【漫画】認知症で記憶が消えても“心は奪えない”… 介護士が現場で得た気付きに「泣けました」【作者取材】
- オトナンサー |

認知症が決して奪えないものについて描いた漫画のカット(ゆらりゆうらさん提供)
介護福祉士で似顔絵クリエイターのゆらりゆうらさんの2つの漫画がインスタグラムで合計9300以上の「いいね」を集めて話題となっています。
日常生活での動作や記憶など、さまざまなものを奪っていく認知症という病気。しかし、「絶対に奪えないものがある」と作者は感じていて…という内容で、読者からは「母を思い出して泣けました」「その人の本質が見える病気なのかも」「自分が認知症になったらどうなるのかな」などの声が上がっています。
記憶が失われていく中で、見えてきたもの
ゆらりゆうらさんは、インスタグラムやブログ「ヘルパーおかん ゆうらり日記」などで作品を発表しています。ゆらりゆうらさんに作品について話を聞きました。
Q.今回の漫画を描いたきっかけを教えてください。
ゆらりゆうらさん「『認知症は忌むべきもの』…確かにそうかもしれませんが、認知症によってその人の本質が浮き上がり、純粋無垢な心の輝きを見せることもある。そのことを描きたいと思ったからです」
Q.ゆらりゆうらさんは、普段は介護福祉士として働いているのですね。
ゆらりゆうらさん「介護士歴は13年になります。普段は訪問介護事業所で、介護福祉士として勤務しています。現在まで、放課後児童デイサービスで3年、並行して高齢者デイサービス7年、その後、現在の訪問介護ヘルパーの職に就いて6年目です。介護現場のこと、自身の日常のことなどを漫画にして、SNSで発信しています」
Q.「認知症」という病気に対して、どのように考えていますか。
ゆらりゆうらさん「以前は、『脳の機能が衰えていく恐ろしい病気』という認識がありました。ただ、さまざまな認知症の利用者さまや、認知症で6年前に亡くなった父の介護を通じて、『その人本来の姿が見えてくる』『過去に行くことができる』『スピリチュアルの側面もある』と思うようになりました」
Q.これまでに関わってきた認知症の利用者さまとのやりとりで、特に「認知症の怖さ」を感じた出来事は何ですか。
ゆらりゆうらさん「深い絶望を感じたのは、認知症になり始めた私の父が、必死につけていた日記を机の引き出しから発見したときです。抜け落ちていく記憶をつなぎ止めようと、日々の出来事をノートに書き込んでいましたが、だんだんと文章にならなくなり、最後のほうは字の形も不明瞭になってプツリと途絶えてしまっていました。そこに至るまで、家族の誰にも話さず、1人で絶望と向き合っていた父を思うと、とても苦しい気持ちになりました」
Q.認知症の利用者さまと接するとき、特に気を付けていることは何ですか。
ゆらりゆうらさん「記憶が抜け落ち、日常生活の動作ができなっていく認知症ですが、利用者さまは『自分がどう扱われているか』はしっかりと感じています。言葉だけでなく、五感を通じて『あなたが大切だ』ということを伝えるようにしています」
Q.作品について、どのようなコメントが寄せられていますか。
ゆらりゆうらさん「現在、認知症の親御さんを介護されている方々から、『介護は本当に大変だけれど、ふとした瞬間、しっかりしていた父、優しかった母に戻ることがあって、今回の話にとても共感した』『認知症になっても、最後まで残り続けるものは確かにあると思う』『しんどい日々だけれど、応援してもらっている気持ちになれた』などのコメントをいただけました」
オトナンサー編集部
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