なんだあれ…!! 高速道路の片側だけ「ガラスのトンネル」? ド派手な巨大構造物 一体何のため?
- 乗りものニュース |
高速道路には様々な「トンネル状」の構造物が存在しますが、かなり高さのある、物々しい“ガラスのトンネル”のような構造物が、しかも片側だけに存在するところがあります。見通しのよい高架区間ですが、なぜこのような構造物があるのでしょうか。
高架の片側だけに、物々しい「ガラスっぽいトンネル」
「なんだ、あのガラスのトンネル……」
高架の高速道路を走っていると、不思議な光景に出くわしました。ガラスで造られたような透明のトンネル状の構造物が、道路の片側だけに設けられているのです。
片側だけのガラスっぽい透明のトンネル状構造物(乗りものニュース編集部撮影)。
場所は奈良県川西町、京奈和道の郡山南IC―三宅IC間です。
複数の部材とガラスのような透明のパネルで作られたトンネル状の構造物が、約300mにわたって、南行き(和歌山方面)の橋桁のみをすっぽりと覆うように設置されています。高架道路はその前後で視界を遮るものがなく、トンネル状の構造物だけが異様をさらしています。
これは何なのか、国土交通省 奈良国道事務所に聞いたところ、「遮音壁の一種」だといいます。
「この南行き車線のそばにマンションがあります。道路の音は上に逃げるので、環境基準を満たすためには遮音壁を高くする必要があるのですが、道路の端に設置する通常の遮音壁をあまり高くすると、倒れた際の被害が大きくなります。そのため、高い遮音壁をやぐら状の部材で支えています」
マンションのない反対車線側の側面は、通常の壁式の遮音壁が設置されていることからも、壁を高くするため結果としてトンネル状の構造物になった、といえそうです。
この構造物があるのは、近鉄橿原線「結崎駅」の近く。農地も多い京奈和道の沿道のなかでも比較的宅地化されているエリアですが、高架の高さまで達するマンションは、近くでは1軒だけです。
京奈和道はもともとある国道24号バイパス上の自動車専用部として造られています。そのために、様々な配慮がなされていることもうかがえます。
ちなみに、このような高架道路をすっぽりと覆う透明のトンネルは、東京・勝どきの環状2号線などでも見られますが、こちらの沿道はタワーマンションやビルに囲まれており、上下線がすっぽり覆われています。
また、透明のパネルではなく“網”で覆われたようなトンネル状の構造物も地方を中心に見かけますが、これは多くの場合、近くにゴルフ場があります。網状のトンネルは、ゴルフボールの飛来を防止するための「飛球防護柵」と呼ばれるものです。
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