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「知らない人について行かない」だけでは防げない。この夏、親が知っておきたい子どもの性被害対策

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  • マイナビウーマン
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薄着になり、水遊びをするなど着替えの機会が増える季節。外での着替えなどの場面で子どもが思わぬ危険にさらされる可能性もあり、注意が必要です。性被害を未然に防ぐために親が知っておきたいこと、親子で共有したいルールなどについて、セコム株式会社 IS研究所の舟生岳夫さんに聞きました。

舟生岳夫さん
セコム株式会社 IS研究所 リスクインテリジェンスグループ 上級研究員。2児の父であり子どもの安全の専門家として、子どもの防犯対策や性被害防止、犯罪リスクの分析・啓発に取り組む。セコム「子どもの安全ブログ」での情報発信も続けている。

性犯罪のリスクが高い場所や状況は?

――夏に向けて薄着になる季節、子どもが性被害に遭わないために親が気をつけることはありますか?

舟生 夏は暑いので、冬と比べるとどうしても肌の露出が多くなります。汗をかいたり、水遊びをしたりと、着替えの機会も増える季節です。昔は外で子どもを着替えさせることは珍しくありませんでしたが、今は小さい子であっても外で着替えさせないようにすることが大切です。更衣室がある場所では、必ずそこで着替えるようにしましょう。

また、スマートフォンなどカメラの存在にも注意が必要です。遠くから撮影している人がいる可能性もありますので、必ず周囲の状況を確認することです。子ども自身にも「こういうことには危険がある」という意識を持たせることが重要です。「プライベートゾーン」について、年齢に応じて伝えることも欠かせません。自分の体の大事な場所は人に見せない、ということを繰り返し話してください。

――具体的に注意が必要なのはどんな場所でしょうか。

舟生 性加害に限らずあらゆる犯罪に共通しますが、悪意のある人は人目を嫌います。人が見ていない場所でことを起こそうとするんですね。
たとえば、ショッピングセンターのトイレや公園のトイレは、人がいない時間帯があったり、中に入ると外から様子が分からなかったりします。そういう場所に子どもを1人で行かせないことは基本中の基本です。

――トイレ以外でも注意が必要な場所はありますか?

舟生 狭くて見通しの利かない場所です。通路の奥や公園の茂みなど、周囲から視線が遮られる場所、いわゆる死角です。そうした場所に子どもだけで行かないようにすることが重要です。

時間帯では、下校時間帯や塾の帰りなどの夕方。子どもが1人で行動する時間が増えると、リスクも高まります。

年齢別に考える、子どもへの伝え方

――未就学児には性被害のリスクについてどんなふうに伝えるといいでしょうか?

舟生 水着などを着ると、子どもは喜んで「見て、見て!」と人に見せたい気持ちになることもあります。ただ、知り合いだけの安心な場と、不特定多数の大人がいる場は違うということは、伝える必要があるかもしれません。

小さい子にも怖がらせすぎずに伝える工夫が必要です。じっと見ている人がいたら、急に服を脱いだり、そこで着替えたりしないようにしようね、という伝え方がいいでしょう。

――絵本や動画を使って教えるのは効果がありますか?

舟生 とても有効だと思います。今は絵本や動画でも性教育についてわかりやすく教えられるものがあります。

子どもは「何が怖いのか」「何が危ないのか」を知らないことが多いです。どんなことが危ないことかを知ること自体が大切ですし、怖いことや危ないことをされたときに「イヤだ!」と言っていいことも知っておく必要があります。絵本や動画で、そのような認識を持っているだけで、万が一のときの行動はかなり変わるでしょう。

親と子で「知らない人」の定義が違う

――まったく知らない人から声をかけられたら、子どもも「危ない人かも」と警戒できるかもしれませんが、顔見知りの人からの性暴力があるかも、と心配です。

舟生 親の考える「知らない人」と、子どもが思う「知らない人」は、少し定義が違います。子どもにとっては、公園でいつも見かける犬の散歩のおじさんは「知っている人」になってしまうこともあります。だからこそ、親子で「知らない人ってどういう人?」という話をする必要があると思います。

また、名札や持ち物に書かれた名前を見て、「〇〇ちゃん」と声をかけられると、知り合いかもしれないと思ってしまうことも。最近では学校でも、外に出る前に名札を外す指導をしていますよね。カバンなど持ち歩くものに名前を書く場合も、外から見えない場所に書く、または名前の代わりにマークを使うなどの工夫が必要です。住所や氏名が外から見えないようにしましょう。

―― 子どもを狙う性加害者に共通する行動はどんなものですか?

舟生 人目につかない場所で声をかける、妙になれなれしい、「お母さんの友達だよ」と知り合いを装う、といった行動は要注意です。また、子どもの好きなキャラクターを利用して誘うケースもあります。「これ好きなんでしょ、あげるよ」と言って家に誘うなど、手口はさまざまです。

なかでも危険なのが、「お母さん(お父さん)が事故に遭った」とうそをつくケースです。そう言われると子どもはパニックになって、ついていってしまいます。

普段の親子の会話がカギになる

――そうした状況に備えて、家庭でできることはありますか?

舟生 普段から「もしお母さんやお父さんに何かあったら、必ず学校の先生や決まった人から連絡が来る」「知らない人が迎えに来ることはない」というルールを、何度も話しておくことです。

「家族が事故に遭った」などと聞けば大人でもあわてますよね。事前に何度も親子で話しておくことで、いざというときに「それはおかしいかも」と少しでも気づけるようになるとよいですね。

――被害に遭ってしまった子どもが、親に隠してしまうこともあると聞きます。子どもが親に打ち明けやすくする関わり方のコツを教えてください。

舟生 日常的に「お父さん・お母さんはあなたの味方だよ」と伝えておくことです。子どもは「こんなことを言ったら怒られるかも」と思うと、被害に遭ったことを隠してしまう可能性があります。

「心配だから話してね」「何があっても味方だよ」と伝え続け、子どもが話しかけてきた時には、忙しくても手を止めて話を聞く。その積み重ねが、いざというときに話をしてくれるかどうかにつながるでしょう。

――うまく状況を説明できない年齢の場合、どんな点に注意すべきでしょうか。

舟生 急に何かを怖がるようになった、元気がなくなった、目を合わせなくなったなど、行動に変化が出るはずです。子どもの普段との違いに気づいてあげることが本当に大事です。

SNS使用で子どもの行動に違和感を覚えたら

――SNS経由で子どもに近づいてくる大人も増えているのでしょうか。

舟生 増えています。小学生でもSNSを使う時代には、なりすましの加害者が接触するリスクがあります。DMなどを送ってきた人がいたら、「いきなり信用しない」「個人情報を書かない」ことは繰り返し伝える必要があります。
とくにSNSで知り合った人と子どもだけで会うことは、絶対に避けてほしいですね。

もし子どもがSNSで知り合った人と会おうとしている場合は、問い詰めずに、まずは話を聞きましょう。問い詰めると子どもは何も話さなくなってしまいます。「どんな人と遊ぶの?」と興味を持つ形で入り、危ないと感じてもいきなり叱らないように。どうしてその人と会わないでほしいのか、理由を説明しましょう。
子どもに「いつでもあなたの味方であること」「あなたを大事に思っていること」を伝え続けてください。

スマホやSNS利用などについて家庭でルールを作るとしたら、親が一方的に決めるのではなく、子どもと一緒に考えましょう。子どもは、自分で決めたルールは意外と守るものです。親子の対話の積み重ねが、子どもを守る力になります。

(取材 マイナビ子育て編集部、文 早川奈緒子)

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