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ないものねだりばかりだった女性が、自己肯定感を持てるようになるまで──かじえりと考える“自分を愛する”ということ

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  • マイナビウーマン
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取材・文:瑞姫
撮影:大嶋千尋
編集:錦織絵梨奈/マイナビウーマン編集部

「自分で自分を愛してあげよう」。最近、そんな言葉をよく耳にします。でも、簡単に自分のことを好きになれるなら、誰も苦労しないはず。

“自分にしかない魅力がきっとある”と、頭ではわかっていても、「私もあの子みたいにかわいくなりたい」「どうして私は上手くできないんだろう?」と、つい誰かと比べて落ち込んでしまう。本当は、誰でもない“自分”のことを好きになれたら、世界の見え方はきっと変わるとわかっているのに――そんなもどかしさを抱えている人も、多いのではないでしょうか。

だからこそ今、必要なのは誰かの愛を待つだけではなく、“自分で自分を大切にできる力”。そのヒントを探る本特集では、経営まで自ら手がけるコスメブランドで年商4億円超、セルフメイクプロデューサーであり、起業家としても活躍する “かじえり” こと梶恵理子さんにインタビュー。

「美容で自己肯定感は育める」と語る梶さんに、“自分で自分を愛せるようになるまでのプロセス”を聞きました。

■“自分の好き”を見つけるためのセルフ分析

セルフメイクプロデューサーとして活動するなかで、日本の女性たちの“美容との向き合い方”の変化を最前線で見てきた梶さん。

「昔はトレンドって“学ぶ”というより、自然に降りてくるものだったと思うんです。でも今はSNSに情報がありすぎて、その中から自分で選ばないといけない。テレビや雑誌からトレンドを吸収してきた二十代後半〜三十代ぐらいの大人の女性ほど、美容迷子になって『もういいや』と諦めてしまっている方が多い気がします」と、アラサー世代のリアルな悩みを代弁します。

SNSが流行する前を思い返すと、“みんなが真似する”共通認識のファッションアイコン的な存在が確かにいたけれど今は違います。メイクも、服も、音楽も、ジャンルは数えきれないほど細分化され、まるで果ての見えない海のよう。

一人ひとりが“自分の好き”にすぐアクセスできる、便利で多様性が尊重される時代になった一方で、“自分の好き”が分からないままでいると、その海であっという間に迷子になり、疲れてしまいます。

では、どうすれば“自分に似合うもの”や“自分の好きなもの”が見つけられるのでしょうか。梶さんにたずねると、「まずは“自分で 今、憧れる人やスタイルを探す”ことからですよね」と前置きし、具体的な方法を教えてくれました。

「私は『Pinterest』というアプリに、自分の好きなメイクやヘアスタイル、ファッションの画像をどんどん保存して、一つのフォルダにまとめているんです。そうやって集めていくと、だいたい自分の好みが見えてくるんですよ。好きなものを保存していると、アルゴリズムで似たような投稿がどんどん出てくるじゃないですか。それを見ると『あ、私はこうなりたいんだな』って客観的に分かってくる。だからまずは、自分の好みを知ること、自分を分析することが大事かなと思います」

一方で、“自分の好きなもの”を大事にしたいと思っていても、メイクの世界ではパーソナルカラーや顔タイプのように、本来は迷子の人を導く灯台のような“自分をより輝かせてくれるためのヒント”が、「私はイエベだからブルベのリップは似合わない」といった、“自分に似合うものしか選んではいけないルール”として捉えられてしまうことも少なくないのが現状です。

しかし梶さんは、「私はパーソナルカラーや顔タイプは、血液型と同じくらいの立ち位置で考えているんです」と話します。

「血液型占いでも、A型だからってみんな几帳面というわけではなく、O型だからといってみんなが大雑把なわけではないですよね。パーソナルカラーも同じで、似合う色の系統が分かったほうが選びやすくなる、という意味での指標としてはすごくいいと思うんですけど、型にはまりすぎると同じ色ばかり買ってしまって、逆に幅が狭まってしまうデメリットもある。だから“参考にする”くらいがちょうどいいと思いますよ」とアドバイス。だからこそ、YouTubeなどでメイクを発信する立場としても、「断言しないこと」を意識しているといいます。

「本当に人の顔は十人十色で、ミリ単位で違うんです。“絶対これが似合う”というものは、やっぱりない。だからこそ、パーソナルカラーも顔タイプも参考にしつつ、“自分の好き”にもどんどん挑戦していいんです」

■自分が好きな自分でいるために

仕事だけでなく、プライベートでは3歳児のママとして毎日忙しく過ごす梶さん。そんななかでどうやって美しさをキープしているのか聞くと、「私は逆に美容がストレス発散なんです」と笑顔で話してくれました。

「子どもをお風呂に入れて、髪を乾かして保湿してあげた後が、自分をケアする時間なんです。そこでストレッチやマッサージを丁寧にするんですが、『ちょっと待っててね』と言いながら、子どもと一緒にやることも多いですね。それを習慣化しています」

毎日を忙しなく生きていると、自分を大事にする“毎日のルーティン”すら後回しにしてしまいがち。でも、「今日はもういいか」「明日やろう」とサボる日が積み重なると、外見も内面も、いつの間にか“自分の好きな自分”から遠ざかってしまいます。

「私もズボラなタイプなので、その気持ちはすごく分かります。ただそれ以上にストレスなのが、普段意識している“ちゃんとした自分”じゃなくて、ふと鏡に映った自分に萎えてしまうことなんですよね。『むくんでるな』『肌荒れてるな』だけじゃなく、『こんなに口がへの字だったんだ』『姿勢悪いし、眉間にシワ寄ってたんだ』って気づいた瞬間にハッとして。そこで『やっぱり習慣から整えないと癖になるな』『常に“好きな姿の自分”でいるには、根本から変えないと』と思うようになりました。本来はズボラで面倒くさがりなんですけど、一度スイッチが入ってからは、毎日の習慣としてちゃんと取り入れるようにしています」

そうして習慣化したことで、美容は「やらなきゃいけないこと」ではなく、一日頑張った自分をリフレッシュさせてくれるストレス発散になったと言います。それでもどうしても面倒に感じる日は、月に一度“チートデイ”をつくって、自分を甘やかすこともあるそう。逆に頑張りたいときは、「脳内にいろんな人を降臨させるんですよ」と教えてくれました。

「例えば、大谷翔平さんだったら、習慣化していることは迷わずやるよな、って考えるんです。悩んだ時も同じで、尊敬しているいろんな人たちをどんどん降臨させて、自分と融合させる。『あの人の考え方だったら、絶対こういう対応しないよな』とか。これは日常のちょっとした場面でも、少し立ち止まって考えたい時にも使えます」

■自己肯定感を育むコツ

近年、自己肯定感を育むことの大切さが語られるようになりましたが、下がってしまった自己肯定感をすぐに上げるのは簡単ではありません。梶さん自身も、昔は人と比べては落ち込んだり、うらやましく思うことが多かったと言います。

「20代の頃は私も『こうなりたい』『もっとこうだったら』って、ないものねだりばかりだったんです。でも30代で自分の会社を持ち、スタッフを雇って一緒に働くようになってから、人の個性がより見えるようになって。『この子のこういうところを活かしたいな』って考えるうちに、それぞれにいいところがたくさんあると気づいたんです。それなら自分にもあるんじゃない? って考えられるようになってから、自分に目を向けられるようになりました」

人のいいところに気づける人は、本来、自分のいいところにも気づけるはず。足りない部分ばかりを数えるのではなく、「ここはちょっと好きかも」と思える自分の一面を少しずつ増やしていく。その小さな積み重ねが、自己肯定感を確かに育ててくれます。

「自分が持っているものって、他人から見たらうらやましいって思われていることも多いと思うんです。結局、みんなないものねだりなんですよね。美容の仕事をしていると、体型も肌質も含めて、自分にないものばかり欲しくなりがちなんですけど、自分が持っているものを大事にしないまま、反対のものを自分に取り入れようとするのは無理がある。

だから今は、今の自分を最大限に活かすべきだと思っています。自分を磨きたいなら、欠点探しをするんじゃなくて、自分の好きなところ、いいところにもっと目を向けて、自己分析していくことが大事かなって」

ルッキズムに悩みがちな若い世代にも響くその言葉は、人と比べて落ち込みがちな気持ちを、そっと元の位置に戻してくれます。誰かのすてきな部分を見つけたときは、うらやましがるだけで終わらせずに、「じゃあ、自分のいいところはどこだろう」と振り返るきっかけにしてみる。そうして少しずつ積み重ねていった自己肯定感は、きっと自分を守ってくれるお守りになっていくはずです。

そして梶さんは、美容もまた自己肯定感を上げてくれるものだと語ります。

「美容で自己肯定感は確実に上がると思います。私も元々、自分の顔も肌質も全部好きではないタイプでした。でも、自分の持っているものを活かしきって愛さなければ、もったいないし、他人のものを羨ましがっても変わらないから意味ないじゃんって思ったんです。

“自分で自分を愛そう”っていうとハードルが高いかもしれないけど、いきなり愛さなくていい。自分を受け入れることからでいいんです」

■かじえり流「ものすごく垢抜ける」美容法

美容で自己肯定感が育まれると話す梶さんに、「実際にはどんな美容法を取り入れるといいのか」を聞いてみると、「私はもう三つだと思ってます」と言いながら、一つひとつ丁寧に教えてくれました。

「まず一つ目がヘアケア。髪がきれいなだけで清潔感はぐっと上がるので、ヘアケアを徹底すること。髪に良いシャンプーを使ったり、自分に合ったケア方法を見つけるのが大事です。

二つ目が日焼け止め。冬でも、ちょっと外出するだけでも、面倒くさがらずに一年中ちゃんと塗る。紫外線がいちばん肌の老化につながるので、ここは本当に徹底してほしいですね。

三つ目が姿勢。姿勢さえきれいなら、もう本当に“爆美女”になれると思っていて。姿勢を正すことで、顔のたるみや後ろ姿の美人度も変わってきます。肩や背中、肩甲骨のラインをきれいに保てるように、朝でも夜でもこまめにストレッチをすること。

この3つを習慣化できたら、ものすごく垢抜けます。メイクは正直オプション。20代の頃は『メイクでどうにかすればいいじゃん』と思っていたんですけど、30代になるとメイクだけではどうにもならないことが分かってくる。今がいちばん若いから、気づいた瞬間から、ぜひ始めてほしいですね」

自己肯定感を育み、自分を受け入れ、自分を好きになるためのヒントを、惜しみなく共有してくれた梶さん。最後に、これからの目標を聞きました。

「プライベートでは、子どもはもう一人ほしいなと思っています。子ども二人の四人家族、というのが理想ですね。

仕事としては、今進めている海外展開をもっと本格的にして、日本を代表するブランドに育てていきたいです。日本の美容は今、少し元気がないようにも感じていて。さまざまな制約もあって難しさもありますが、それも一つひとつ乗り越えながら、日本の美容を世界に届けていけるブランドをつくっていきたいと思っています」

今の自分を最大限に活かすこと。そのためにできるのは、大きな決意よりも、毎日ほんの少し自分を大事にする選択を重ねていくことなのかもしれません。梶さんの言葉と生き方は、「自分のことをもっと好きになりたい」と願う私たちに、その小さな一歩の踏み出し方をそっと教えてくれます。

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