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電車にもバッテリー搭載なぜ? スマホ用途は全く違う「縁の下の力持ち」 SL時代から続く役割と歴史

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電車が持っている蓄電池の役目

 昨今、モバイルバッテリーからの出火が多く発生しています。2026年7月18日には東急東横線の中目黒駅でバッテリーから発煙が発生。けが人はいませんでしたが、列車は一時運転見合わせとなりました。しかし、この事案の発煙は乗客のモバイルバッテリーではなく、電車に搭載されている蓄電池(バッテリー)からと報道されています。電車は外部から供給される電気で走りますが、なぜ蓄電池を備えているのでしょうか。

Large figure1 gallery4一般的な電車にも蓄電池(バッテリー)を備えている(柴田東吾撮影)

 蓄電池の電車というと、それ自体を電源にして自走する車両が注目されていますが、蓄電池で自走しないタイプの電車も蓄電池を備えています。

 先の通り、電車は外部からの電気で走ります。電気が外部から常に供給されていれば、自身で蓄電池を持つ必要がないように思えます。しかし、停電などで外部からの電気が断たれると、電車は動けなくなってしまいます。この場合に備えて、電車を機能させる最低限の電源として蓄電池が用意されています。

 蓄電池から供給を受けるものとしては、車内の照明、放送、列車無線の設備など、安全運行のために重要な機器が挙げられます。

 停電が発生した場合、蓄電池がなければ乗客に非常時の放送すらできなくなってしまいます。夜間だと、車内の照明を最低限点灯させる機能もあります。また、前照灯や尾灯を点灯させ、列車が存在していることを周囲に知らせて安全を確保する必要もあります。

 列車の前照灯は、前方を照らす役目もありますが、「列車前部標識」などの別名があるように、列車の前であることを周りに知らせる役割もあります。ちなみに、尾灯は「列車後部標識」など別の呼び方があり、こちらは「列車の後ろ」という意味になります。自動車のテールランプを想像すると、分かりやすいのかもしれません。

古くからある電車の蓄電池

 列車への蓄電池の搭載は古くからあります。一例として1898(明治31)年頃から列車電灯の電源として蓄電池が使われていました。昔の列車の照明は、油灯(油燈:油を燃やした照明)やガス灯(ガスを燃やした照明)が使用されていましたが、これらに代わる照明として電灯が用いられたのです。ロウソクから電球に進化したと考えて良いでしょう。

 当時の列車は、蒸気機関車が客車を牽引(けんいん)する形でした。客車の電灯の電源は、車輪に発電機を付けて走行中に発電し、電気を一旦蓄電池に充電していました。こうすることで、列車が停まってもしばらくの間は車内が明るいという仕組みです。

 これの応用で、大正時代には電車でも照明の予備電源として蓄電池を使用する仕組みができあがっています。

 蓄電池といっても、いろいろな種類があることが知られています。発火が問題視されているのは、主にリチウムイオン電池です。リチウムイオンは繰り返し充電でき、小型・軽量で、体積あたりのエネルギー量が大きい利点があります。しかし、強い衝撃や過充電・過放電に弱いという欠点があります。

 電車の予備電源として使用されている蓄電池は、過去には鉛蓄電池が使用されていました。これは自動車のバッテリーでも馴染みのあるものです。低コストで瞬間的に大きなエネルギーを使用しても耐えられることが特徴ですが、リチウムイオン電池などと比べて体積が大きく、バッテリーに電解液を補充するなどの管理が必要なのも難点です。

 最近の電車は、焼結式アルカリ蓄電池が主流です。この電池は鉛蓄電池よりも大きな電流を扱うことができ、強度もあるのが利点ですが、鉛蓄電池よりも高額です。電車以外では、大きなビルや地下鉄の駅などの非常用照明の電源などにも使用されています。

 最近の新型車両は、非常走行用電源装置を備えた車両もありますが、こちらはリチウムイオン電池を搭載しています。必要最低限とはいえ、車両が走行できるほどの大きなエネルギーをコンパクトに蓄えるとなると、リチウムイオン電池が最も有利になるようです。

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