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「乗り物酔い」予防には“糖質制限”が効果的? “出発当日の食事”の注意点とは【医師が解説】

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乗り物酔いを予防するには糖質制限が効果的?
乗り物酔いを予防するには糖質制限が効果的?

 お盆の時期を帰省先や旅行先で過ごした人たちのUターンラッシュが始まりつつあります。車や電車、飛行機などで移動する際に乗り物酔いに悩まされる人は多いのではないでしょうか。SNS上では「新幹線で乗り物酔いする」「酔い止め薬が手放せない」という声が上がる一方、「乗り物酔いがひどい場合、出発前の食事で糖質の摂取を控えるのがよい」という内容の声もあります。

 乗り物酔いを予防したい場合、出発当日の食事では糖質の摂取を控えた方がよいのでしょうか。医師業の傍ら、約30年にわたってプロアングラー(海の船釣り師)としても活動し、乗り物酔いの対処法に詳しい、美容外科「SOグレイスクリニック」(東京都品川区)院長で美容外科医、脳神経外科専門医、医学博士の近藤惣一郎さんに聞きました。

タンパク質の摂取で食べ過ぎを防止

Q.そもそも、乗り物酔いとはどのような現象なのでしょうか。

近藤さん「乗り物酔いとは、乗り物に乗っているときに吐き気やめまい、冷や汗などの不快な症状が起きる一種の生理的な現象です。乗り物に乗っているときの視覚と平衡感覚との間で生じる『感覚のズレ(感覚混乱説)』が主な原因とされています」

Q.SNS上では「乗り物酔いがひどい場合、糖質の摂取を制限した方がよい」「糖質の代わりにタンパク質を多めに摂取した方がよい」という情報があります。そもそも、糖質を含む炭水化物を多く摂取すればするほど、乗り物酔いになる危険性は高まるのでしょうか。

近藤さん「糖質を摂取することが直接的に乗り物酔いを引き起こすわけではありません。ただ、糖質の過剰な摂取は間接的に乗り物酔いを誘発する要因となり得ます。糖質と乗り物酔いの関係について解説します」

■糖質と乗り物酔いの関係
(1)食べ過ぎ(満腹)による胃腸への負担

例えば、糖質を含むおにぎりやパンといった炭水化物は手軽に食べられるため、つい食べ過ぎてしまいがちです。満腹になると、消化のために胃腸に血液が集中し、消化活動が活発になります。この状態で乗り物の揺れが加わると、胃が揺れやすくなり、吐き気を感じやすくなります。特に船に乗ると、他の乗り物よりも揺れがひどくなる傾向にあり、酔いやすいです。

(2)血糖値の急上昇と自律神経の乱れ
精製された白米のおにぎりや白いパンは消化が早く、血糖値を急激に上昇させます。血糖値が急激に上がると、体は血糖値を下げようとインスリンを大量に分泌しますが、この血糖値の急激な変化が、自律神経のバランスを崩す一因となることがあります。自律神経が乱れると、乗り物酔いを起こしやすいといわれています。

(3)糖質と脂質の取り過ぎによる胃腸の負担
特に菓子パンや揚げパンなどは、糖質だけでなく脂質も多く含んでいます。これらは消化に時間がかかり、胃腸に大きな負担をかけるため、さらに酔いやすくなります。

「乗り物に乗る前におにぎりやパンを絶対に食べてはいけない」というわけではありません。あくまで「食べ過ぎ」が問題なので、次の点を意識することで、乗り物酔いを防ぎながら空腹を満たすことができます。乗り物酔いを防ぐために、事前の食事の際に糖質を上手に摂取する方法は次の通りです。

■乗り物酔いを防ぎつつ糖質をうまく摂取する方法
(1)適量を取る

食事の際は腹八分目を心掛けましょう。

(2)消化の良いものを選ぶ
例えば、白いパンよりも、全粒粉パンやライ麦パンの方が、消化が緩やかで血糖値の急上昇を抑えられます。おにぎりも具材に注意し、油分が少ないものを選びましょう。

(3)他の栄養素も摂取する
糖質だけでなく、ビタミンB1のような自律神経を整える働きのある栄養素も摂取するなど、バランス良く栄養を取ることが大切です。ビタミンB1は豚肉や大豆製品などに含まれています。

Q.このほか、SNS上では「糖質の代わりにタンパク質を多めに摂取した方がよい」という情報がありますが、こちらについてはいかがでしょうか。

近藤さん「タンパク質を取ることで直接的に乗り物酔いを防ぐという科学的な根拠は、現状では確立されていません。しかし、乗り物酔いの予防という観点から、タンパク質を摂取すると次のようなメリットがあると考えられます」

■乗り物に乗る前にタンパク質を摂取するメリット
(1)腹持ちが良い

タンパク質は糖質や脂質に比べて消化に時間がかかります。このため、満腹感が持続しやすく、結果としておにぎりやパンのように食べ過ぎてしまうリスクを減らすことができます。満腹による胃腸への負担を軽減するという点で、間接的なメリットがあると言えます。

(2)血糖値の安定化
タンパク質は糖質と比べて血糖値を急激に上昇させません。先述のように、血糖値の急激な変化は自律神経の乱れにつながることがあるため、タンパク質を適度に取ることは、血糖値の安定化を通じて自律神経を穏やかに保つことに役立つと考えられます。

(3)筋肉や細胞の材料になる
タンパク質は、体のさまざまな組織の材料となります。特にビタミンB群など、自律神経やエネルギー代謝に関わる栄養素と併せて摂取することで、体全体のコンディションを整える効果が期待できます。体調が良いと、乗り物酔いがしにくい状態につながります。

ただし、タンパク質を過剰に摂取すると、消化に時間がかかり、胃腸に負担をかける可能性があります。乗り物酔いが心配な場合は脂質が多い肉類よりも、鶏のむね肉やささ身、魚、豆腐などの消化の良いタンパク質源を選ぶことが推奨されます。また、糖質と同様、食べ過ぎは避けるべきです。

 繰り返しにはなりますが、糖質が乗り物酔いの直接的な原因になるわけではありません。糖質に限らず、食べ過ぎによる満腹状態や、消化に負担のかかる食事内容が、乗り物酔いを引き起こす大きな要因と言えます。

 また「タンパク質を取れば乗り物酔いを防げる」という直接的な効果は期待できませんが、タンパク質を摂取すると食べ過ぎにつながりにくく、満腹による胃腸の負担を軽減できるというメリットがあります。さらに、血糖値の安定化を通じて自律神経の乱れを抑える効果も期待できるため、乗り物に乗る前に食事をする際は、糖質だけでなく、消化が良いタンパク質を適度に含んだ食べ物も取るのが理想的だと言えます。

 乗り物酔いを予防する食事のポイントは、「食べ過ぎないこと」「消化が良いものを適度に摂取すること」であり、その観点から見れば、タンパク質の摂取は良い選択肢の一つであると言えるでしょう。

オトナンサー編集部

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