「自転車も止められるとは思わなかった」 全乗りもの“まとめて飲酒検問”した結果 去年から大幅増!
- 乗りものニュース |
東京都内一斉の飲酒検問の実施。特定小型原付に位置付けられた電動キックボード、酒気帯び運転の罰則が加わったばかりの自転車にも、四輪車やバイクと同様にアルコールチェッカーが向けられ、飲酒による検挙は昨年より大幅に増えました。
「マジで?自転車も?」飲酒検問 その結果は
首都高速を含む東京都内118か所で「管下一斉飲酒検問」が2024年12月6日の夜から実施されました。一夜で検挙された道路交通法違反は82件。前年の一斉飲酒検問は93件。総件数でみると、前年同期比で減っています。
12月6日に都下一斉で行われた飲酒検問。大型トラックから自転車まであらゆる乗りものを停止させた(中島みなみ撮影)。
ただ、2023年には取締りの対象外だった自転車やペダル付電動バイクが加わったことで、飲酒関連の検挙数(酒気帯び)は、7件から26件に一挙に増えました。
その内訳は以下の通りでした。飲酒関連のバイクと電動キックボードの検挙はありません。
・四輪車:4件(うち酒気帯び同乗2件)
・ペダル付電動バイク:2件
・自転車:20件
2023年、四輪車とバイクを対象とした検問では、飲酒関連の検挙数は7件でした。自転車の飲酒検挙が多いのは、2024年11月の道交法改正による自転車の飲酒運転強化が、いまだ周知されていないからかもしれません。
違反をしていなくても「実際に検問で止められるとは思っていなかった」と、驚く自転車利用者もいました。
また今回、ペダル付電動バイクは飲酒運転での検挙はありませんでしたが、無免許運転(道交法64条違反)での検挙が目立ちました。四輪車の違反はありませんでした。
・バイク:2件
・ペダル付電動バイク:2件
ペダル付電動バイクは、モペットと通称され、車両区分としては、ペダル付の原動機付自転車です。しかし、自転車という呼称が、地方自治体への届出や自賠責保険加入が不要であるという印象を与えてしまうことから、ペダル付電動“バイク”という言い方に改められました。ペダル付電動バイクは、原動機付自転車(一般・特定小型)以上に区分され、原付以上の走行性能があれば、自動二輪免許が必要です。
そのほか信号無視(23件)、通行区分(6件)、一時不停止(6件)、整備不良(4件)、携帯電話、定員外乗車、通行禁止など(13件)の道交法違反容疑で、52件が検挙されています。この中には電動キックボード乗車中の検挙も含まれています。
同日昼には、電動キックボード・自転車に対する注意喚起も
警視庁交通執行課の丸山佳高管理官は、次のように話します。
「飲酒運転は例年、夏場に一度ピークがあり、年末にかけて再び増える傾向。飲酒の機会が増える。飲んだら運転しない。飲酒をしている人に車両提供を依頼しない。これだけで不幸な事故が1件でもなくなる」
深夜の飲酒検問に先立ち、同日日中には電動キックボードや自転車に対する「安全な利用促進に向けての街頭キャンペーン」も実施されました。
国道246号と都道319号線(外苑東通り)が交差する「青山一丁目」交差点では、往来の電動キックボードや自転車、歩行者らに向けて改正された道路交通法の内容を周知するリーフレットなどが配布されました。
啓発活動が展開された交差点前後の国道246号は、渋谷から赤坂を結ぶ幹線道路で、電動キックボードの利用も多い区間です。
東京都内の取締り件数と飲酒の割合を見ると、電動キックボードを中心とした特定小型原付と自転車では、明らか違う特徴が現れています。警視庁がまとめた2024年1月~10月の取締り検挙・人身事故状況の暫定値です。
●特定小型原付
・人身事故件数:199件、うち飲酒42件
・検挙件数:2万8086件、うち飲酒130件
●自転車
・人身事故件数:1万2430件、うち飲酒165件
・検挙件数:1万1827件、うち飲酒4件
飲んだら乗るな。自転車も同じ(中島みなみ撮影)。
川嶋泰雄管理官は、このデータに現れた傾向について次のように説明します。
「自転車は違反ではなく、事故を起こして飲酒が原因であることがわかることが多い。特定小型は、事故時の飲酒運転の割合がほかと比較すると多い。運転免許の有無に関係なく、酒に限らず、正しい乗り方、安全な乗り方をしてもらうためにキャンペーンを行った」
2024年中の東京都内の交通事故死者数は12月8日現在で134人。昨年より14人増えて、全国でいちばん多い状況が続いています。
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