タクシー乗車時、運転手殴りけがさせたら15年以下の拘禁刑!? 「酒に酔っていて覚えていない」の言い訳が通用しない理由【忘年会シーズンは要注意】
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忘年会シーズンを迎えており、この時期にお酒を飲む人は多いと思いますが、飲み過ぎないよう注意が必要です。過度な飲酒によるトラブルは珍しいことではなく、例えば、酒に酔った人がタクシー乗車時、運転手に暴行したり、暴言を浴びせたりするケースが発生しています。中には「酒に酔っていて覚えていない」と言い訳をする人もいるようです。
もしタクシーの乗車時に運転手に暴行したり、暴言を浴びせたりした場合、どのような刑罰を科される可能性があるのでしょうか。また、酒に酔った状態で暴行や暴言に及んだ場合、刑事責任を免れる可能性はあるのでしょうか。芝綜合法律事務所の牧野和夫弁護士に聞きました。
酒に酔った状態で暴行した場合も刑事責任を問われる

Q.タクシーの乗車時に運転手に暴力を振るったり、暴言を浴びせたりする人がいます。この場合、どのような刑罰を科される可能性があるのでしょうか。また、どのような言葉が暴言に該当するのでしょうか。
牧野さん「タクシー運転手を殴る、蹴るなどの暴行を加えた場合、刑法208条の暴行罪に該当する可能性があります。暴行罪では、2年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料の刑罰が科されます。
暴行罪の『暴行』とは、『他人の体に対して不法な有形力(物理的な力)を行使すること』です。相手にけががなかったとしても成立する可能性があり、具体例としては、『殴る、蹴る、平手打ちする、胸ぐらをつかむ、髪を引っ張る、腕をねじる、突き飛ばすといった直接的な物理的接触行為』『人に石や物を投げつける、唾を吐く、塩やガムをふっかける』など、相手の体に間接的に物理的な影響を与える行為が挙げられます。
また、暴行を加えた結果として、タクシー運転手がけがをした場合には、刑法204条の傷害罪に該当します。傷害罪では、15年以下の拘禁刑、50万円以下の罰金のいずれかの刑罰が科されます。なお、料金の支払いを免れる目的で暴行や傷害に及んだ場合、強盗致傷罪などのより重い罪が適用される場合もあります。
『暴言』は、『暴行』と異なる行為を指し、法的な定義や判断基準も異なります。暴言とは、他人を傷つけるような乱暴な言葉や、無礼で侮辱的な発言を指し、状況によっては侮辱罪や脅迫罪、名誉毀損罪などの犯罪に該当する可能性があります。
暴言にあたる具体的な言葉の例としては、『バカ、アホ、役立たず、ブス、ハゲ、チビ、ゴミなど、人格否定や侮辱的な言葉や、相手の存在や身体的特徴を否定・嘲笑する言葉』『ここから出られないようにしてやるなど、相手の身体的な自由を害する告知をする発言』が当たります。
ドライブレコーダーの映像などが有力な証拠となり、加害者の刑事責任が厳しく追及されるため、タクシー運転手に危害を加えることや、その上で料金を踏み倒すことのないようにくれぐれも注意しましょう。
タクシー運転手の座席を蹴るなどの行為は、座席が壊れた場合には、器物損壊罪が成立する可能性があります」
Q.もしタクシー運転手が客から暴力を振るわれたり、暴言を浴びせられたりした場合、客側に賠償を請求することは可能なのでしょうか。また、どの程度の金額まで賠償を請求できるものなのでしょうか。
牧野さん「タクシー運転手が乗客から暴力を振るわれた場合の損害賠償請求金額は、被害の程度によって大きく異なり、具体的な金額は、治療費や休業損害、慰謝料などの合計額で決まりますが、おおむね数十万円から数百万円程度が目安となります。
暴言を浴びせられた場合には、精神的損害である慰謝料の損害賠償請求が可能です。暴言による慰謝料の相場は、状況により数万円から数百万と幅広く、身体的暴力を伴う場合は50万~300万円以上の高額になることもありますが、証拠の有無や被害の程度で大きく変動します」
Q.もし酒に酔った状態でタクシーに乗り、運転手に暴行したり、暴言を浴びせたりしてしまったとします。この場合、酒に酔っていて覚えていなくても法的責任を問われる可能性はあるのでしょうか。
牧野さん「飲酒後に問題を起こした人が『酒に酔って覚えていない』と言い訳をしても、民事でも刑事でも免責されることはありません。酒に酔う前に刑事責任能力はあり、酔った後に起こした犯罪の責任を負うため、しらふのときと同様に刑事責任を問われます。具体例として、飲酒によって酩酊(めいてい)状態になり、その状態で殺人を犯した場合、飲酒時点での責任能力を基に、殺人の罪で完全な責任を問えるとする裁判例があります」
Q.客がタクシー運転手に暴行し、問題となった事例はありますか。
牧野さん「2023年9月、東京都足立区でタクシー料金2900円を支払わずに降車し、運転手を突き飛ばして軽傷を負わせ、タクシーを奪ったとして40代の男が強盗致傷容疑で逮捕された事例があります。当時、男は警察の取り調べに対し『酒を飲んだ帰りで暴行はしていない』と否認したということです」
オトナンサー編集部
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