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「空飛ぶ戦車」は限界に達したのか 墜落のKa-52攻撃ヘリ 精彩欠くロシア用兵の要

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  • 乗りものニュース
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ロシア軍の用兵「全縦深同時打撃」では、攻撃ヘリが重要な役割を務めます。Ka-52はその任に当たる攻撃ヘリのひとつですが、ウクライナ侵攻においては無残な姿をさらし、変わりゆく戦争のカタチを象徴するかのようです。

実は変わり種なロシア軍のKa-52攻撃ヘリ

 ウクライナは2022年2月に始まったロシアとの戦いを通して積極的な情報戦を展開、撃破したロシア軍の装備などをSNSに投稿しています。そうしたなか、ウクライナ国防省がロシア軍の侵攻開始1週間後である3月3日、キエフ近郊に墜落した(あるいは撃墜した)攻撃ヘリコプターの映像を投稿しました。特徴的な二重反転ローターを持ったKa-52です。

Large 220322 ka52 01飛行するKa-52。カモフが得意とする二重反転ローターは運動性に優れるとされる(画像:ロシア国防省)。

 Ka-52はヘリコプターの流麗なイメージとは裏腹に、装甲と防弾ガラスで固めた無骨な機体に多くの武装や高性能センサーを詰め込んだ、「空飛ぶ戦車」ともいえる究極の攻撃ヘリコプターです。投稿されたコクピットの写真でも計器盤にはカラー液晶多機能ディスプレイが配置されており、システムのデジタル化が図られていることが分かります。また自衛隊も保有するAH-1攻撃ヘリコプターのように前席に射手、後席に操縦手という縦型の座席配置ではなく横並びで、左側に機長である操縦手、右側に射手という、一般的なヘリコプター(右が機長席)とも逆の珍しいレイアウトです。

 実機を触ってみると、機体の感触はヘリコプターというより戦車や装甲車に近い重厚感で、「空飛ぶ戦車」と呼ぶにふさわしい印象だといいます。戦闘力も高く、地上攻撃だけでなく空対空戦闘も可能で夜間戦闘能力もあり、武装は30mm機関砲2A42のほか、機体両翼の4か所のハードポイントにヴィーフリ対戦車ミサイル、イグラ-1V空対空ミサイル、20連装80mmロケット弾S-8ポッド、122mmロケット弾ポッドなどを任務に応じて2000kgまで搭載できます。

どんな特徴が? Ka-52の二重反転ローター

 また、西側の攻撃ヘリコプターには見られないKa-52の特徴が、二重反転ローターです。

 これは旧ソ連時代からヘリコプターメーカーだったカモフ設計局(後にカモフ公開株式会社)が得意とした機構で、テールローターが不要でパワーロスが少なく、接触による事故もなく、安全性が高くなります。ローター径が小さく、高速化にも有利とされています。一方で構造が複雑になる、ローターマストが高くなるというデメリットもあります。

 ちなみにカモフは、2007(平成19)年にミルなどほかのヘリコプターメーカーと統合されて、ロシアン・ヘリコプターズという会社になっています。

Large 220322 ka52 0230mm機関砲を射撃するKa-52。運動性に優れているので機関砲は旋回式ではなく機体右側に固定装備されている(画像:ロシア国防省)。

ソ連/ロシアの用兵「全縦深同時打撃」とは?

 ソ連/ロシア軍は、前線の敵だけでなく後方の敵増援部隊や後方支援部署まで同時に打撃して孤立させる「全縦深同時打撃」を基本用兵としており、空から遠方に火力を投射できる地上攻撃機を重視しています。第2次世界大戦前に制定された戦闘教義「赤軍野外教令」ではすでに、地上部隊と航空部隊との密接な協調が規定されています。第2次世界大戦では「シュトゥルモヴィーク」という地上攻撃機も多く作られました。

 もっとも無線などの連絡手段が未発達だった当時、地上部隊と航空部隊との連携は簡単ではなく、前線部隊の指揮官がリアルタイムで攻撃機を呼び寄せることなど不可能で、作戦開始の何時間も前から調整や準備をしておく必要がありました。

 それでも状況によって地上戦と連携できず、敵が移動してしまって出撃が無駄になったり、最悪、味方への誤爆という事態も発生したりしました。「赤軍野外教令」には地上部隊と航空部隊との協同には、無線などの信頼すべき技術的連絡と指揮官同士の個人的諒解も必要と記されており、連携の難しさを表しています。

「全縦深同時打撃」の要たる攻撃ヘリ…のはずが

 ヘリコプターが実用化されてから地上攻撃にあたる「航空戦力」は、固定翼の攻撃機しかなかった時代より臨機応変な運用が可能になり、さらに連絡手段の技術的発達が攻撃ヘリコプターの価値を高めました。

 陸上自衛隊のある機甲科幹部は、攻撃ヘリコプターに搭乗し自分の部隊を空から見て冷や汗が出たといいます。ミサイル万能論が闊歩していた1972(昭和47)年6月には、NATOの演習で対戦車ミサイル搭載攻撃ヘリコプターが16:1のキルレシオ(攻撃ヘリコプター1機の損失で16台の戦車を撃破する)を示しました。一方旧ソ連軍が実施していた研究でも同様の結果が出たといわれます。

 こうして攻撃ヘリコプターは「全縦深同時打撃」を担う重要アセットとして高性能化していくことになったのです。

Large 220322 ka52 032022年3月初旬に撮影されたという、ウクライナへ夜間出撃するKa-52(画像:ロシア国防省)。

 しかしウクライナでは、無人機(ドローン)の働きが目立つ一方でこの「空飛ぶ戦車」の活動が低調な印象です。その背景のひとつには、いわゆる制空権をロシア、ウクライナとも確保していないという珍しい状態にあるという指摘もあります。双方が保有する各種対空システムの影響で、高価値アセットである有人機をうかうか飛ばせないというのです。

 ウクライナ国防省が投稿した、同国軍が撃墜したとされるKa-52のコクピットは、それほど激しく損傷していません。乗員は脱出できたのでしょうか。計器盤の左端に聖人を描いた小さな「イコン」が張り付けられていて、「空飛ぶ戦車」という厳つい機体も人間が飛ばす有人機だということを物語っています。遠隔操縦で無感情に画像を送り、攻撃を仕掛ける無人機(ドローン)の働きぶりと対比すると、人間の性に慨嘆せざるをえません。

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