。
そんなビリヤードでしたがブームは数年で終わり、ビリヤード場の大半はカラオケボックスに業態替えしていきました。
なぜブームは続かなかったのでしょうか。考えられるのは、やはりキュー(ボールを突く棒)を立てて球に極端な回転を与える「マッセ」でビリヤード台の生地を破く人が多かったからかもしれません。
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