ペーパードライバーが事故起こすと「厳罰」に? 下手な運転&未熟運転の“法的な境界線”とは【弁護士が解説】
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ペーパードライバーが事故を起こしたら厳罰に?(画像はイメージ)
3月20日から同月22日まで、仕事が休みで旅行に行く人は多いと思います。運転免許を持っているものの、しばらく運転していないペーパードライバーの中には、旅行先でレンタカーを借りて久しぶりに運転をしたいと考える人もいるようです。もしペーパードライバーが事故を起こした場合、通常の交通事故よりも重い罪に問われる可能性はあるのでしょうか。佐藤みのり法律事務所の佐藤みのり弁護士に聞きました。
「未熟運転」に該当すると危険運転致死傷罪に該当する恐れ
Q.単なる「運転が下手」「不慣れ」なのと、法律で厳罰に処される「進行を制御する技能を有しない(未熟運転)」の差はどこにあるのでしょうか。
佐藤さん「交通事故により、人を死傷させた場合、通常は、自動車運転死傷行為処罰法(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)5条の過失運転致死傷罪が適用されます。過失運転致死傷罪の法定刑は、『7年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金』です。
一方、一定の類型の危険な運転をして、人を死傷させた場合、危険運転致死傷罪(同法2条)に問われることがあります。危険運転致死傷罪の法定刑は、人を負傷させた場合『15年以下の拘禁刑』、人を死亡させた場合は『1年以上の有期拘禁刑』となります。
危険運転致死傷罪の類型の一つに、『その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為』があります(同法2条3号)。一般的に、『未熟運転』と呼ばれる類型です。
『その進行を制御する技能を有しない』とは、ハンドルやブレーキなどを操作する初歩的な技能すら有しないことをいいます。運転免許がなくても、基本的な自動車操作ができる場合には、『未熟運転』には当たりません。
一方、運転免許があったとしても、基本的な運転の仕方を全て忘れてしまい、ハンドルやブレーキの操作もおぼつかないような場合、『未熟運転』に当たる可能性があります」
Q.では、ペーパードライバーが旅行先でレンタカーを運転中、アクセルとブレーキを踏み間違えて死傷事故を起こしたとします。この場合、危険運転致死傷罪に問われる可能性はありますか。
佐藤さん「ペーパードライバーと言っても、運転技能はそれぞれであり、先述したように、ハンドルやブレーキなどの基本的な操作さえできない場合には、未熟運転として、危険運転致死傷罪に問われる可能性があります。
初歩的な自動車操作の技能は有していたものの、アクセルとブレーキを踏み間違えて死傷事故を起こしてしまったという場合は、過失運転致死傷罪に問われることになるでしょう。罪名は、過失運転致死傷罪であったとしても、ブレーキを的確に操作して安全に停止することは、運転者としての基本的な注意義務であり、それに違反したとして『過失は重大』と評価され、処罰が重くなる可能性があります」
Q.「免許を持っている=運転ができる」と国が認めている以上、ペーパードライバーが事故を起こした後、「自分は技術がないから」と主張した場合、「危険を予見できたはずだ」として過失責任が重くなる可能性はありますか。
佐藤さん「普段、あまり運転しない人が、運転に不慣れであることや運転技術が高くないことを認識しながら運転し、交通事故が発生したとしても、それだけで直ちに過失が重く評価されるわけではありません。ペーパードライバーであることよりも、具体的にどのような状況で事故が起こったのかが、過失割合に大きな影響を及ぼします。
交通事故の過失割合は、今回起こった事故と類似の事故に関する過去の裁判例を基準に決まります」
Q.もしも相手がペーパードライバーであることを知りながら、「運転してよ」と運転を勧めてその車に同乗した場合、法的責任を問われる可能性はありますか。また、運転が不慣れな人に車を貸したレンタカー会社の場合はいかがでしょうか。
佐藤さん「運転免許を保有している以上、ペーパードライバーに運転するよう求める行為自体は問題ありません。従って、運転を依頼されたペーパードライバーが交通事故を起こしたとしても、運転を依頼したことのみをもって、同乗者が法的責任を負うことは考えられません。
ただし、同乗者が、運転に不慣れなドライバーにしつこく話しかけるなど、運転の邪魔をしたために交通事故が発生したようなケースでは、同乗者が法的責任を負う可能性があります。
また、レンタカー会社がペーパードライバーに車を貸す行為も何ら問題ありません。しかし、レンタカー会社は、原則、自動車損害賠償保障法3条の『運行供用者』(自己のために自動車を運行の用に供する者)に当たると考えられており、ドライバーが人身事故を起こした場合、治療費などの損害賠償責任を負います」
Q.免許取得から1年以上経っているペーパードライバーが「初心者マーク」を貼って運転していた場合、事故時の過失割合や刑事罰が軽減されることはありますか。
佐藤さん「免許取得から通算1年に達しない運転初心者は、初心者マークをつけて運転することが義務付けられています(道路交通法71条の5)。初心者マークは、運転者が初心者であることを周囲に伝え、事故を予防するためのものであり、初心者マークをつけて運転する自動車に対して、幅寄せや割り込みなどを行うことは原則禁止されています(道路交通法71条5号の4)。
免許取得から1年以上経過した後も、初心者マークをつけて運転することは、法律上禁じられていませんが、初心者マークの趣旨から望ましいことではないでしょう。
先述のように、道路交通法は、初心者マークをつけて運転する自動車に対し、幅寄せや割り込み等を原則禁じているため、幅寄せや割り込みが関係する事故態様の場合には、過失割合で初心者マークをつけていた者に有利に考慮される可能性があります。例えば、後続車に初心者マークがあり、前方車が車線変更をして後続車と接触事故を起こしたとき、過失割合は、前方車が80%、後続車が20%とされることが一般的です。
ただし、幅寄せや割り込み以外のあらゆる事故態様において、初心者マークをつけていたから過失割合において有利に考慮されることにはなりません。刑事責任においても、初心者マークをつけていたことにより、責任が軽くなることはないでしょう」
オトナンサー編集部
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