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年末は“電子チケット詐欺”横行、購入時にハマりがちな「落とし穴」とは? 専門家が教える5つの巧妙な手口&対策

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 年末になると、ライブやスポーツ、各種エンタメイベントが集中し、電子チケットの利用が急増します。スマホ1つで入場できる便利さは多くの人に支持される一方で、偽アプリやフィッシングサイト、不正転売といったトラブルも増加しています。便利さの陰に潜むリスクを正しく理解していないと、思わぬ被害に巻き込まれることも少なくありません。

 サイバーセキュリティの専門家であり、NordVPN(オランダ)の最高技術責任者を務めるマリユス・ブリエディスさんは、この時期特有の注意点について「年末はイベント需要が一気に高まるため、犯罪者も活動を活発化させます。焦りや“今すぐ購入したい”という心理が、確認を怠らせる最大の原因です」と警鐘を鳴らします。

 販売期間が短く、人気イベントは瞬時に完売することも珍しくありません。ボットなどの自動化ツールによる大量購入で正規枠が埋まり、購入できなかった人が二次流通に流れることも、被害が拡大する一因となっています。

なぜ年末にリスクが高まるのか

年末は“電子チケット詐欺”に要注意(画像はイメージ)
年末は“電子チケット詐欺”に要注意(画像はイメージ)

 年末は、話題性や限定性が高まることで「売り切れる前に買わなければ」という心理が働きやすい時期です。この切迫感につけ込み、不正転売アカウントや偽サイトが増えます。特に、正規ルートで購入できなかった人が焦って二次流通を利用することで、詐欺に遭うリスクが高まります。

年末に多い電子チケット詐欺5つの例

 この時期に特に注意したい詐欺には、いくつかの典型的なパターンがあります。

■公式サイトにそっくりな偽サイト
URLのわずかな違いに気付かず、個人情報や決済情報を入力してしまう被害が多発しています。

■公式アプリを装った偽アプリ
見た目は本物と見分けがつかず、ログイン情報や支払い情報を盗み取る目的で作られています。

■格安をうたう偽チケット販売
特に完売後に出回る「安すぎるチケット」は注意が必要です。

■同じチケットを複数人に販売する複製チケット詐欺
当日、入場できないことで被害に気付くケースもあります。

■チケットアカウントの乗っ取り
不正ログインにより勝手にチケットが使われたり転売されたりする被害が報告されています。

電子チケットに関する代表的なトラブル

 安全に電子チケットを利用するためには、公式アプリを正しく見分けることが不可欠です。まず、アプリストアに表示されている開発元や提供元が公式サイトと一致しているかを確認しましょう。認証バッジの有無も重要な判断材料です。

 また、インストールは必ず主催者や会場の公式サイトに掲載されているリンクから行うようにしましょう。広告やSNS経由のリンクは、偽アプリに誘導されるリスクがあります。更新履歴が極端に古くないか、過剰な端末権限を要求していないか、問い合わせ窓口が実在するかも確認ポイントです。

 ブリエディスさんは「最も安全なのは、広告やメッセージではなく、公式サイトから行動を始めることです。正しい入口を選ぶことが、最大の防御になります」と話します。

安全に楽しむためにできること

 電子チケットは、必ず正規販売元や認定パートナーから購入することが基本です。URLを十分に確認せずに個人情報を入力するのは避けましょう。銀行振込やギフトカード、即時送金アプリでの支払いを求められた場合も、詐欺の可能性を疑う必要があります。

 SNS上の個人売買は特にリスクが高く、チケット画像を投稿することも不正利用につながる恐れがあります。可能であればモバイルチケットを利用し、アカウントには二要素認証を設定し、強固で使い回さないパスワードを使用しましょう。

 ブリエディスさんは最後に「年末のイベントを心から楽しむためには、“すぐ買う”よりも“一度確認する”習慣を持つことが、最も効果的な対策です」と呼び掛けています。

 少しの注意を払うだけで、電子チケットの便利さを損なうことなく、詐欺やトラブルから身を守ることができます。

オトナンサー編集部

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