JR東日本「廃線予備軍」はいくつある? 久留里線に続いてしまうのか 被災も引き金に
- 乗りものニュース |
岩泉線以来ということになるのでしょうか。
鉄道以外の交通体系を検討する路線
JR東日本千葉支社は2024年11月27日(水)、千葉県の房総半島を走る久留里線の末端部である久留里~上総亀山間を廃止したい意向を表明しました。同区間の鉄道輸送が地区の移動需要に適していないことを理由に挙げます。
千葉県や沿線の君津市と協議を重ね、バスなどを中心とした新たな交通体系へのモードチェンジを図ることが必要との考えを示しています。
JR米坂線は大雨により被災し、坂町~今泉間で不通が続く(画像:写真AC)。
仮に鉄道の廃止が決定すると、第3セクター鉄道やBRT(バス高速輸送システム)などへ移管された例を除き、JR東日本管内では信越本線(横川~軽井沢)、岩泉線に次ぐ廃止ということになります。
ただし2024年11月現在、JR東日本で「廃線予備軍」となっている線区は、久留里線のほかにもいくつかあります。中には災害により不通となり、復旧も見通せないために運休が続く例も。以下に列挙します。
・吾妻線(長野原草津口~大前)
・津軽線(蟹田~三厩) ※大雨被害
・米坂線(坂町~今泉) ※大雨被害
吾妻線の同区間は久留里線と同じく、鉄道の特性である大量輸送のメリットを発揮できていない状況が指摘されています。2023年度の1日あたり平均通過人員は260人といい、これはJR東日本が発足した1987(昭和62)年4月と比較して約7割減です。ちなみに久留里線(久留里~上総亀山)は約9割減です。
津軽線と米坂線のそれぞれの区間は、2022年8月の大雨により被災。盛土の流出や落橋など被害が甚大だったうえ、元々が赤字線区でもあったことから、期間や費用も鑑み、鉄道以外での復旧へ向けた協議が行われています。
JR東日本は2019年度分から、「地域の方々に現状をご理解いただくとともに、持続可能な交通体系について建設的な議論をさせていただくため」として、平均通過人員が2000人/日未満の線区を公表しています。2023年度は36路線72区間が対象となりました。ちなみに国鉄の分割民営化の際には、4000人/日未満がバス転換の目安のひとつとされていました。
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