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「胃がん」は急速に悪化…“初期症状”はある? 専門医が教える受診目安

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胃がいつもより不調だったときは胃がんの可能性あり?(画像はイメージ)
胃がいつもより不調だったときは胃がんの可能性あり?(画像はイメージ)

 胃がんは「前兆があれば気付くことができるはず」とイメージされがちですが、日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック(東京都中央区)院長で消化器内科医の石岡充彬さんによると、胃がんの初期は緩やかに進行しますが、その後、ある程度の段階まで進行すると急に悪化するのが現実だといいます。そのため、胃に何らかの違和感があったときに受診せずに様子を見ていると手遅れになるリスクを高めるということです。

 そもそも、胃がんに初期症状はあるのでしょうか。定期的に内視鏡検診を受ける重要性や、症状を放置する危険性などについて、石岡さんに聞きました。

通常と違う胃の不調が2週間続いたら受診を

Q.そもそも、胃がんに初期症状はあるのでしょうか。

石岡さん「結論から言うと、初期(早期)の胃がんは無症状もしくは自覚症状に乏しい場合が多く、症状を手がかりに早期発見するのは難しいのが実情です。実際、多くの研究をまとめた報告では、基本的に無症状の人が受ける検診で見つかった胃がんの約73%が早期胃がんで、進行胃がんは約8%でした。

一方、症状が出てから見つかった群(非検診群)では進行がんが54%と、明らかな差が示されています(J Clin Gastroenterol.2016;50(3):190-7)。

早期の粘膜から粘膜下層にとどまる段階では症状が出にくい一方、細胞を壊しながら筋層以深に広がっていく進行胃がんになると、胃もたれや胃の痛み、食欲低下、通過障害、体重減少、黒色便などさまざまな症状が現れやすくなります。つまり、症状が出た時点ではすでに病変が進行している可能性が高いのです。だからこそ、定期的な内視鏡(胃カメラ)検診で『無症状のうち』に拾い上げることが重要です」

Q.初期の胃がんを放置した場合のリスクについて、教えてください。胃がんはどの程度の早さで進行するのでしょうか。

石岡さん「胃がんは、一定のスピードで進むわけではありません。初期は比較的ゆっくりでも、病期が進むほど増殖が加速しやすい性質があります。『初期は静か、進行すると速い』という性質を頭に入れておくと、放置のリスクが具体的に見えてきます。

早期胃がんの自然経過を追った研究では、早期のまま中央値で約3年半(44カ月)はとどまる一方、5年で約6割が進行がんに変わったことが報告されています(Gut.2000;47:618-21)。

また、別の研究では、胃がんを未治療で経過した101例の解析で、病期Iから病期IIに進むのにかかった期間は約34カ月、病期IIから病期IIIは約19カ月と年単位ですが、病期IIIから病期IVは約1.8カ月と、後半ほど進行が一気に加速していました(Ann Surg Oncol.2019;26:2905-11)。

つまり、初期は年単位、進むと月単位で悪化することがあるということです。『症状がないから大丈夫』と内視鏡検診を先延ばしにしている間に、一気に進行してしまうこともあります。

この“ギアチェンジ”が起きる前に見つけられるかどうかで、治療の選択肢と根治の見通しが大きく変わります。早期で適応を満たせば内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)でおなかを切らずに治療が可能で、根治率もほぼ100%に近いです(Gastric Cancer.2016;19:198-205)。仮に外科手術になっても、病期I(特にIA)で切除できた場合の5年生存は約91.5%と高水準です(Gastric Cancer.2018;21:144-54)。

一方、病期IIから病期IIIまで進んでから見つかると、手術に加えて抗がん剤が必要になり、治療の身体的・経済的な負担も重くなり、治療期間も長期化します。さらに病期IV(切除不能・再発)では抗がん剤などの薬物療法が中心となり、根治より延命・症状緩和が主目的になります。だからこそ、定期的な内視鏡検診で症状がないうちに病変を拾い上げることが重要であると言えます」

Q.もし胃に何らかの違和感が生じた場合、すぐに医療機関を受診すべきなのでしょうか。受診時、医師にはどのように伝えたらよいのでしょうか。受診の目安も含めて教えてください。

石岡さん「『いつもと違う胃の不調』が1~2週間ほど続くと感じたら、先延ばしにせず消化器内科を受診しましょう。特に、黒い便(タール便)や吐血、ふらつきや疲れやすさなどの貧血症状、短期間での体重減少は“赤信号”です。当日から数日以内の早めの受診が必要です。受診時は次のポイントを押さえて、医師に端的に伝えるのがお勧めです。

【診療時に医師に伝えてほしいこと】
・症状が始まった時期と頻度
例えば「3週間前から毎日」という形で伝えるのが望ましい。

・主症状
例えばみぞおちの「つかまれるような痛み」や「刺されるような痛み」など、どの部位がどのようにつらいのかを具体的に伝える。

・体重変化や随伴症状
体重がどのくらいの期間で何キロ程度減ったのか、主症状のほかに、胃もたれ、胸やけ、食べづらさ、黒色便や嘔吐(おうと)の有無、めまいや息切れの有無などを伝える。

・直近に胃カメラ検査を受けた時期

・ピロリ菌の感染・除菌歴や家族の胃がん、既往歴などのリスク情報

これらを伝えるだけで医師は必要な検査(胃カメラや採血など)に素早くつなげられます。それ以外の必要な情報は必要に応じて医師が随時、深掘りして尋ねます。

 胃がんについては、「症状が出る前に検診で見つける」「胃の違和感が続くようであれば早めに受診する」というこの2つの取り組みを行うだけで、治療の選択肢が広がり、助かる可能性を大きく高めます。

オトナンサー編集部

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