自閉症の息子、中華料理店でニコニコしながら“激辛マーボー豆腐”ペロリ…驚いた母が気付かされた「好き」の多様性
- オトナンサー |

ライターとして活動するべっこうあめアマミさんは、重度知的障害を伴う自閉症の10歳の息子と、きょうだい児である娘を育てながら、発達障害や障害児育児に関する記事を執筆しています。
アマミさんによると、自閉症の息子は激辛のマーボー豆腐をぺろりと平らげるほど、辛い物が好きだということです。大人が一口食べてヒーヒー言うような辛さなのに、本人はニコニコしているとのことで、最初は驚いたといいます。
しかし、感覚が極端に鈍い「感覚鈍麻」な息子にとって、強い味の方が「ちょうどいい」こともあるかもしれないと感じつつあるとのことです。味覚が違うわが子との食卓での日々について、アマミさんが紹介します。
辛い食べ物に興味を示す息子
9月になっても暑い日が続きますね。暑いと、辛い物を食べたくなる人は多いのではないでしょうか。
私の小学生の息子は、重い知的障害があり、特別支援学校に通っています。話すことはできません。でも、「これ、好き!」「もっと食べたい!」という気持ちを身振り手振りで、全力で伝えることはできます。
ある日、家族で入った中華料理店で注文した「マーボー豆腐」。息子はマーボー豆腐が好きなので、席に料理が届いて取り分けると、パクパクと食べ始めました。
「そんなにおいしいんだ」と思って私も食べてみると、あまりの辛さにびっくり。子どもが食べるような辛さではないように思いました。息子に食べさせる前に、味見をすればよかったと後悔しました。
一方、息子は、辛い食べ物であるにもかかわらず食べ続けており、「え、うそでしょ? 辛くないの!?」と私は目を丸くしました。
それだけではありません。
息子は食卓で、「赤くて辛そうな物」を見つけると、すぐに手を伸ばします。まるで「赤い物=おいしい」と判断している様子。キムチ、辛いインスタントラーメン、スンドゥブチゲ…。どれも、子どもが食べるにはちょっと刺激が強過ぎるような物ばかりです。
しかし、息子は平気。まるで少しも辛くないかのようにパクパク食べ、もっとよこせと辛い物を求めます。
「普通の味」がピンとこない理由を考えてみる
息子は、感覚鈍麻なところがあります。特別支援学校に入学後もトイレトレーニングが必要なのでおむつを履いていますが、おむつがすごくぬれていても全然気にしない、もしくは気付かないことがあり、トレーニングがなかなか進みません。また、音楽のライブ会場でスピーカーの正面にいても無反応です。
そういった感覚鈍麻の子は、普通よりも「強い刺激」を求めることがあります。息子も、トゲトゲした物やネチョネチョした物といった、より強い刺激を覚える物を触りたがります。それは、口の中の感覚や、味覚にも通じるものがあるのかもしれません。
例えば、息子は、よくある子ども向け甘口カレーは、あまり好きではありません。てっきり「カレーが嫌い」なのだと思っていたら、意外にもスパイスの香りが強いインドカレーだと、がぜん食べる気になったことがありました。ガムシロップをそのままグイッと飲んでしまったこともあります。
唐揚げなどに付いているレモンは大好物で、そのままひょいっと食べます。たぶん、私たちが「これはすごく辛い」「甘過ぎる」「すっぱい」と思っている物が、息子にとっては「ちょっと物足りない」のかもしれません。
息子とは対照的に、世の中には「感覚過敏」の子もいて、口に入れた食感に本人が苦手な刺激があると食べられないという子もいるのに、自閉症というのは本当に多種多様だなと思います。
そして、すべての人にとってそうですが、「おいしい」の感じ方は、こんなにも人によって違うのだなと実感しました。
「辛いけどおいしい」を親としてどう見守るか
ただ、心配もあります。息子はしゃべることができないので、「これはちょっと無理」「おなかが痛い」などを自分から明確に伝えることができません。
そのため、私が少し味見をしてみたときに、「えっ! なにこの辛さ! こんな物を食べてたの!?」とびっくりすることもしばしばです。
どんなに「好き」でも、体にとって強過ぎる味は、健康上よくありません。特に塩分や辛さは、体への影響も大きいと思います。
「息子がニコニコ食べているから、大丈夫」では済まされないこともあるのではないかと感じるようにもなりました。「見守る」と「止める」のバランスをどう取るかを模索しながらやっています。
息子の「好き」の感覚を受け止める

息子を見ていると、「普通はこう」という常識がいかに人それぞれか、気付かされます。夫は辛い物が好きで、辛い食べ物を好んで買ってきます。一方、私自身が辛い物が苦手なので、「子どもが辛い物を食べられる」ということ自体、最初は少々信じられないところがありました。
でも今では、とりあえずこう思っています。
「確かに私にはこの味は無理。でも息子にとっては、これがいちばんうれしいのかも…」
分かり合えないところはあるけれど、息子にとっての「うれしい」「楽しい」「おいしい」が、そこにはあるのでしょう。それがたとえ私の感覚と違っていても、息子の極端な感覚や嗜好(しこう)は、時々興味深く感じます。
当たり前のことかもしれませんが、「好き」の感覚は十人十色なのでしょう。だからこそ、大人が先に「それは変だよ」と決めつけるのではなく、「その子にとってのおいしいってどんな感じなのだろう?」と、ちょっと寄り添って考えてみることも、大事なのかもしれません。
しゃべれない息子がせっかく教えてくれた、自分の「好き」なのですから。
ちなみに、息子はワサビをそのまま食べたときはびっくりした顔をしていたので、「辛い」の中にも好みがあるのかもしれません。それもまた研究していきたいです。
ライター、イラストレーター べっこうあめアマミ
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